『純愛ディソナンス』第2話完全版

新田正樹(中島裕翔)の大学時代の先輩で、桐谷高校を突然辞職したまま行方がわからなくなっていた元音楽教師の小坂由希乃(筧美和子)が遺体で発見された。

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殺人事件を視野に捜査を開始した警察は、桐谷高校を訪れて教職員から話を聞くとともに、残されたままだった由希乃の私物を押収していく。

2年3組担任の加賀美理(眞島秀和)は、和泉冴(吉川愛)や朝比慎太郎(髙橋優斗)ら生徒たちに由希乃のことを伝えた。副担任の正樹は、ショックを受けて呆然としている冴を見つめ…。

夕方、音楽教室へ向かう正樹を追って冴がやってきた。そこで一緒にピアノを弾く2人。「どうして死んじゃったんだろう」。冴は、ピアノを弾く手を止めて正樹に尋ねた。

すると正樹は、死亡原因は解剖して調べないと分からないと返す。冴は、兄の恋人でもあった由希乃が殺されてもどこか冷めた態度の正樹が理解できず…。

あくる日、実家を訪れた正樹は、学校法人立秀学園の理事長を務める父・秀雄(神保悟志)に、「親父の後を継ぐ気はない」と告げる。それに対して、「殺人事件が起きるような学校は、ろくなものじゃない」と言い放つ秀雄。

正樹は、そんな父に、亡くなったのは兄の幸助がずっと付き合っていた女性であることを告げ、「結局、兄貴のことだって、たいして知らないんだな」と言い残して出て行く。

数日後、三者面談が行われる。加賀美から「指定校推薦枠に推せる」と言われて喜ぶ冴。すると、大学のパンフレットを見ていた冴の母・静(富田靖子)は、その大学が家から遠いことに気づき、「大学なんて、家を出て通うほどのものではない」と言いだす。「大学に行くよりも大切なことがたくさんある」と言うのだ。

冴は、静の言葉に反発した。同席していた正樹は、静の意見に同意してみせると、「親に大事に育てられた子どもは自分自身を大事にできるのだから、冴が選ぶ道なら間違いない」といって静を納得させる。

その夜、正樹と冴は、コインランドリーで偶然出会う。冴は、洗濯が終わるまでの間、持ってきたパソコンで小説を書いていた。

そこで冴は、三者面談の件に触れ、正樹に礼を言った。そんな冴に正樹は、「大事なことほど感情的になってはいけない」と告げ、「相手が言ってほしいことを言ってコントロールすればいい」と助言する。

静は、コインランドリーから戻ってきた冴に「生まれ変わる」と宣言する。正樹の言葉が響いたのか、明日から夜の仕事ではなく、うどん店でパートを始めることにしたのだという。

静から、外で食事をしないかと誘われた冴は、「11日がいい」と返した。

あくる日、冴は、静のことを正樹に報告し、11日に海岸通りのイタリアンレストランで昼の仕事を見つけた静のお祝いをすることになったと話す。

午後、冴とともに映像研究部の部室を訪れた正樹は、慎太郎たちに上映会が中止になったことを伝える。由希乃の事件があったため、落ち着くまで行事は控えたほうが良いという学校側の判断だった。

すると慎太郎は、由希乃が入院したと嘘をついていた正樹に噛みついた。クラスを落ち着かせたかったといって謝る正樹。そんな正樹の態度に苛立つ慎太郎は、胸倉をつかんで「あんた、なめてるだろ。俺らのこと」と言い放つ。

間に入って慎太郎を落ち着かせる冴。部室から出て行った正樹を追いかけた冴は、「なぜ小坂先生との関わりについてみんなに打ち明けないのか」と問いかけた。だが正樹はそれに答えず、「早く帰れ」と告げて背を向ける。

そんな折、正樹は、国語教師・碓井愛菜美(比嘉愛未)に誘われて神社を訪れた。

そこで愛菜美は、由希乃がいなくなった日、彼女から食事に誘われたことを正樹に打ち明ける。だが愛菜美は、由希乃の誘いを断ったのだという。

愛菜美は、その後、由希乃がこの神社に立ち寄るのを見たらしい。愛菜美は、話ながら絵馬の前まで進むと、由希乃のことを信じて疑わない正樹に、「小坂先生の方が誰かを苦しめていた側かもしれないのに」と告げた。

そのとき正樹は、1枚の絵馬に気づく。「もう誰も傷つきませんように」。それは、由希乃が書いたものだった。

正樹と別れた後、雑居ビルの前にやってきた愛菜美は、モノリスエステートの社長(光石研)が、路加雄介(佐藤隆太)を突き飛ばす場面に遭遇する。土下座をして、「もう一度チャンスをください」と懇願する路加。愛菜美は、そんな路加に「あなたも私と同じですね。誰かの特別になれない存在」と声をかけた。

愛菜美に言われた言葉を思い出しながら歩いていた正樹は、静が以前見かけた男とは別の男性と腕を組んで歩いている姿を目撃する。

同じころ、レストランで静を待つ冴。だが静は、冴との約束をすっぽかし「行けなくなった」とだけ、留守電を残していた。

冴は運ばれてきた2人分の料理を前に、1人むなしく食事をする。そこに正樹がやってきた。静を見かけたという正樹に、「今まで何度もドタキャンされてきたから、こうなることは想定内」と告げる冴。

そこに、バースデーケーキが運ばれてきた。11日は冴の17歳の誕生日だったのだ。冴は、昨年は由希乃が祝ってくれたことを告げると、静への当てつけのつもりだったが、「それさえもさせてもらえない」と寂しそうにつぶやく。

すると正樹は、フォークを手に取ってケーキを食べ始め、「おめでとう」と言った。笑顔になり、一緒にケーキを食べ始める冴。そのとき、正樹のスマホに連絡が入った。貸ロッカーの会社からだった。

正樹は、冴とともに貸ロッカーに向かう。そこには由希乃が預けた荷物があり、緊急連絡先として正樹の名前が書かれていたため、連絡したという。管理人がロッカーを開けるとカバンがあり、映像研の備品であるハンディタイプのビデオカメラと、指輪の箱が入っていた。

正樹と冴は、公園のベンチに座り、指輪の箱を開けた。中には「Dear My Love」というメッセージカードとシンプルなリングが入っていた。「小坂先生、付き合っている人がいたんだ」とつぶやく冴。ビデオカメラの中には、冴が撮影したという由希乃の姿が収められていた。慎太郎たちと一緒に文化祭用のポスターを作っているときのものだった。

楽しそうに笑う由希乃の姿を見つめていた正樹は、思わず画面を閉じ、桐谷高校の音楽教師に誘われたとき、由希乃の話を聞いてやらなかったことを悔やんだ。冴は、そんな正樹を抱きしめ…。

事件が起きたのはその翌日だった。

公園で抱き合っている正樹と冴の姿を盗撮した写真が、生徒たちだけでなく、父兄のメールグループにも送りつけられたのだ。

職員室に押しかけ、正樹に説明を求める静。騒ぎを知り、冴や慎太郎たちも職員室に駆けつた。

冴は、わめき立てる静を止めようとした。だが静の怒りは収まらず、持参した紙袋から、正樹が冴を騙した証拠だと言って、冴が書いていた小説の原稿を取り出した。

静は、そのコピーを教師たちに配ると、勝手に原稿を読み始める。その姿に耐え兼ねた正樹は、「いい加減にしろ!」と静を怒鳴りつけ、「こんなのは母親のすることじゃない。あんたは母親を武器にしているだけだ。さっさと娘を解放してやれ!」と言ってしまう。

慎太郎は、愛菜美の元へと向かった。静が職員室で騒いでいるとき、愛菜美は、目が合った慎太郎に小さく笑ってみせたのだ。

慎太郎は、今回だけでなく、以前の盗撮写真の件も愛菜美の仕業だと考えていた。慎太郎からそのことを問われた愛菜美は「さあ…」とぼけながら、「でも、一つ間違えば、あなたがやっていたかもしれない。違う?」と返し…。

夕方、映像研の部室にやってきた冴は、ビデオカメラの映像を見ていた。すると、ふいに映像が切り替わり、由希乃が映像研の部員たちにあてたメッセージが再生される。

だが、由希乃がカメラの前で話している最中に、男が現れた。

男に近づき、「もう終わりにしたい」という由希乃に、「終わらせるくらいなら、僕は全部捨てる」と返す男。正樹に電話した冴は、留守番電話に由希乃と付き合っていた相手がわかった、とメッセージを残す。

するとそこに、加賀美が現れ…。

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