東京から日帰りで行けるローカルテーマパークには、テーマパーク界の王者「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に負けない、来場客を楽しませる独自のこだわりがありました。

8月9日(火)放送の『所JAPAN2時間SP』(カンテレ・フジテレビ系)は、夏休みに行きたいテーマパークを特集。

「2020年トラベラーズチョイス 日本の人気テーマパーク トップ5」で1位(トリップノート)に選出された、テーマパーク界の王者「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に負けないローカルテーマパークの魅力を調査しました。

フジテレビュー!!では、番組に登場した、東京から日帰りで行けるローカルテーマパークのいくつかを紹介します。

スタジオには、所ジョージさん、佐々木希さん、相葉雅紀さん、河合郁人さん(A.B.C-Z)、カズレーザーさん(メイプル超合金)さん、陣内智則さん、若槻千夏さんが登場。

またVTRで、飯尾和樹さん(ずん)、井上咲楽さん、ダイアン(津田篤宏さん、ユースケさん)、U字工事(益子卓郎さん、福田薫さん)が出演しました。

世界の名所を完全再現するテーマパーク

人気の映画、アニメ、ゲームの世界観を最先端技術を駆使し、リアルに再現する王者「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。

昨年3月にオープンした新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」は、再現度の高さからゲームの中に入り込んだ感覚になると人気を集めています。

そんな「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に対して「再現度は負けない」と自負するのは、東京から車で2時間の場所にある栃木県・日光市「東武ワールドスクウェア」。

パーク内には、日本の「東京スカイツリー」をはじめ、イタリアの「ピサの斜塔」、バチカン市国の「サン・ピエトロ大聖堂」など、世界中の有名建造物を25分の1の大きさで精巧に再現したジオラマが展示されています。

再現している建物の数は、全部で102点。設計図があるものは、それをもらって制作していますが、設計図がないものは、実際に現地で測量して再現しているのだといいます。

また、忠実な再現は建物だけではなく、周りに植えられている樹木も、実は作り物ではなく本物。

パーク内には、約2万本の樹木が植えてあり、3人の庭師がそれらを毎日管理しています。

本物の樹木を植えているため、秋は紅葉、春は桜の花が咲く四季折々の変化が。季節によって見た目が全然変わってくるのだといいます。

さらに、建物の周りに配置された、7センチ程の人形にもこだわりが。

SL大樹の通るジオラマのそばに設置されていたのは、カメラを構える撮り鉄の人たち。

さらに、国会議事堂には、岸田文雄総理の人形が。

また、その手前には、歴代の総理大臣が並ぶという、遊び心もありました。

パーク内の人形は、全部で約14万体。その模型をたった2人の職人がすべて制作しています。

人形の作り方は、パテで作りたい形を作り、ドリルで削って加工。顔を描き、色を塗って完成させます。細かい作業が必要な、特殊な形状の人形の場合は、制作に1週間かかることもあるといいます。

清水寺には、修学旅行生の人形が。

人形職人の大谷沙織さんは「今までは、セーラー服と学ランが多かったけど、最近はブレザーも増えてきてた」と時代に合わせて、建物を訪れる人々の装いを変えるこだわりを明かしました。

さらに、ホワイトハウスには、マスク姿のバイデン大統領。

また、昔はカメラで撮っていた撮影風景も、最近はスマホでの自撮りに変更。今の時世に合わせた工夫がなされていました。

大谷さんは、人形1体1体の物語を大切しており、シチュエーションにもこだわりがあるそう。

パリの「ノートルダム寺院」のベンチでは、2組の男女が配置され、左側の大人2人は、ケンカをしている様子を表現。

右側の幼い2人は、女の子のほっぺが赤くなっていて、仲の良さそうな雰囲気を出しています。

しかし、来場客にインタビューをすると、細かいこだわりに「気づかなかった」という意見が多数。

大谷さんは「だいたいの人に気づいてもらえなくても、1万人に1人でも気づいて楽しんでいただければいい」と話しました。

「東武ワールドスクウェア」は「世界を旅した気分になれる」と、観光客に愛されるスポットでした。

つぶれそうでつぶれない!テーマパークを支える生き残り戦略

東京から車で2時間の場所にある栃木県・宇都宮市「宇都宮動物園」。

ここは、国内で最高齢になるキリンや、昨年生まれたばかりホワイトタイガーなど、90種もの動物を飼育している動物エリアと、ジェットコースターなど14種類の乗り物がある遊園地エリアを併せ持つテーマパークです。

園内は、風化したベンチや、破れたままのフェンスなど、至るところがボロボロな危機的状態。

園長の荒井賢治さんによると「直そうとしているが、修理の予算が足りない」とのこと。

園の運営には、年間で2億2000万〜3000万円の経費がかかるといい、「(昨今の物価高で)経費が上がって、なんとか捻出しなければならない」と現状を語りました。

そんな困難な状況の中でも「なんとか黒字にしている」という荒井さん。

どのように利益を生んでいるのでしょうか?

荒井さんが考案した、生き残りのアイデアについて聞きました。

アイデア①:園内に動物のエサ売り場を設置

「宇都宮動物園」では、動物のエサ売り場を各所に設置し、それぞれ動物のエサを100円で販売しています。

誰でも簡単に購入することができ、エサやりの際の動物との距離の近さが人気に。エサをあげられる動物の種類も多く、ほかの動物園ではできない体験を可能にしています。

また、先着1日5組限定、300円でライオンやホワイトタイガーのなどの肉食獣のエサやりも可能。

このエサ売り場の設置により、年間1400万円を売り上げます。

アイデア②:原価0円のアイデアお土産

「宇都宮動物園」限定で販売されている人気のお土産が「ゾウのフンでできたお守り」(100円)。

ゾウのフンは繊維質が多いため、特殊な薬品で煮詰め、雑菌処理し、加工すれば紙の原料になります。

ただ紙として売るだけでなく、運(ウン)がつくお守りとして販売したところ、年間で6万4000円を売り上げるほど人気の商品になりました。

ほかにも、この園では、夫婦の絆が強いことで有名なマゼランペンギンの抜けた羽で作ったしおりや、二股に分かれて生えるエミューの羽を縁結びのお守りとして販売しています。

アイデア③:企業とスポンサー契約

「宇都宮動物園」では、園内の各所に、地元企業の看板を設置する権利を販売。動物のスポンサーを募った広告看板で広告料を得ています。

看板は、デザインから制作のすべてを園の従業員が担当。それにより制作費は、ほぼ0円となっています。

看板ひとつの広告料は、年間12万円。現在20個の看板が設置されているため、240万円の利益に。

元々、証券会社に勤めていたという荒井さんは「目に見えない“欲しいもの”を売るにはどうすればいいのか?証券マン時代に、自分で考えてやったのが活きている」と語りました。

29歳で父から動物園を引き継いだ際の経営は、赤字ギリギリで年々客足も減っており、潰れるのも時間の問題だったそう。

辞めずにやってこられた理由について、荒井さんは、「動物たちを見てると、この命をつなげていかなきゃいけないと思う。苦しいとか、辞めたいとか、言ってる場合じゃない」と熱い思いを明かしました。

「宇都宮動物園」は、園長のアイデアと情熱により、長年県民に愛されているテーマパークとなっていました。

ほかにも、番組では東京都「浅草花やしき」、静岡県・函南町(かんなみちょう)「酪農王国オラッチェ」、茨城県・日立市「奥日立きららの里」、長野県・北安曇郡(きたあづみぐん)「栂池(つがいけ)高原スキー場」「白馬岩岳マウンテンリゾート」、千葉県・市川市「アトリエ&カフェ赤毛のアン」を紹介しました。