志田未来さんが、コミュニケーションにおいて心掛けていることを明かしました。

6月25日(日)に放送される『ザ・ノンフィクション「都会を捨てた若者たち 後編〜27歳の迷い道〜」』(フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを志田さんが担当。

読むのは、都会に背を向け、自然の中で生きることを志す若者たちが1年間の共同生活を送る「非電化工房」での物語です。

夢を追う者同士、心を通わせていきますが、夢が具体的になるほど、現実を突きつけられ…。志田さんは「女性側に感情移入してしまった」と話しました。

志田未来“自分探し中”の27歳男性に「理想と現実がマッチしていないのかな」

27歳のカップルは、次第に別々の夢を抱くようになり…

栃木県那須町にある「非電化工房」は、自然と調和した暮らしを目指し、自分の力で生きていく技術を学ぶ場所です。

2021年春、27歳の大地さんがここにやってきました。幼い頃から、プロ野球選手になることを夢見て、名門高校に進学するも夢は叶わず。大学ではアメフトで日本一を目指すもレギュラーにはなれず、大手企業に就職するも1年あまりで辞めてしまいました。

常に「競争社会」を生き抜いてきた自分に疑問を感じ、人間関係も苦手で「本当の自分」を探すために、この地へやってきたのです。

同じく27歳の樹乃香さんは、都内の大学を卒業後、就職したものの毎朝の満員電車での通勤に挫折。自然に囲まれた地で、カフェを経営したいという夢を持ってやってきました。

「非電化工房」にはほかにも若者が暮らしていますが、大地さんは、みんなの輪からひとり離れて行動する“一匹おおかみ”。それを樹乃香さんだけが気にかけて、交流を続けるうち、2人の間には恋心が芽生え、交際がスタートしました。

そのうち、大地さんには「広大な山を自分の力で開拓する」という夢が生まれ、「山探し」に動き出すように。一方、樹乃香さんは地元で「カフェ」をつくりたいという思いが…。

互いに別々の夢を追い求めるようになり、理想と現実のはざまで2人は大きく揺れ動きます。

「非電化工房」からの卒業が迫る中、樹乃香さんの父が重い病だと判明。27歳の2人が下した決断は…。ナレーションという形で2人に寄り添った志田さんは、どんな思いを抱いたのでしょうか。収録後に聞きました。

放送後、母と感想を語り合うかもしれません

<志田未来 インタビュー>

――『ザ・ノンフィクション』のナレーションは、2009年、2012年以来3回目となります。年齢を重ねて、向き合い方に変化はありましたか?

当時、高校生ぐらいだったと思いますが、そのころは、噛まないようにしなきゃとか、滑舌よく読まなきゃとか、多分、そういうことで頭がいっぱいだったと思います。

もちろんそういうことも大事ですけど、今はそれ以上に、登場人物の方の人生を、見てくださる方にしっかり伝えたい…。そういう思いで読めるようになったのかな、と思います。

――そのうえで「入り込まない」ことを心がけていた、と。

あまり入り込み過ぎると、どうしても自分の感情が出てしまうので。見てくださる方がどう受け取るか、私の読み方で決めることではないので、そこはフラットに読めたらと思いました。

――そんな中でも、気持ちが動いたり、印象に残っている場面があれば教えてください。

私も女性なので、どうしても女性側に感情移入してしまって。樹乃香さんがちょっとモヤモヤしたり、悩んでいたりするのを見ると、「大地さん、なんで(気持ちを)言ってくれないのかな」と思ってしまうことはありました(笑)。

(我慢強い樹乃香さんは)受け止められる器の大きさが違うなと思いましたし、それでいて大地さんに手を差し伸べ、寄り添ってあげようとする姿を見て、本当に理想的な女性だと感じました。

――若者たちは、自分が本当にやりたいことを模索しますが、志田さん自身、そういった悩みを持ったことはありますか?

お仕事に関してはないです。最初から、ずっと楽しかったので。でも、それは本当に周りの方に恵まれていたからだと思っています。

応援してくれる家族もそうですし、小学校、中学校も公立に通ってましたが、友だちは私がテレビに出ていても普通に接してくれたり、出会うスタッフさん、事務所の方、みなさんが支えてくださっていたから、あまり悩むこともなく、この仕事を続けていきたい、と思えたのかな、と感じています。

――若者たちは、「本心を言えない」ことでも悩んでいましたが、同世代の志田さんはどう感じましたか?

私は、わりと言葉にするタイプなので、相手にもやっぱり言葉にしてもらいたいですね。思っていることは、言葉に出さないと伝わらないと感じているので、そこは常日頃、意識しています。

でもそれは、もっと若いとき…といっても、私もまだ20代ですけど(笑)、20代の前半とか10代のころは、本心を言えずモヤモヤした経験もありました。そういうことがあったから、考え方が変わったのかもしれません。

(大地さんたちも)思い切って言葉にしてみたら、すぐ事態が動くこともあっただろうな、と感じることもありましたが、それが難しいということもわかります。

だからこそ、都会を捨てて、自然の中で自分の心を開く作業の途中なのかな、と思ったりもしました。

――改めて、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

20代の方、都会暮らしに生きにくさを感じている方々は、自分の生き方を改めて考えるきっかけになる作品なのかな、と思いました。ひとりでも多くの方々にぜひ見ていただきたいです。

<ナレーションの一部を先取り紹介>