こないだ『スッキリ』(日本テレビ)にパパが出ておりまして…。
あ、パパって言うのはもちろん小澤征悦さんなんですけど、それまで『スッキリ』に出てた小澤征悦さんは僕にとっては単にコメンテーターの一人で、むしろ、なんで小澤征悦さん出てんだろ?ってほどの認識だったんですけど(小澤征悦さんはじめ各方面に失礼で大変申し訳ございません)、『パパ恋』以降は一変。
「あ、パパじゃん!」って心躍るし、「パパがちゃんと働いてる!」ってドラマと同化しすぎてかなりハートウォーミングな気持ちになります。硬派なニュースのコメントをしてても、その後ろ側に“下半身の反応を我慢するパパ”が浮かんできて集中できなくなるのがたまに傷なんですけど、これまで特別な思い入れがなかった小澤征悦さん(何回も失礼)を、こんなにも愛すべき“パパ”にしてくれたこのドラマに改めて御礼申し上げます。
さてそんな個人的心境の変化は置いといて、今回は山下家の一人娘、トモちゃん(福本莉子)がおっさんママ(塚地武雅)を心からママと呼べるかどうか?というお話。
トモちゃんは初回の早い段階から、おっさんママを受け入れているように見えてはいたけれど、やっぱり思春期。見た目はおっさんなのに“心から”ママとは言えないよね。そもそも思春期というフィルターがなくても、塚地武雅が本上まなみだなんて無理過ぎるもん。そんな超難題をどう解決するのか?やっぱりいつものこのドラマらしく、超最低でヒドすぎるストーリー展開(もちろんいい意味で)に乗せて華麗に解決していきます。
その中でも見どころは、前半と後半にあるパロディの見せ方。
前半、パパが「見た目をもっと良くすればトモもママと呼べるはず!」と、パパらしく単純でかなり表層的な思考とノリで映画「ロッキー」をパロディしていくんですが、この超くだらないシーンがやっぱり最高。
しかもこのかなりどうでもいい場面の中でおっさん多恵子が無駄にパンチング能力をあげていくシークエンスは、東海テレビドラマ史上、屈指のどうでもいい成長描写と言っていいでしょう。だた、この「見た目さえ変われば」という部分が後半、ある感動のパロディによってひっくり返され、今回用意されたもう一つの親子愛の物語までハッピーエンドしていく展開が感動的なんです。
その親子愛というのが、山下家にお邪魔してくる“片瀬ナナ”(橋本マナミ)の娘の“りの”ちゃん(粟野咲莉)(このネーミングセンスもふざけすぎてるし、だったらママと娘、逆だろ!というツッコミすら馬鹿らしく思えてくる程のくだらなさ)なんですけど、この母子の決着と、ママは見た目か中身か?という問題も重ねて、後半に用意されたとあるパロディ…というより“創作劇”でどちらも解決させるという、ふざけてるくせに超うまいことやってくる作劇にちょっとイラっともしてきます。
そして、ラストが超衝撃的!僕はその瞬間、野島伸司ドラマかよ!って軽くツッコんじゃいました。
ちょっと意味わかんないと思いますが、具体的な答えを出しちゃうとネタバレしちゃうのでヒントに留めますが、野島伸司脚本の往年の大ヒット作『101回目のプロポーズ』(近作だと『OUR HOUSE』など)でも起こったあるシチュエーションを使って、愛は見た目に宿るのか?魂に宿るのか?という野島伸司ドラマでお馴染みの哲学的展開が繰り広げられる?かも?
まさかこのドラマで、野島伸司というワードが出てくるなんて、僕も相当ドラマ病におかされてますが、もちろん野島伸司を知っていようがいまいが、哲学とかなんとか言ってますが、そんな難しい話ではなく、すこぶる来週が気になってくるラストになっているのでお見逃しなく。それともう一つ、予告にあった、第2話で登場して笑かすだけの存在だと思っていたテニスコーチ(黒木啓司)が再登場してママと不倫!?には吹き出しちゃった。来週も絶好調じゃん!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)