第43回日本アカデミー賞の授賞式が3月6日(金)に開催され、12部門で優秀賞を獲得していた映画「翔んで埼玉」が最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞を受賞した。
2019年2月に公開されると徹底した埼玉県への“ディスり”が話題となり、興行収入37.6億円の大ヒット。特に自虐ネタを寛大な心で受け入れた埼玉県では大ブームが巻き起こり、興行全体の約4分の1を記録した。また海外でも第23回ファンタジア国際映画祭・アジアン最優秀長編作品賞・金賞受賞を始めとして多くの賞を獲得している。
武内英樹は、フジテレビ社員で第一制作室所属。「のだめカンタービレ」シリーズや「テルマエ・ロマエ」などで監督を務めた。幼いころ過ごした千葉が埼玉のライバルとして登場するといった映画オリジナルの展開もある。
惜しくも最優秀賞は逃したが、優秀美術賞を受賞したあべ木陽次(「あべ」は木偏に青)もフジテレビ美術制作センターに所属する社員。映画「マスカレード・ホテル」「コンフィデンスマンJP ロマンス編」「記憶にございません!」などの話題作でも美術演出を担当した。
最優秀監督賞・武内英樹 コメント
「正直、コメディーなので、賞を取れるとはまったく期待していなかったので、困惑しています。是枝監督に名前を読み上げられた時は心臓が止まりそうに一瞬なりました。この賞を糧に日本中を笑顔にできるような作品を作り続けていければと思います。そして埼玉県民の皆さんがディスられながらも郷土愛に目覚め、この映画を応援してくれたことに感謝したいと思います。埼玉に背中を押されて取れた賞だと思います」
優秀美術賞・あべ木陽次 コメント
「今回の映画の美術はテレビでドラマ含め、バラエティー、コントなどさまざまなデザインをしてきた経験値がものすごく生かされたと感じました。これからも映画にもテレビ的な発想は必要だと思いますし、またテレビドラマにも映画美術のノウハウをさらに取り入れて、オリジナリティーのあるデザインを映画、ドラマに生かしていければと思います」