『アライブ がん専門医のカルテ』第8話完全版
恩田心(松下奈緒)は、抗がん剤治療を受けないと言う高坂民代(高畑淳子)に理由を尋ねる。動けるうちにやりたいことをやっておきたいと答える民代は、心と梶山薫(木村佳乃)の関係を心配していた。薫に会った心は、「本当に横浜みなと総合病院を辞めるつもりなの?」と尋ねるが薫の決心は固い。
そんな時、高校生の井上和樹(萩原利久)が入院してくる。和樹は幼い頃からがんで入退院を繰り返し、今回も大学入学を目前に控えての再発だった。心と一緒に和樹と会った夏樹奈海(岡崎紗絵)は医局で光野守男(藤井隆)に、かつて和樹が入院していた時の様子を聞く。
光野は子供の頃の和樹は優しくて頑張っていたと言うのだが…。和樹も母親の弥生(安藤玉恵)たち家族も病気に疲弊していた。自分の弟も入退院を繰り返していた奈海は和樹に寄り添おうとするが、逆に怒らせてしまう。
それを知った心は薫に頼んで、奈海や結城涼(清原翔)に若い患者たちの気持ちを知ってもらおうと患者との交流会を開くことに。そこで、奈海と結城は患者や家族の本音を聞くことが出来た。
交流会の後、心は薫たちを自宅に誘う。恩田家に着くと、結城と奈海は京太郎(北大路欣也)と漣(桑名愛斗)が待つ室内に入るのだが、薫はためらってしまう。心は漣に薫の気持ちをほぐさせた。食事の後、結城と奈海は患者会で知った事、気づいた事を心たちに話す。
結城と奈海は光野に手伝ってもらい、院内の患者と交流するイベントを企画。心も誘われるのだが、その日は漣が親の仕事を見学しにくる日だった。一方、奈海が和樹の部屋へ。すると和樹が身支度を整えて出て行こうとしている。
「免許をとって初ドライブに行った」などの嘘をつづった和樹のブログを読んだ奈海は気持ちを教えて欲しいと頼む。しかし、和樹は奈海を追い出してしまう。疲弊した体で部屋を出た和樹は倒れてしまう。
その場にいた莉子が周囲に助けを求め、病室に戻ることに。莉子も和樹のブログを読み、そうしてしまう和樹の思いに共感する。すると民代が、がんが怖いのも、痛みや苦しみも生きている証だと言う。莉子には理解出来なかったが…。
その夜、和樹は幼い頃に入院した時のホスピタルクラウンに扮した光野を思い出す。和樹の笑顔には人を幸せにする力があると教えられたことを思い出した。
院内患者向けのイベント企画が開催された。親の仕事の見学にきていた漣を薫に頼んで心は回診へ。莉子は薫にもらったウィッグをつけて民代に化粧をしてもらい、二人で会場へ。途中、痛みで座ってしまった民代は莉子に一人で行くよう促す。
だが、一緒に見たいと言う莉子に、民代は痛みを堪えて気丈に歩き出した。会場では結城が扮したクラウンのマジックショーが佳境を迎えていた。最後のマジックの協力者に莉子が指名される。そんな莉子を民代は微笑ましく見守る。
イベントのトリは、光野のクラウンショー。司会をしていた奈海は客席に和樹の姿を見とめる。奈海は和樹の隣へ。すると、和樹は光野からもらったスポンジの鼻をそっと奈海に渡す。和樹のブログは正直な思いを綴るものに変化していた。
イベントが終わると、民代は心や薫、莉子に見送られて退院して行った。民代は抗がん剤治療の継続を断って、人生を楽しむために海外旅行に旅立つ。莉子は気持ちを変えさせてくれた民代に感謝する。民代を見送った心は、薫といつもの屋上へ。心は改めて、一緒に働いて欲しいと頼む。すると、薫は手を差し出した。腫瘍内科医の心と、外科医の薫のコンビが完全復活する。