4月3日(金)より公開の映画「ステップ」の公開記念トークショーが、3月5日(木)に行われ、主演の山田孝之を始め、國村隼、広末涼子、伊藤沙莉のキャスト陣と飯塚健監督が参加した。
(※3月30日現在、新型コロナウイルスの影響で公開延期・公開日未定)

今作は妻に先立たれ、幼い娘と2人での再出発を決意した、山田演じる主人公の健一が、仕事と育児の両立に悩みながらも、ゆっくりと成長していく10年間を描いた物語。

「今日はいつもの8倍の元気でお送りしております」

山田孝之

まず始めに挨拶をした山田は「試写会を楽しみにしていた方もいた中でしたが、残念ながらできなかったんですけど、そんな方々のためにも今日はいつもの8倍の元気でお送りしております」とかなり低めのトーンでコメントし、記者たちの笑いを誘う。

実は今回のイベントは当初は舞台挨拶付き試写会の予定だったが、新型コロナウイルス感染症の予防対策として中止となり、その代わりに催された。

國村隼

続いて挨拶をした健一の義理の父を演じた國村も「試写会がなくなったのは残念でしたけど、健一くんが8倍、じゃあ16倍の力で頑張らせて頂きます(笑)」と、山田のコメントに乗って笑いを起こし、会場の空気を温める。

山田といえば、エキセントリックな役を演じているイメージが強いが、今回は、子育てに悩むシングルファーザー役。いわゆる“普通の人”をナチュラルに表現しているが、山田自身は「今回は演じていません」と言い「エキセントリックな役を20年間、演技をし続けてきましたが、今回ついに“素”の山田を出しました」と、記者たちから最初以上の大きな笑いが起こるも、真顔で宣言。飯塚監督も「100%“素”だと思います」と、山田のコメントに乗って、笑わせる。

山田孝之

山田はさらに続けて、脚本を読んだとき「僕だなと思いました」と笑いつつ、主人公と同じく単純に子を持つ父親としての一面も明かす。「僕は息子がいますけど、(健一のように)妻を失って娘を育てるというのはしたことがないので、その立場に立ってみたらどういう風になるだろう?と思った」と話した。

広末涼子が暴露 現場での山田は 「すっごく殻に閉じこもっている 」

そんな山田について、何度か共演経験がある國村は「この方は、毎回、役ごとに別人になるタイプなので、次に何が出てくるんだろう?って、そこがすごく楽しい」と笑顔を見せ、山田も「いつも國村さんとご一緒するときはワクワクします」と相思相愛ぶりをアピールする。

広末涼子

一方、今回、初共演となった山田と広末。会うのも初めてだったということで、山田は実は心の中で「広末涼子いる」って思ったと言い、緊張していたことを告白。そのせいだったのか、広末は「どんな人なのかな?ってすっごく楽しみで現場に行ったら、すっごく殻に閉じこもっている空気満載で」と、現場での山田の様子を暴露。山田は慌てて、広末の演じた奈々恵という役が、健一の会社の同僚で、劇中で微妙な距離感を保つ間柄だったからと理由を説明するも、広末から「テントみたいなの(殻)が見えました」と言われ「すみませんでした」と謝罪した。

飯塚健監督

山田を良く知る飯塚監督も「今回は初めて見る山田くんでした」と言い「大切な人を亡くしたということを、撮影中ずっと考えてくれているんだなという佇まいでした」と、普段とは違う山田を「しんどそうだし、大変そうでした」と振り返る。

伊藤沙莉

健一の娘が通う保育園の保育士を演じた伊藤も、山田とは共演経験があるが「見たことない顔を確かにしてました。初めて見る山田さんでちょっと緊張しました」と話し、今回の山田が普段とは違った姿を見せてくれていることをうかがわせる。

自分についての発言の数々に恥ずかしくなったのか、山田は「エキセントリックなことをいっぱいやってきて、キャラの限界を感じてきたので、そろそろ柔軟剤のCMとかをいただけたら、というのがあったので、今回『ステップ』を受けさせてもらった」とはぐらかしていた。

左から)広末涼子、山田孝之

そんな中、MCから映画の内容にかけて、この10年でステップアップしたことは?という質問が出される。山田は考えたがわからなかったと言い、逆にMCに何かあるかと質問。プロデューサー業や監督業も手掛けるようになったことをあげられると、そのまま「ここ10年間でステップアップしたと思うことは、プロデューサーや映画の監督をしたことが、自分的には…」と発言して、また記者たちを笑わせる。

すると、それを聞いていた広末は、自分は子育てがステップアップしたと言い、先ほどの山田の発言をネタにして「私の方が柔軟剤のCMいいかな」と横取り発言で笑いを起こす。だがすぐに山田は「一緒に」と共演を持ち掛け、記者たちに「(CMの依頼を)お待ちしております」とやる気をみせた。

左から)飯塚健監督、広末涼子、山田孝之、國村隼、伊藤沙莉

イベントの最後に山田は「健一が多くの人に救われながら生きていく人生の話なので、誰でもどこかしら刺さる部分があると思います。また自分が成長したときに見たら、見え方が変わってくる作品だとも思うので、公開してからもそうですし、5年後、10年後もずっと大事にしてもらえたらなと思います」と真摯に話しつつ、オチは「素の山田が見れます(笑)」と笑いで締めて、終始笑える楽しいトークショーを終えた。

最新情報は、映画「ステップ」公式サイトまで。