いよいよ4月13日からスタートする月9『SUITS/スーツ2』(初回は30分拡大)。

織田裕二演じる、負け知らずの敏腕弁護士・甲斐正午(かい・しょうご)と、中島裕翔演じる、経歴詐称の天才ニセ弁護士・鈴木大輔(すずき・だいすけ)がバディを組み、さまざまな訴訟に向き合い、問題を解決していく痛快リーガルドラマ。

全米メガヒットドラマ『SUITS』を原作にした、前作『SUITS/スーツ』(2018年10月~12月放送)は、織田と中島の抜群のコンビ感、ユーモアたっぷりの会話劇、スタイリッシュな演出などで大人気ドラマに。

1年半ぶりに帰ってくるシーズン2では、東京・丸の内にオフィスを移した「幸村・上杉法律事務所」を舞台に、甲斐とボストン帰りの大輔が、再びさまざまな訴訟に立ち向かっていく。

さらに、“最恐の敵”・上杉一志(吉田鋼太郎)が満を持して登場。法律事務所の共同代表である上杉が復帰することで、陰謀渦巻く人間ドラマも展開される。

ますますパワーアップした『SUITS/スーツ2』で、さらに絆を深めた織田と中島に、シーズン2への意気込みや見どころなどを聞いた。

<織田裕二×中島裕翔インタビュー>

“ファーム(=法律事務所)”という名の“ホーム(=ファミリー)”に“ダメ親父”登場!

──シーズン2の注目ポイントはどこですか?

織田:シーズン1は、1話完結の話が多かったので、横軸ごとに描くスタイルでした。でも、シーズン2は、もう一つの物語が展開することで、縦軸でつながっていく要素が強くなると思います。

中島:今作も、いろいろな事件にどんどん巻き込まれていって、スリリングかつ軽妙な雰囲気の中で進んでいくんですけど、シーズン1よりファミリー感が色濃く出ていると思います。

織田:前作でも言ったのですが、このドラマは“ファーム(=法律事務所)”を“ホーム(=ファミリー)”に置き換えて見ることができる作品。今作では、「幸村・上杉法律事務所」なのにこれまで登場してこなかった、上杉という“ダメ親父”が帰ってきます(笑)。この縦軸が描かれることで連続性が高まって、よりスリリングで次回が待ち遠しいという作品になると思います。

──役柄について、変化したところはありますか?

中島:大輔は、1年半ボストンに行っている間に、甲斐先生にいろいろと便利に使われたり、人間関係などいろいろ学んで成長して帰ってきた…はずなんです。だけど、日本に帰ってきて実務をしてみると、そんなに成長していなかったというか、そんなに変わっていないんですよね(笑)。

今作でも、男同士の小競り合いや、見栄の張り合いなどのシーンは、クスッと笑えるポイントになると思うんですけど、大輔はそういうところが転機になって、雰囲気が変わっていくんじゃないかと期待しています。

織田:大輔くらいの年頃にとっての1年半は、学ぶことがいっぱいあって、前作よりも成長していると思います。だけど、弁護士として一人前になっているかといったら、話は別。

一方、甲斐はシニアパートナーになって、次のステップは代表になること。でも、なぜ代表にしてもらえないのか。甲斐は、プレーヤーとしては超一流で、向かうところ敵なし。だけど、経営者としては圧倒的に監督経験が足りないんです。

そういう意味では、同じハーバード卒の蟹江(小手伸也)の方が、むしろリードしているんじゃないか、と。あいつは、2軍だけれども(笑)、プレーヤーも監督もやっているから。だから、甲斐がそういうことにいつ気づくのかがポイントになると思います。

甲斐と大輔のラブシーンとは…!?

──1年半ぶりの共演。2人の関係はしっかりできあがっていると思いますが、シーズン2で挑戦してみたいシーンはありますか?

織田:ラブシーンか?(笑)。そういえば、この前、撮ったんですよ。

中島:ラブシーンと呼んでいるということで(笑)。でも、確かに今作では「あれ、この人がこんな顔するんだ」っていう、珍しい表情がうかがえたりします。だからこそ、その人の人間味にグッときたり、魅力がより感じてもらえると思うので、楽しみにしてほしいですね。

ちなみに、ラブシーンと言った場面は、こうしなきゃいけないとわかってはいるんだけど、それをぶつけたいのにできない大輔のもどかしさと、それもすべてわかっている甲斐先生…というシーンだったんです。それは、特別な関係性の中で育まれる親子というか…。

織田:ほぼ息子なんですよ。甲斐は、いろんなことを教える父親、みたいな。仕事に忙殺されている中で、根底には愛情があっての厳しさなので、たまにしか見せませんけど、そういう甲斐もいるので、見逃さずに見てもらいたいですね。

中島:そう、息子なんですよ。そこがすごくいいシーンだったので、2人の絆が伝わるんじゃないかと思うんです。

織田:そのくせ打算的なところがあって、おもしろいよね。ベタベタしない。僕らは、もともとWin-Winの関係だから成り立っているのかもしれない。

中島:そうですね。さっぱりというか。

織田:だから、珍しいラブシーンだったね。

中島:はい(笑)。

──中島さんは、織田さんのどういうところを尊敬していますか?

中島:もう全部です。自分の役柄のことだけでなく、作品全体のことを考えてくださって。この人のキャラがここで立つためにはどうすればいいか、セリフの言い方や座り方一つからこだわって、どれが一番正解に近いのかなど妥協せずに、突き詰めてやられる方。

織田さんから案を出していただいて気づくこともあるし、逆に、「いいアイデアない?」と求めてもらえることもあるので、そこから生まれてくるものもあります。本当にファミリーのようで、すごく親しみやすい方です。

織田:そんなに持ち上げても、年がら年中面倒見られないからね(笑)。

会話の中に、仕事とは何か、オトナのマナーとは何かが隠されているドラマ(織田)

織田さんを一番近くで見ているので、尊敬する部分をバッチリ盗みたい(中島)

──最後に、シーズン2スタートに向けてメッセージをお願いします。

織田:表面的にはおしゃれとかスタイリッシュという言葉で表現されていますけど、すごく真面目な人たちが楽しみながら頭を使って作ったドラマだと思っています。逆説があったり、セリフが置き換えられたり、遠回しな言い方だったりして、伝わるのかなと思うこともありますが、きちんと考えて作られているんです。

『SUITS/スーツ』の魅力は、言わんとしていることを説教臭くなく伝えること。その中で、僕はこのドラマを甲斐と大輔の成長物語ととらえています。甲斐と大輔の楽しい会話のキャッチボールの中に、仕事とは何か、大人のマナーとは何かというテーマがきちんと隠されているので、そこを大事に演じていきたいと思っています。

中島:久しぶりに織田さんとセリフの掛け合いをしましたが、1年半ぶりという気がしませんでした。シーズン2は7月までの放送で、長い戦いになりそうです。その間、僕が一番近くで織田さんを見ているという自負があるので、尊敬する部分をバッチリ盗みつつ、織田さんのようにモチベーションをずっと保って、長丁場を乗り切りたいと思います。