3月2日(月)、東京・浅草の小劇場にて浅草軽演劇集団・ウズイチの第6回となる公演「ダンス・オブ・ウォーリアーin浅草」が初日を迎え、フジテレビュー!!が取材した。
軽演劇とは、風刺を含んだ大衆演劇を指し、娯楽性を重視した演劇作品だ。ウズイチは、今なお娯楽の聖地として人気の浅草で、芝居、ダンス、歌、お笑い、時にアドリブを交えたパフォーマンスを発信している。そんな彼らの最新公演の中身とは?そして今、新型コロナウイルスによる不安が広がる中、中止にしなかった制作者の思いとは?
「日本がこんな状況ですが…」とキャストによるあいさつ
客席は9割埋まっていた。まずはキャストを代表して樋口拓海がコメントを。「日本がこんな状況ではありますが、お越しいただいて感謝しております!」そして全員が登場し「本日はこのメンバーで95分駆け抜けたいと思います!」とあいさつし、公演がスタートした。
浅草の“オドリ横丁”。ダンスが大好きなのに、母の死後、自由に踊れないという悩みを持つ青年がいた。そんな彼の前に突然現れる謎の集団D.I.S.C.O。その長官によって、5年前に姿を消した青年の親友が、母親の死に関与していると知らされる。なぜ親友は姿を消したのか?そして青年は母の仇を取るために青年は動き始めるのだが…そこに立ちはだかる様々な魔の手、思惑、そして仲間の死。舞台は、めくるめくストーリー展開と共に、歌やダンス、そして頻繁に盛り込まれた笑いの要素たっぷりで、ハッピーエンドを迎えたのだった。
イケメンたちの顔が!歌、ダンス、笑い…ジェットコースターのような95分
出演するのは、イケメンばかりなのだが、表情がくるくる変わりまくり!もう原型をとどめていないほどの顔で熱演が続く。さらに彼らは、決して広いとは言えない舞台を縦横無尽に動き回り、もはやどこで誰が登場するのかわからない。客席も笑って、歌を口ずさみ、ダンスのリズムに乗って、そしてまた笑って…。忙しすぎたが、あっという間の95分だった。
今回、制作者サイドは公演を中止するかどうか検討した上で、実施に踏み切ったという。その思いとは?プロデューサーの渦巻夫さんに話を聞いた。
――まずは初日を終えた感想は?
この状況でできたということが奇跡です。舞台は準備期間が長く、2ヵ月間毎日振りとセリフを覚えて稽古して…その結果を出せるというのが何よりの救いだったと思います。
対策できることはやって、たくさん笑って帰ってほしい
――今回、実施を決めたのはなぜですか?
主催者が中止するという判断も可能ですが、お客さん自身が判断するということも重要なのではないかな、と。(希望者には払い戻しすることを決定)数ある情報の中で自分が信じられる情報を選んで、体調が良くて来られるという人は、来るという判断ができるということです。舞台というのは、ステージがあって、役者がいて、お客さんがいることで成立する部分が大きいので、実現できたことに感謝しています。
劇場として対策できることはやって、そしてたくさん笑って帰っていただければという思いで、残りの公演を頑張っていきたいです。
会場には、建物の入り口と、会場の入り口の2カ所に消毒液を用意。体調が悪い人は速やかに申し出てほしいと呼びかけ、スタッフも全員マスクで対応した。
実は、同様の対応で開催を決めたイベントも多いことがわかった。3月3日現在で、「芸歴50周年記念 桂文珍 国立劇場20日間独演会」、「パリ・オペラ座バレエ団2020年日本公演」の他、小劇場でのステージや、ライブハウスなどでも実施を決定している。