『競争の番人』第4話完全版
小勝負勉(坂口健太郎)、白熊楓(杏)たち第六審査(通称ダイロク)は、新たに世界的な電機メーカー「アレス電機」の優越的地位の濫用を調べることに。
自社の地位を利用した部品単価の一方的な減額や支払期限の延長を強制する、いわゆる下請けいじめだ。
<ドラマ『競争の番人』これまでのあらすじ完全版>
本庄聡子審査長(寺島しのぶ)が説明していると、アレス電機の役員を見ていた白熊が知った顔の男がいることに気づく。それは、白熊が強盗殺人事件の捜査中に現場で取り逃がした柴野竜平(岡田義徳)だった。
しかし、警察はなぜか事件の捜査を中止していた。白熊は今度こそ柴野を捕まえることができるかもと意気込むが、今は公取委の身なので捜査はできない。さらに本庄は、柴野は下請けいじめの中心人物と目されているが、「強盗殺人という重大事件に関わっている可能性があると分かった以上、公取委での調査はできない」と言う。
小勝負と白熊はアレス電機の取引会社へ向かう。他のメンバーもそれぞれに話を聞きに行くが、どの会社も不満は感じているようだが「返答は待ってほしい」と言うだけ。ただ、小勝負は「丸川金属工業」の丸川俊春社長(吉沢悠)だけが「困ったことはない」と断言したことに違和感を覚える。
ダイロクではそれぞれが取引会社から持ち帰ったアレス電機の不正をまとめる。そこに、柴野がやってきた。
小勝負と白熊が話を聞きに行くと、柴野は「新製品の開発のために手伝ってもらったり、部品の単価を下げてもらったりしているのは全部、取引先からの提案」と、証拠書類を提出。確かに書面上はそうなのだが、小勝負も白熊も納得できない。
すると、柴野は白熊が自分を取り逃した刑事だと気づいて揶揄する。その態度に、白熊は刑事のような態度をとってしまい…。
小勝負と白熊がダイロクに戻ると騒然としている。桃園千代子(小池栄子)はアレス電機の取引先全社から一様に「不正はない」というメールが送られてきたと2人に教えた。
小勝負は、どの会社も同じような文面で足並みを揃えているのは、取引先の中にまとめ役がいるのだと気づく。
次の日、緑川瑛子検事(大西礼芳)と駒場直樹検事(小松和重)がダイロクに姿を見せる。アレス電機の顧問弁護士から、白熊が柴野を強盗殺人容疑で取り調べたとクレームが来たのだ。
白熊がうなだれていると、駒場は「アレス電機」より優先して調べてほしい案件があると風見慎一(大倉孝二)に資料を渡した。
仕方なく、風見が検察に渡された案件の仕事を割り振ろうとすると、小勝負は「上の命令に従うしかない検察や公取も、アレス電機の取引先と同じだ」と言い、丸川の元へ行ってしまう。
桃園は「検察からの案件は自分たちでやる」と、白熊に小勝負を追わせた。
丸川に会うと、「取引先のまとめ役ではないですか」と質問する小勝負。「組合の幹事ではある」と言う丸川に、小勝負は「それだけではなく、柴野と長い付き合いもあるのではないか」と言う。柴野と丸川は少年時代に同じ野球チームにいたのだ。
丸川は「だから肩を持っているのではなく、仲間だと思って仕事をしている」と言い、小勝負たちを追い返す。
その後、丸川はアレス電機の取引先の経営者たちと会合を持つ。経営者たちの中には、「公取に協力したほうが良いのではないか」と言い出す者も現れ、不協和音が生じ始めていた。
ダイロクに戻ると、白熊が風見に丸川がまとめ役だったと報告。
一方、立入検査ができないか本庄に掛け合ってくると言う小勝負。「アレス電機への検査は、まだ無理だ」と桃園が言うと、小勝負は「検査をするのはアレス電機ではなく丸川金属工業だ」と答えた。
柴野と個人的な繋がりを持つ丸川が、アレス電機の濫用行為に加担していると言う。白熊や桃園たちは、丸川もいじめを受けている側だと小勝負の真意を図りかねていた。
本庄が許可し、小勝負、白熊、六角洸介(加藤清史郎)は、丸川金属工業で検査を行う。
小勝負はパソコンデータなどから出た、丸川がアレス電機のいじめに加担している証拠を洗い出し、手厳しい。それでも丸川は「すべて自分1人でやったこと」と柴野をかばい続けた。
丸川金属工業から持ち帰った留置資料からも、明らかに丸川自身もいじめを受けていることは明らか。それでも丸川の関与を認定するつもりなのかと聞く白熊に、小勝負は「良いものを見つけた」と示す。
それは、丸川がアレス電機に提案した値下げ資料。しかし、2枚提出されている。丸川が出し直したのだ。そこでは丸川金属工業だけの単価が大幅に下がっていた。
丸川は、他の取引先の単価をこれ以上下げさせないことを条件に、自分だけ値下げを被っている。小勝負はこれを見つけるために立入検査を行ったのだ。
風見が息子の野球チームの決勝大会を応援していると、小勝負と白熊がやってくる。対戦相手は、丸川と柴野がかつて所属した野球チームだった。
小勝負が立入検査に入ったとき、試合を教えていたため丸川が見に来ていた。そして小勝負は丸川に「他の取引先に事情を説明した」と話す。
そこに、取引先の社長たちが現れた。丸川は謝るが、社長たちには別の思いが。丸川だけが値下げに応じて自分たちを守ってくれた、と。
そして、社長たちはアレス電機の不正を暴くために公取への協力を約束。小勝負は、そこには丸川の力も必要だと説得する。こうして、ついに丸川もうなづいた。
数日後、全取引先の証言を揃えたダイロクは、いよいよアレス電機への立入検査を行おうとする。しかし、その矢先、取引会社の一つがアレス電機の契約を切られたと丸川から連絡が入った。
それでも、アレス電機のイジメが証明出来れば再契約もあると意気込むダイロクメンバーたち。そこに、六角敦夫検事(羽場裕一)が現れ、立入検査の一旦中止を求めた。