『ナンバMG5』第7話完全版
難破剛(間宮祥太朗)は、白百合高校の次期生徒会長に立候補することに。各クラスから1名ずつ候補者を出さなければならないため、多数決で選ばれてしまったのだ。
その話を聞いた伍代直樹(神尾楓珠)や大丸大助(森本慎太郎)は、「目立ち過ぎだ」と言って剛のことを心配する。実際、特服のうわさはすでに関東中に知れ渡っており、この日も剛は遠征してきた埼玉のトップを倒したばかりだった。
それでも剛は、応援してくれている藤田深雪(森川葵)たちクラスメートのためにも、真剣に選挙活動に挑もうと決意していた。
生徒会長選挙当日、演説の壇上に立った剛は、自身の置かれている状況を重ね合わせたかのように、「僕はこの白百合高校での毎日が本当に楽しくて…。明日、この生活が終わっても後悔しないように毎日を過ごしたいと思っていて」と話す。
演説の効果もあってか、次期生徒会長に選出されたのは剛だった。
一方、伍代は、剛の負担を少しでも減らそうと、特服を狙って茨城から遠征してきたヤンキーたちの相手をして…。
そんな中、学校から帰宅した剛は思わぬ事態に直面する。ずっと受験勉強に取り組んできた中3の妹・吟子(原菜乃華)が、白百合高校を受験することになったのだ。剛はぼう然として…。
そして新年度が始まった。全校集会の場で、新しい校長に就任した岩城隆一郎(松角洋平)は、白百合を有名進学校と肩を並べる学校にしたいとあいさつする。
続いて壇上に上がった剛は、吟子たち新入生の前でなぜかテンション高めのあいさつをして、さっそく岩城から目をつけられてしまう。
このとき吟子は、まだ生徒会長が剛だとは気づいておらず、剛と同姓同名の芸人のような生徒会長がいる、と思いこんでいた。
一方、かつて横浜のレディース「横浜魔苦須(マックス)」の総長を務めており、トラブルを助けてもらったことから、特服に熱を上げている牧野弥生(鈴木ゆうか)は、市松高校の前で伍代を待ち伏せる。「もう一度、特服先生に会いたい」と伍代に訴える弥生。
するとそこに、吟子がやってきて市松の生徒に「アニキを呼んできて」と言い出す。
慌てて吟子のもとへ向かい、その場をごまかす伍代だが、今度は市松の1年生が「特服と勝負したい」と言って伍代に詰め寄った。伍代は、その1年生を一発で倒したが…。
吟子が特服のことを「兄ちゃん」と呼んでいたのを聞いた弥生は、すぐに吟子に接触し、彼女の兄とは剛のことだと知る。
一方、吟子は、生活指導の桐山(赤ペン瀧川)に目をつけられ、呼び出しを受ける。すると桐山は、部活中だった剛も呼び、「お前からも妹を指導してやってほしい」と告げた。
幼いころから強くて頼りになるヒーローだった剛が、市松に通っていると偽って実は白百合に通っていることを知り、大きなショックを受ける吟子。兄・猛(満島真之介)は、元気のない吟子を心配して声をかけるが…。
別の日、美術部では、深雪をモデルにしてデッサンを描いていた。そこで弥生は、「部長をモデルにした」と言って剛に特服先生の絵を見せる。観念した剛は、弥生に事情を打ち明けた。
そんな折、岩城は、これから毎月学力テストを実施し、赤点をとった者は土日に補習を受けてもらうと宣言。さらに、赤点の者が全体の3割を超える部活は活動停止にするという。
新体操部の守田巻(富田望生)や野球部の山田(中沢元紀)たちから助けを求められた剛は、テストまでの間、勉強会を開いて彼らの勉強を見てやることにする。
吟子は、くじけそうになる仲間たちを励ましながら勉強を教える剛の姿を見つめていた。
伍代のもとを訪れた吟子は、兄貴のことを聞かせてほしいと頼む。伍代は、他人が口をはさむことではないからまず剛と話すように諭す。
だが吟子は、話したくても嫌なことを言ってしまいそうで話せないという。伍代は、「ヤンキーの難破もアイツだし、生徒会長の難破もアイツだ。どっちもアイツなんだよ」と言い…。
学力テストから3日後、美術部や新体操部はなんとかテストをクリアできたものの、野球部や柔道部などいくつかの部活は活動停止を言い渡される。
「一回戦、二回戦で消えるような野球部なら、早めに受験勉強に取り組んだほうが良い」などと言う岩城に反発した剛は、「白百合高校は校長だけのものではない」と言い放つ。
そんな剛の言葉に動かされて、部活を続けたいと頭を下げる山田たち。やがて他の生徒たちも、口々に岩城への不満を叫び始める。すると岩城は、「勝手にすればいい」と返した。
弥生は、吟子を美術部の部室に連れて行き、剛の絵を見せた。
そして、剛の絵の上手さに驚いている吟子を、ボーリング場に誘う。弥生は、こっそりそこに剛も呼んで、2人で話す機会を作ろうとしていたのだ。
だが、そこで吟子たちは、中学生からカツアゲをしていた不良たちとトラブルに。その場は店員がやってきて収まったが、一度去った不良たちが仲間とともに戻ってきて、吟子たちは連れ去られてしまう。
遅れてやってきた剛は、吟子たちが助けた中学生から事情を聞き、自転車を借りて後を追った。不良たちの車に追いついた剛は、男たちを倒し、吟子と弥生を救出。泣きながら剛に抱きつく吟子。
剛は、吟子、弥生ともんじゃ店を訪れる。そこで、「なんで家族に嘘をついてまでこんなことをしているのか」と尋ねる吟子。それに対して剛は、「自分の取りえはケンカだけかもしれないが、それでもケンカ以外の何かを探してみたかった」と返した。
家族の顔をまともに見られない日もあるが、それでも白百合に入って良かったと言う剛。吟子は、剛の絵を見たことを話し、「制服姿の兄ちゃんも、ちゃんと気合いが入っているんだね」と伝え…。
あくる朝、登校した剛は、桐山から市松の生徒と親しくしていることをとがめられる。そこにやってきた吟子は、「伍代さんは不良かもしれないけど、兄のことを慕っているんです。人に慕われるのはそんなに悪いことですか?」と桐山に問いかけた。
吟子は、「生徒会長の妹が派手だと剛がやりにくいかもしれない」という理由から、髪形や制服をキチンと整えていた。2人は、あ然としている桐山を残して、一緒に校舎に入っていき…。