今年1月、東京・代々木にかき氷の新店「あずきとこおり」をオープンした堀尾美穂さんに密着しました。
ミシュラン二つ星のフレンチレストラン「フロリレージュ」で、日替わりコース11品のうち3品のデザートメニューを担当していた堀尾さん。
川手寛康シェフのアイデアにより、4年前からかき氷を作り始め、年に数回不定期で行われるかき氷イベントは「二つ星レストランのかき氷」として話題になりました。
番組では堀尾さんの、かき氷へのこだわりや休日の過ごし方などに迫りました。
「あずきとこおり」店主、堀尾美穂さんの“セブンルール”とは?
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ルール①:かき氷は3層にする
人気メニューの「焼きかき氷」は、表面を香ばしく焼いたフランスの伝統菓子である「シブースト」を元に作ったといいます。
堀尾さんは「後半飽きてくる」かき氷を改良し、3層にして提供。
はっさくのかき氷は、1番上にパイ生地とシブースト、その下にはっさくのジュレ、中にははっさくの果肉とチーズのエスプーマという3層仕立てに。
ふきのとうとアマゾンカカオでは、カカオの苦味とゆずの皮のマーマレードの苦味、そこにふきのとうの苦味を加え、繊細なグラデーションを作りました。
ルール②:シロップは味より香り
4年前に始めたかき氷づくり、最初の頃は「水に美味しい味をつけるのがすごく難しくて」失敗が続いたといいます。
シロップ作りに試行錯誤を重ねる中、たどりついたのは香りの出し方。
液体に香りを抽出するフレンチの技法「アンフュゼ」を参考に、口に入れて鼻から抜ける香りを意識することで、豊かな香りを楽しめる新しいかき氷が完成しました。
ルール③:氷は天然氷
「あずきとこおり」を開店する前、堀尾さんは「挨拶に行きたかった」という、明治27年創業の、天然氷の蔵元へ。
山奥の自然に池を作り、湧き水を引き込んでじっくり凍らせるという、厳しい条件下でしか製造できない天然氷。その蔵本は全国に数軒しかないといいます。
普通の氷では表現できない、「口に入れた瞬間に綿飴みたいに『ふわっ』となる口当たり」をお客さんに楽しんでもらえるようにと、天然氷を使用します。
スタジオには、試食用に「あずきとこおり」のかき氷が登場。
一口食べると青木崇高さんは「無くなった!」と目を丸くし、尾崎世界観さんも「消えた」とリアクション。
女性陣も「おいしい!」(長濱ねる)、「氷に包まれたデザートなんだ!」(本谷有希子)と味わいました。
ルール④:温かいメニューを常備する
お店のメニューには4種類のかき氷のほかに、フレンチトーストやスープといった温かいメニューが。
かき氷の人気店に足を運ぶお客さんは、2〜3杯食べたり、何軒もはしごする方がいるため、温かいメニューも用意したのだそう。店内で提供する水も、60度の白湯にするサービスぶり。
これは、堀尾さんが研究のためにかき氷を食べ歩いていた経験から、必要を感じたメニューや対応だといいます。
ルール⑤:1日休みは星付きレストランに行く
仕込みなどに追われ、なかなか1日休みの取れない堀尾さん。
1日休みが取れると決まった際には、レストランを予約し食事に行きます。
地方にも足を伸ばすそうで、その時々に出会った料理から「かき氷に使えるか」とイメージを膨らませるそうです。
ルール⑥:生産者の話をお客さんにする
この日は、和歌山県にある知人の蔵光さんがやっている、はっさく農園の見学に。
ここの「皐月八朔」は、一般的には12月頃に収穫されるというはっさくを、4月まで丁寧に栽培。そうすることで、強い甘みが生まれるそう。
堀尾さんは、「皐月八朔」を度々かき氷に使っており、そのエピソードもお客さんに話します。
食材を知ることで、お客さんとのコミュニケーションがとれたり、リピートにもつながっていくといいます。
ルール⑦:氷の削りは人に任せない
氷については「同じ氷、同じ条件でやっても、違う人が削ったら、全然違う氷が出来上がってくる」といい、自ら削ります。
そんな堀尾さんには、「かき氷界を盛り上げて、日本文化として世界中に知ってもらいたい」という目標が。
世界に向かっているフレンチレストラン「フロリレージュ」のように、かき氷を世界に広めたい堀尾さんは「『Kakigori』って言われたい」と熱く語りました。
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かき氷で、ミシュランの星を目指す
7月19日(火)放送の『セブンルール』では、過去に取材した女性たちの気になる“その後”を追う特別編。
小説家・新川帆立さん/『かつお食堂』店主・永松真依さん/バレエダンサー・飯島望未さん/移動販売員・東(世古)真央さん/無駄なもの発明家・藤原麻里菜さん
放送当時から現在に至るまで、環境や立場など、さまざまな変化の先に生まれた新しいルールに迫ります。