前々回から懸念していた「これ、終わんの???」問題…
・妻、知花(百田夏菜子)の社会復帰、どうなるの??
・知花をフォローしてた、加賀店長(雛形あきこ)、倒れちゃったよ??
・発達障害の“カミングアウト”、ちっともうまくいかないよ??
・あの言ってることが正論過ぎる副店長(中村加弥乃)とか、理解得られるの??
・てか、加賀店長の息子、大貴くん(佐藤結良)、超いい子だし、もっと出てきて??
・それもそうだし、夫、悟(落合モトキ)が応募した漫画大賞、どうなった??
・え?待って??最終回の知花、とんでもないことになってるよ??
・ねぇ北山家どうなんの??ねぇドラマどうなんの??ねぇ最終回…、終わんの???
という、これまでの続きはもちろん、最終回でもさらにとんでもないことになったりやんやで、残りの数十分、その分量でちゃんと処理できんのか?見てる最中ですらヒヤヒヤドキドキ…でしかなかったわけですが…。なんと…、みなさん…、
安心してください!終わりますよ!?(当然)
(声高に)安心してください!!終わりますよ!!!(なぜ2回)
最終回前のあるある!?見くびるんじゃないよ!な大団円
いやー、ホント、素晴らしい最終回だったわ。見事なフィニッシュ!!
前回のラスト、加賀店長が突然倒れたとき、おいおい、いくらなんでも、ドラマチックにし過ぎだろ!最終回前あるあるの、突然のドラマチック展開で、盛りすぎだろ!!って、若干憤慨気味だったし、で、あれでしょ?店長倒れて?副店長やらも?店長の大変さを?知るだのなんだの?知花に頼る展開に?なったり?やんややんやの大団円??っていう?そういう??そういうわけでしょ???って高をくくってたわけだけど(ひどい)。うん、まったくもって、そんなことなかったわ!(そらそう)大団円=見事なフィニッシュ!なのは間違いないんだけど、見くびるんじゃないよ『僕の大好きな妻!』だったよ(僕だけか)。
で、前回の加賀店長のやんややんやは、それもこれも、これまで一貫して『僕の大好きな妻!』が描きたかったこと…。それを、最終回で強調するための出来事だったんですよね…。つまり、発達障害があろうとなかろうと、助け合う、補い合う、理解し合う大切さを、どこまでも自然に、美しく、物語に落とし込むための、加賀店長倒れる!!だったわけなんですよ。この件もあったり、正論過ぎる副店長の件も、突然の善人!!みたいな、最終回強引あるあるになるわけでなく、全然一筋縄ではいかなくって…だ・け・ど…という、この辺のドラマ、どういう結末を迎えるのか!?乞うご期待です。
で、わざわざ加賀店長が倒れてしまう…っていうエピソードは、「加賀店長の息子、大貴くん(佐藤結良)、超いい子だし、もっと出てきて??」問題をも見事に解決させる、胸アツ展開へと発展していきます。
だけど、ふと、今になって考えてみると、この大貴くん関連。知花がピアスを店に忘れたそのついでに、加賀店長の電話をたまたま聞いて、加賀家までわざわざ赴(おもむ)いて、手助けして、で、その手助けってのも、ただただ大貴くんがオーダーした“ビーフシチュー”を作ってあげた…っていう、たったそれだけのコト…だったはずなのに、知花のこの行動によって、こんなにも加賀店長も大貴くんも、視聴者である僕らも、心がこんなにも動かされ、影響を受け、さらにそれによって物語が大きく動いていく…だなんてさ、どう考えたって“都合がよ過ぎる話”なんですよね。
いや、そうなんだけど、まったくそうは思わないわけじゃないですか。むしろ、“ビーフシチュー”って、突然の単語出てきただけで涙出てきたわけじゃないですか?(僕だけ?)、そのワンセンテンスだけでグッと感情移入できちゃったわけじゃないですか?(え?マジで僕だけ?)。この辺の機微、がすごいんですよね。で、それを知ってか知らずか、このドラマは、あの時、知花が大貴くんに投げかけた“あるコト”を、最終回で再び、美しく回収していく…っていう。もう、ホントに素晴らしすぎる展開!!ここ、泣かない人、いなくない?
百田夏菜子ちゃんのテンション、声のトーン、そして何よりも、あの“笑顔”の尊さ
んでもって、この辺の描写が特に感情移入できてしまったのは、加賀店長と大貴くんの造形がすこぶるいい…ってのはもちろんだったんだけど、やっぱり、結局のところ、主人公の知花を演じたのが百田夏菜子ちゃんだったから…なんですよね。そのことを、最終回で、再認識できます。
それが冒頭の「え?待って??最終回の知花、とんでもないことになってるよ??」なんですけど、この出来事によって、あの百田夏菜子ちゃんのテンション、声のトーン、そして何よりも、あの“笑顔”の尊さ、大切さを、改めて痛感する最終回になっているのです…。
きっとね、百田夏菜子ちゃんよりも演技派な女優さんはたくさんいるのかもしれないけれど、この知花というキャラクターは、百田夏菜子ちゃんが演じたからこそ、まったく作為的ではないキュートさで、何もかも自然で、感動を押しつけない、ドラマの登場人物たちも視聴者も魅了された…んだと思うんです。で、それは百田夏菜子ちゃんが本物のアイドルだったからなんですよね。それが見事にこの知花というキャラクターに活かされたんですよね…。
このドラマ、子どもに道徳の授業とかで見せるのに、いいと思うなー。いや、でも、道徳っていうと、なんか堅くて、小難しくて…ってなるけれど、そうじゃない、みんながやさしく助け合って生きていくためのお手本を、楽しく、面白く、見せてくれるそんな、ドラマでしたね!って、テンションだけで語ってきた僕が推奨しても何の説得力もないか…。
ま、とにかく、なにより、最終回もとっても素晴らしい出来、必見です!!