なんちゅう複雑なドラマ!!

いやー、だけど、「複雑」とか言っちゃうと、お話の構成が難しいとか、感情の整理ができなくてモヤモヤする…とか、そういうことじゃないんだよね。いや、ホントは、モヤモヤはするんだけどさ(どないやねん!)、モヤモヤはしつつも、そのモヤモヤが解消されてそうで、してなくって、いや、だけど…実は…されてる??みたいな??(ほんとにどないやねん!!)つまりね、なんだか、とっても複雑な気持ちにさせられるんですよ…。もうね、このドラマを見ることで、より生きてる!!って感じ!!生きることの難しさを痛感する!!それが心地いい!!って感じ?(わけわからん)うん…、もうさ…、見て?(さじ投げた)

っというわけで、見てる最中、なんて複雑なドラマなの…。僕のこの感情は一体何なの!?かなしいの?うれしいの?せつないの?たのしいの?正しいの?間違いなの?って、バイオリズム、グッラグラ…。

「妻の友人、あんま好きになれない問題」を、リアリティをもって展開

で、その複雑な感情の揺さぶりがとっても繊細で、なおかつ、“身近”、なんですよね…。で、それを象徴するかのような、今回のエピソードが…、「妻の友人、あんま好きになれない問題」。

いやー、これ、ホントに、誰にでもありますよね?あるあるですよね?「妻」の部分を、恋人だったり友だちだったり、家族、に置き換えたら、老若男女、未既婚に関わらず、誰にでもありますよね?相手(=今回の場合は妻)のことはもちろん好きだし、信頼もしてるってのに、こと、その“友人”は、どうしても、あんま、好きになれない…問題…。これ、すっごくあるあるじゃないですか?だけど、この感じ、あまりにも人間の機微すぎて、ドラマにはできない…したとしたって、だから何?それをどうドラマとして昇華させるの?って話じゃないですか。だけどね、それをね、『僕の大好きな妻!』はね、見事に、ちゃーんと、ドラマへ落とし込んでくるんですよ。

さて、今回のお話は、「知花(百田夏菜子)、“発達カフェ”に行くの巻」(雑にまとめすぎ!)なんだけど、その流れで、「妻の友人、あんま好きになれない問題」を、誰にでもあてはまるようなリアリティでもって、展開させていくのです。

“発達カフェ”ってのは、発達障害の特性がある人が集うカフェで、自分たちの境遇を理解しあう、オアシス的スポット…なんだけど、また、そこへ行くことになる過程も複雑な感情にさせてくれます。夫・悟(落合モトキ)の職場、“漫画工房”の同僚、荒川ちゃん(結城モエ)が今回ピックアップされるんだけど、なぜ、ここで、今、荒川ちゃんなのか?…その彼女の性格、人間性も適格に絡めながら、知花とともに“発達カフェ”へたどり着くことになります。

その間で浮かび上がる荒川ちゃんの良い部分と悪い部分、それによって起こる若干の軋轢(あつれき)…っていう、この部分が実にスリリング…なんだけど、そのスリリングさえも人間味にあふれていて、とっても“良い”んですよね…。

で、その、たどり着いた“発達カフェ”で、妻・知花は、同じ発達障害の桐島くん(窪塚俊介)っていう友人ができるんだけど、この桐島くんってのが、「妻の友人、あんま好きになれない問題」の当事者。

もーねー、この桐島くんがさ、端的に言うと、すっごく“イヤな奴”=気分を害することを平気で言っちゃう人、なんですよ。だけど、その“イヤな部分”が、特性なのか?って側面を描き出すのはもちろんなんだけど、そんな“イヤな部分”って、特性があろうがなかろうが、関係ないじゃないですか。それをね、ちゃんと、“特性だから”って、強調しない、誰にでもあることだよね…ってさりげなく描写させるのがこの作品の良心…なんですよ。

この感覚…何?…複雑…

で、とはいえ、そんな“イヤな奴”、をそのまま…で終わらせては、ドラマにならないし、モヤモヤするばかりなので、そこをどうやって乗り越えるのか?妻は“イヤな奴”を、何の違和感もなく、友人として、向かい入れてるんだけれど、夫の悟は、それに対し、どう向き合い、突破するのか?が、今回の大テーマで、一番の見どころになっています。

またそれが、決してどキレイごとだけで終わらせず、だからといって安易なドラマティックでお茶を濁(にご)すわけでもなく、とはいえ、これ…解決した??って、若干戸惑うんだけど、ふと最後に映る、登場人物たち全員の顔を見れば、おのずと、すべてが解決されている…という美しさ。この感覚…何?…複雑…って、そんなわけ。

で、今回、物語のオチ、がとてつもなくいいの!!妻の特性と、百田夏菜子ちゃんのかわいらしさがもう目一杯に詰めこまれてて、凝縮しまくってて、なおかつ『僕の大好きな妻!』でしか描けない珠玉のオチ!このオチが幸せ過ぎて、もう満足!!!!!

…ってなるんだけどね…。なんやかんや、最後、若干の“不穏”が訪れて終わります…。あー、やっぱり、このドラマ、複雑―!!やっぱ、生きるって、複雑だよねー!!??(どういう終わり)