『テッパチ!』第5話完全版
国生宙(町田啓太)や馬場良成(佐野勇斗)たち自衛官候補生と、WAC(Women’s Army Corps)と呼ばれる陸上自衛隊の女性自衛官(候補生)との特別合同訓練が始まる。
<ドラマ『テッパチ!』これまでのあらすじ完全版>
この日を心待ちにしていた丸山栄一(時任勇気)や渡辺淳史(坂口涼太郎)たち。ほどなく、石崎奈央(坂東希)や森下瑠理香(山本千尋)ら8名の女性自衛官候補生が北東京駐屯地にやってくる。
そこで出会った奈央のことが気になる小倉靖男(池田永吉)。
そんな中、特別講師として、かつてテレビ局に務めていたという入山大吾1尉(柏原収史)を迎え、「大規模震災における自衛隊派遣について」という講義が行われる。
入山は、被災した町で救助活動に尽力する自衛官たちの活動を、映像や写真を交えながら紹介した。実は入山が自衛官に転職したのは、テレビ局勤務時代に被災地で出会った教育中隊長の八女純一3佐(北村一輝)が関係していた。
実家が被災し、両親が避難所暮らしをしているにも関わらず、被災者のために必死で救助活動にあたる八女の姿に、入山は胸を打たれ、テレビ局を辞めて自衛官に転身したのだ。入山の話に心を打たれる宙たち。
講義の後、渡辺や西健太(藤岡真威人)たちは、奈央にひと目ぼれしたという小倉の恋を後押ししようとする。小倉のことを「小説家志望で、SNSにあげた小説も結構評判が良かった」と紹介して連絡先の交換を提案したが失敗。
しかし、第一班の仲間たちから応援された小倉は、諦めずにもう少し頑張ってアタックしてみようと決意する。
ある日の講義の後、宙は「自衛隊内での恋愛は許されるのか」と八女に質問。すると八女は「ひと目ぼれした女性自衛官に猛アタックをして交際にこぎつけ、やがて結婚した自衛官がいた」と話す。それは八女自身の話だった。
八女の妻は、出産を機に自衛隊を離れ、ひとり娘の子育てに専念しているが、それがひと段落したら有事の際のみ任務につく「即応予備自衛官」として復帰したいと考えているらしい。
そんな折、思わぬ事態が起きる。訓練中から様子がおかしかった奈央が、突然倒れたのだ。
医務室に運ばれた奈央は、付き添ってくれた瑠理香に、妊娠していることを打ち明けた。相手は、訓練生になる前に交際していた男性だという。自衛官になるという大事な夢を見つけた奈央は、訓練生の試験に受かった時にその男性とはきっぱりと別れたらしい。
食べ過ぎで医務室の奥にある、カーテンで仕切られたベッドで寝ていた小倉は、偶然奈央の話を聞いてしまう。
それを知った奈央は、「妊娠のことは誰にも言わないでほしい」と小倉に頼んだ。だが、奈央の体を心配した小倉は、病院で検査を受けるよう提案し、おめでたいことだから、と返す。すると奈緒は、小倉の言葉に表情を曇らせ、「小説家を辞めるしかなくて仕方なく自衛隊に入った人には言われたくない」と反発し、部屋を出て行ってしまった。
残された瑠理香も、小倉の無神経な言葉に怒り、「奈央のことを何も知らないくせに、妊娠が女の幸せであるかのように決めつけないで」と言って出て行こうとする。その時、ドアの外に教官・桜間冬美2尉(白石麻衣)の姿が。偶然話を聞いてしまった冬美は、奈央と話をさせてほしいと瑠理香に頼んだ。
奈央に会った冬美は、彼女の思いを受け止め、訓練生でも自衛官と同じように産休が取れることなどを伝える。その上で、どのような道を選ぶかを決めるのは奈央自身だと告げ……。
冬美の指示で検査を受けた奈央は、妊娠10週目であることが判明する。ほどなく、奈央が妊娠していることは宙たちの耳にも入った。小倉からも話を聞いた宙たちは、一番悔しい思いをしているのは強い信念を持って自衛隊に入ってきた奈央自身だ、と彼女のことを思いやった。
別の日、階段の近くでふらつき、足を踏み外しそうになった奈央に気づいた冬美は、とっさに駆け寄って彼女を助ける。
だが、そのはずみで、階段から落下しそうになる冬美。そのとき、宙が冬美を抱き止め、身を挺して守る。冬美を抱きかかえたまま階段を落下した宙は、頭を打って気を失い、医務室に運ばれた。
宙が目を覚ますと、ベッドの横には冬美の姿があった。
安心した冬美は、宙に礼を言うと、訓練に戻ろうとする。宙は、そんな冬美を呼び止めて、「もし奈央のような立場になったらどうするのか」と尋ね、その答えを聞く前に「いや、その前に、今、男いるんすか?」と問いかけた。
冬美は、「いたらどうなの?」と返し…。
そこにやってきた奈央は、危ない目に遭わせてしまったことを宙に詫びた。だが宙は、冬美を助けたとき、「本物の自衛官みたいだと思った」と返す。自分のことなど何も考えず、ただ「助けたい!」と思ったというのだ。
宙は「初めてそういう気持ちになれたのが誇らしいから、何も気にする必要はない」と奈央に告げ、「小倉のことも許してやってほしい」と続けた。
あくる日、冬美は、奈央を連れて娯楽室にいた宙たちのもとを訪れる。
そこで奈央は、「自衛隊を辞めることにした」と宙たちに告げた。「まだ一人前でもない自分が命がけで誰かを守れるわけがないが、お腹の子を守れるのは自分しかいない」と言う。「だから精一杯やりたい。お母さんになること…みんなみたいに、全力で頑張りたい」。奈央は、宙たちにそう告げた。
あくる朝、八女や宙たちは、北東京駐屯地を後にする奈央を見送る。小倉は、そんな奈央の背中に、「未来のお母さん、頑張れ!」と声をかけた。
数日後、ジョギングをしていた宙は、やはりジョギング中だった冬美と出会う。敷地内のベンチに座って宙と話した冬美は、奈央が挨拶に来てくれたことを伝えた。彼女は、お腹の子の父親と結婚するかシングルマザーになるかはわからないが、「頑張るつもりだ」と話していたという。
去り際、「いないから」と宙に告げる冬美。その言葉の意味を理解した宙は、何度もガッツポーズをして喜んだ。
休日、宙は馬場から誘われて、彼の実家を訪れる。馬場の両親に歓迎され、楽しいひと時を過ごす宙。そのとき、ふと母・早苗のことを思い出した宙は、馬場と別れて彼女に会いに行く。
宙がインターホンを押すのをためらっていると、早苗が夫や娘とともに帰ってきた。「どうして、ここに?」。宙に気づき、そう告げる早苗。宙は、何も言えずにその場から立ち去り…。
宙がバス停に向かうと、そこに馬場の姿があった。宙は、「1人で帰るのは寂しい」という馬場に笑顔を見せて…。
<ドラマ『テッパチ!』は、FODでも配信中(最新回は期間限定で無料)>