舞台「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」の製作発表会が、2月22日(土)に都内で開催され、主演の安田顕をはじめ、馬場徹、川久保拓司、富田健太郎、浅利陽介、太田基裕、渡部豪太、大谷亮平、鈴木浩介、演出の白井晃が登壇した。

日本国内では「真夜中のパーティー」の名で知られる本作は、1968年にオフ・ブロードウェイで初演され、1000回を超える公演を重ねた傑作会話劇。

ゲイの友人たちによる一夜の誕生パーティーでの出来事を通して、LGBTの人々を取り巻く社会の現実や、それぞれのアイデンティティ、愛憎などを真正面から描き、演劇界のみならず社会にも大変な衝撃を与えた。

初演から50周年を迎えて行われた昨年のブロードウェイでのリバイバル上演では、ハリウッドスターなどの豪華キャストで話題沸騰となり、昨年のトニー賞で演劇リバイバル作品賞を受賞。

日本でも83年から幾度となく上演されてきたLGBTを正面から扱った傑作を新たな訳と白井による新演出で、7月18日(土)~28日(火)のBunkamura シアターコクーンを皮切りに、仙台、札幌、大阪にて上演する。

演出を手掛ける白井は、「50年以上前に書かれたものを、今やる意味を問われると思う」と言い、「当時の環境と今は変わってきているけど、その中でも変わらないものもあると思う。変わってきたもの、変わってきていないものをはっきりできるような作品になれば」とあいさつ。

主演のマイケル役を演じる安田は、「オリンピックイヤーの夏を、白井さんの演出のもと、ここにいるキャストの皆さんと過ごします。人生で一番思い出に残る夏にしたい」と決意表明。

白井とは初タッグだが、「ドキドキワクワクする。お稽古が大好きな先輩とうかがっておりますので、ビシビシとご指導いただけたら。体を預けて、やれることを精一杯して、お客さんの前に立ちたい」と誓った。

インテリアデザイナー・エモリー役の浅利は「LGBTの方々だけではなく、生きづらさを感じてる人にささるテーマ。見に来てくれたお客様にそんなテーマ性を受け取ってもらい、明日の糧になったらうれしい」と期待を込めた。

アフリカ系米国人のバーナード役の渡部は、「小さい頃からアメリカ人になりたいと思っていたら、アメリカ人の役がきてうれしい」と言って笑いを誘い、「多様性が叫ばれる昨今、いろんな人がいろんなことを思って、いろんな場所で生きている。そういう鏡になるようなすばらしい戯曲だと思う」と胸を張った。

マイケルの友人である弁護士で、メンバー内では唯一の異性愛者のアラン役の大谷は「台本がとても面白かった。 会話の内容がすごく衝撃的」と明かし、「自分にとって大きなチャレンジになると思うので頑張りたい」と気合十分。

夜の誕生パーティーの主役でもあるハロルド役に鈴木は「安田さんを中心として、全力でいい舞台ができるよう頑張りたい」と意気込んだ。

質疑応答では、個人的に男に惚れたエピソードを披露する一幕も。川久保は舞台で共演経験のある安田に惚れたといい、「(安田は)本当にストイックで、準備、トレーニング、セリフの入り方もスバ抜けて素晴らしい。けど、1つお酒が入るとだらしなくて、『どうしようもない』と思わせてくれる隙を作る先輩。こんな先輩になりたい」と絶賛。

それを受けて安田は、川久保と博多の屋台で飲んだときのエピソードを話し始め、「面白い話をしてたら、屋台のつっかえ棒によっかかちゃって、屋台ごとつぶれました」と白状し、「今回はわきまえて、芝居に臨んでいきたい」と苦笑い。

そんな安田について、鈴木も「お酒を飲んでるときに『もう一杯いいですか?』と言うと、絶対『NO』と言わない。安田さんは器が大きい」とまたもや酒飲みエピソードを交えて褒め、「来世では結婚しようと思います」とニヤリ。それを横でみつめながら聞いていた安田は「同じ墓に入ってください」とラブコールに答えていた。

さらに、大谷も「安田さんは、お酒を飲むと男気が増してかっこいい」と白い歯を見せ、また、鈴木についても「ドラマで一緒だったとき、お酒を飲まれて合間は休んでいたのに、本番は決める。そこがすごくかっこよかった」とお酒にまつわる話を。それを受けて苦笑いしながら聞いていた安田が、白井に「今回の舞台では、禁酒にしましょう!」と呼びかけ、爆笑を起こしていた。

最新情報は、舞台「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」公式サイトまで。