髙橋海人(King & Prince)さんが9月12日、『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』の取材会に登壇。葛飾北斎の作品の魅力を語りました。

本展は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師・北斎の400点を超える名作を展示。「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」など、現代のマンガやアニメの表現の原点ともいえる作品に着目した新しい展示演出で、200年前の“北斎のしわざ”を体感できる貴重な機会となっています。

自身も日頃から絵を描くなどアートに親しんでいる髙橋さんは、本展の公式アンバサダーに就任し、本展音声ガイド特別版のナビゲーターも担当。

展示会場を見渡した髙橋さんは「とてつもないです」とひと言。原画をおよそ100倍に引き延ばしたパネルの展示に「すごいスケールで北斎の絵を浴びる感じ」と目を輝かせます。

本展には、質・量ともに世界一として知られる浦上コレクションの『北斎漫画』全15編をはじめ、多彩な読本(よみほん)の挿絵、『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(通称︓⼤波)、自らを“画狂人”と称した晩年の傑作『富嶽百景』全3編・102図、さらには本邦初公開となる幻の肉筆画16図も展示。

髙橋海人「北斎が大好きなので感情が溢れ出てしまう」

北斎の娘・応為を主人公にした映画『おーい、応為』(10月17日公開)では、北斎の門下生で、美人画を描く渓斎英泉(善次郎)を演じている髙橋さん。劇中、筆で絵を描くシーンにも挑戦していることもあり、北斎を学んだことで思い入れが強くなったそうで「一つひとつの絵に思い入れがあります。まるで“持ち主感覚”」と笑いを誘いました。

ここで、髙橋さんが担当した音声ガイドの冒頭が会場に流れると、「日本を代表する北斎なので、自分のファンの方をはじめ、いろいろな方々に来てもらいたい。やさしく寄り添うことを心がけました」と、穏やかで聞き取りやすい音声ガイドについてコメント。

“北斎愛”がどうしてもあふれてしまようで、録音を振り返り、「大好きなので感情が溢れ出てしまうシーンもありました」と照れ笑いを浮かべました。

髙橋さんは、本展にコレクションを提供した「浦上蒼穹堂」代表の浦上満さんのギャラリーを勉強のために訪れたそう。

そこでも見ていた原画が100倍に引き延ばされ、本展では原画とともに展示されていることに触れて、「大きく引き伸ばされていることで、より北斎の細かさが伝わる。北斎の絵の熱量と技量を両方のサイズ感で確かめられる」と興奮気味に語ります。

髙橋さんの“北斎愛”は止まらず、描かれた“集中線”の部分にも言及。「集中線の影になっている裏に薄く人が描かれている。これって絵師の北斎だけでなく、彫師(ほりし)、摺師(すりし)の技術もあってこそ」と熱弁。これには、浦上さんも感心し「口を出すところがない」とにっこり。

90歳という当時としては長寿だった北斎。75、76歳の頃に発表した和本『富嶽百景』のあとがきには「生涯現役」への思いが綴られていたと浦上さんから聞いた髙橋さんは、「もっと上達して描き残さないと死ねないという思いがあったのでは。楽しくて絵が好きなおじちゃんだったのでは」と思いを巡らせます。

最後に、髙橋さんは「北斎といえば、代表作『富嶽三十六景』ですが、それを上回るような、おちゃめで、熱量と技術、いろいろな北斎の魅力が伝わる展示になっています」と本展の魅力をアピールしました。

『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』は、CREATIVE MUSEUM TOKYOにて2025年9月13日~11月30日(日)まで開催。