『純愛ディソナンス』第3話完全版

遺体で発見された元顧問の小坂由希乃(筧美和子)が、部員たちに残していたメッセージを映像研究部のハンディカメラの中に見つけた和泉冴(吉川愛)。

だが、由希乃がカメラの前で話している最中に、男が現れる。「もう終わりにしたい」という由希乃に、「終わらせるくらいなら、僕は全部捨てる」と返す男。それは、2年3組担任の加賀美理(眞島秀和)の声だった。

<ドラマ『純愛ディソナンス』これまでのあらすじ完全版>

新田正樹(中島裕翔)に電話した冴は、留守番電話に「小坂先生と付き合っていた相手がわかった」とメッセージを残す。

するとそこに、加賀美が現れた。冴から事件のことを問われた加賀美は、由希乃の殺害を否定。冴は、カメラを渡すよう迫る加賀美から逃げようとするが…。

一方、冴からの留守電に気づいた正樹は、異変を感じ、桐谷高校へと急ぐ。その途中、朝比慎太郎(髙橋優斗)と出会った正樹は、彼と一緒に学校へ向かった。

正樹たちは冴を探すが、どこにも彼女の姿はない。加賀美とすれ違った正樹は、「和泉を見なかったか」と尋ねる。しかし加賀美は「見ていない」と言う。

それからしばらくして、正樹と慎太郎は、映像研究部の部室に落ちていた冴のスマートフォンを発見。ほどなく、慎太郎は、タオルで口をふさがれ、手足を縛られてロッカーの中に閉じ込められていた冴を見つけて助け出す。冴は意識を失いかけていた。

正樹は、校舎の屋上から飛び降りようとしていた加賀美を見つける。

正樹は、由希乃が兄の恋人だったことを告げ、事件の経緯を問いただした。由希乃に惹かれて自分を抑えられなくなったこと、それに対して由希乃は、生徒たちの存在もあり、教師としての自分を守るために加賀美との関係を終わらせる決心をしていたことを話す加賀美。

「取り返しのつかないことをした」とうなだれる加賀美に、「じゃあ、死ねば」と言い放つ正樹。「そうすれば同情も集まり、妻や子に対する風当たりも和らぐ」と言う。

その時、サイレンを鳴らしてパトカーがやってきた。正樹は、死なずに済んでホッとしている様子の加賀美に怒りをぶつけ…。

冴は救急車で運ばれる。刑事に連行され、校舎から出てきたか加賀美は、「君も、他人事じゃないだろ」と正樹に告げた。

自宅に戻った冴にリンゴを剥きながら、母・静(富田靖子)は、悪いのは由希乃や加賀美、そして正樹だと言い聞かせる。冴は、そんな静に「スマホを返して」と頼むが無視されていた。

そこに、慎太郎が訪ねてきた。慎太郎から、正樹が責任を取って学校を辞めたと聞かされた冴は、自転車で学校へと急ぐ。しかし、すでに正樹の姿はなかった。

音楽室の黒板には、「応援してる」という正樹からのメッセージが残されていて…。

5年後──。

正樹は、碓井賢治(光石研)が社長を務める「モノリスエステート」で働いていた。

一方、冴は、高校卒業後、静のもとを離れ、慎太郎や園田莉子(畑芽育)らとシェアハウスで暮らしていた。

冴は、アルバイトの面接で、セカンドパートナーを見つけるためのマッチングアプリ「セカプリ」で注目を集めている「コアスパーク」を訪れる。

しかし、そこで冴は、退屈そうにしながら時間を気にしている社長の路加雄介(佐藤隆太)から、「つまらない」と言われたことが気に障り、つい反論。

その挙句、「セカンドパートナーなんて単なる公開不倫だ」「不倫をOKとか、世間の逆を行こうって安易な発想、つまらないと思う」などと言ってしまう。

モノリスエステートでは、賢治が正樹や息子の北都(和田正人)、伊藤(佐藤祐基)ら部下たちから仕事の報告を受けていた。そこで賢治は、成果を上げられないでいた伊藤を怒鳴りつけ、その後始末を正樹に任せる。

アルバイトの面接に失敗したことを引きずり、落ち込む冴。そこに、路加から採用メールが届いた。

あくる日、コアスパークを訪れた冴は、路加に社内を案内してもらい、そのクリエイティブな雰囲気に魅了される。だが、冴が任されたのは、トイレ掃除やゴミ捨てなどの雑用。うんざりして辞めようとしていた冴に、路加はある仕事を指示する。

それは、冴が尊敬している小説家・美南彼方と路加の対談インタビューのアシスタントだった。

ほどなく、コアスパークに美南彼方がやってきた。だが、彼女の顔を見た冴は驚く。美南彼方とは、高校時代の国語教師・碓井愛菜美(比嘉愛未)だったのだ。

「純愛」をテーマに、愛菜美と路加の対談が始まった。愛菜美は、「教師をしていたときにそれっぽいものを見たが、今考えると良いとは思えない」と発言。「自分よりも相手を優先する純愛は、結局、お互い幸せになれない」と言う。

「純愛と言える恋をしたことがある?」と同席した冴にも尋ねる愛菜美。冴は、「純愛しているかどうか、本人は自覚できないものじゃないでしょうか」と返した。

対談を終えた愛菜美は、冴の名字を呼び、すぐに気がつかなかったことを謝った。そこで路加は、冴が愛菜美の教え子だったことを知る。

仕事を終え、駅に向かって歩いていた冴は、男性がストリートピアノを弾いているところに出くわした。そのとき、冴の目の前を走り抜ける男性。それは正樹だった。

冴は、後を追ったが、見失ってしまう。そのとき、ふいに背後から腕を掴まれた冴は、壁に押し付けられる。正樹によって自主退職に追い込まれた伊藤の仕業だった。

正樹に恨みを抱く伊藤は、冴が正樹の知り合いではないかと問い詰める。そこに戻ってきた正樹は、殴りかかってくる伊藤を制圧し、立ち去ろうとした。

そんな正樹を、「先生!」と呼び止める冴。しかし正樹は、「誰?」とだけ返して、去っていく。

シェアハウスに戻った冴は、食事もとらずに部屋に入る。

冴の様子がおかしいことに気づいた慎太郎は、夜食を持ってドア越しに冴に声をかけた。部屋の中から慎太郎を呼び止めた冴は、「ちゃんと進まなきゃって…改めてそう思った」と告げた。

慎太郎は、そんな冴に、「じゃあ、俺も一緒に進んでいい?」と尋ね、冴のことが好きだと告白する。

別の日、仕事を終え、終電に乗って帰ろうとしていた冴。すると、5年前、正樹が弾いていた曲が聴こえてくる。ストリートピアノを弾いていたのは、正樹だった。

ピアノを弾き終えた正樹は、冴に気づく。「嘘つき」。冴は、正樹にそう告げた。

正樹と冴は、タクシー乗り場のベンチに並んで座り、タクシーを待っていた。そこで冴は、正樹が教師を辞めることになってしまったことを謝った。それに対して、「教師はつなぎのつもりだったし、あの騒ぎのおかげで何もない自分を認めて、楽になった」と返す正樹。

冴は少し笑うと、「ずっと気にしていたわけではないし、夢も諦めていない」と言うと、「だから先生、心配しないでください」と続けた。すると正樹は、「二度と先生なんて呼ぶな」と告げて…。

さらに別の日、路加とともにとあるホテルを訪れた冴は、愛菜美と再会する。路加は、セカンドパートナーを題材にしたWEB小説を自社サイトで展開しようと計画しており、その執筆を愛菜美に依頼したのだ。

企画書を受け取った愛菜美のために、タクシーの手配をしようとする冴。愛菜美は、そんな冴を制し、夫が迎えに来てくれると告げる。

そこにやってきたのは、正樹で…。

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