小池徹平さんが主演を務めるミュージカル「るろうに剣心 京都編」の取材会が、5月16日に行われ、小池さん、黒羽麻璃央さん、加藤和樹さんが登壇しました。
この作品は、和月伸宏さんによる剣劇漫画が原作。明治時代の日本を舞台にしたオリジナルストーリーでありながら、新撰組、紀尾井坂の変、池田屋事件などの史実を絡ませた物語として構成。今作では、原作の中でも人気の高い京都編を、小池修一郎さんが新作として書き下ろしました。
素顔で登場の黒羽麻璃央「包帯で巻かれる前の志々雄になります」
緋村剣心役の小池さんは「昨日、通し稽古を無事に終えることができました。みんなの中で、こういう感じなんだという実感がすごく湧きました、やっと、お客さんの前で演じられるというのは、ワクワクするような感覚です。時間はかかりましたが、ようやくここまで来れました」とあいさつ。
剣心の宿敵・志々雄真実役の黒羽さんは、「(今の衣装が)包帯で巻かれる前の志々雄になります。この劇場に2週間くらい前から来て、お稽古しました。今まで見えなかったものが、だんだんと見えるようになってきてきました。昨日の通し稽古もすごく楽しくて…。初日の幕が開くのが今、一番の楽しみです」とコメント。
<黒羽麻璃央さんの包帯ぐるぐる巻きの衣装姿>
剣心の師匠にある比古清十郎役の加藤さんは、「楽しさや、ワクワクする気持ちがあります。昨日の通し稽古を見て、自分の出演シーンなど、心が躍るシーンや、心が引き寄せられるシーンなどありました。早く見いただきたい気持ちでいっぱいです」と呼びかけました。
本作について、小池さんは「なんといっても殺陣(たて)のシーンが多い作品になります。その中でも、緋村剣心は、戦いを交えながら、やさしさや寂しさを受け入れて『殺さず』を誓い、対する相手へ道を示します。『なんて優しい男なんだろう…』と演じていて思います。僕も剣心のやさしさに、演じながら救われている部分もあります」と説明。
黒羽さんは、「悪というのは、志々雄の中でテーマとしてあります。剣心と同じ道をたどってきたのかと思いきや、行きつく最後の思考は、正反対です。舞台上で、剣心という存在があるから、志々雄という悪がひかる。剣心との戦いは、物語のクライマックスでもあるので、大事に勢いよくやっていきます」と語りました。
加藤さんは、自身が演じた役について、「2人に比べて出演シーンは少ないのですが、その中で、剣心の師匠たる強さや、強さの底が知れないミステリアスな部分が魅力だと思うので、そこを立ち居振る舞いで見せられたら」と明かしました。
また、演じていて難しかった部分を「(衣装の)マントのさばき方」と腕を広げて説明。「原作ではすごく重たい設定で、(実際の衣装も)それなりの重みがあるんです。これを着ながらの殺陣はさばきが難しくて、いかに美しく力強く舞えるかというのを研究してきました」と語りました。
激しいアクションに加藤和樹が心配「千秋楽にはガリガリになっているのでは」
激しいアクションが見どころの一つとなる本作。
その苦労を小池さんは、「大変だったというか、今もめちゃくちゃ大変なんです(笑)。体の痛さと日々、戦いながら頑張っています。ただ、痛みを超えるほどの楽しさがあるんです。剣心は、たくさんの方と戦うので、一人ひとりと向き合っていくことが、大変なんですが、楽しさがある。演技している間は、痛みを感じないんです」と明かしました。
黒羽さんは、「衣装も包帯で、暑いといえば暑いのですが、その暑ささえも心地よくなってくる。早くお客様に届けたいです」とニッコリ。
包帯を着けての演技については、「お稽古の段階で、(脚本・演出の)小池修一郎先生にも、(包帯を顔に巻いて)見えている部分が少ないので、『普段よりもお芝居を大きくした方かいい』などの演出を受けていました。その調整もこの劇場に入って、(包帯を着けての)稽古が出来るようになったので、ようやくなじんできたという感じです」と明かしました。
体作りについて、小池さんは「特別『これをやっていました』というものはなかったです。普段からやっていたものの延長でした。(稽古をしていく中で)体が出来上がっていく感覚でした」とコメント。
続けて、「(稽古を続けて)体重はもちろん減ったのですが、しゃがむ姿勢が多いので、おしりとかがデカくなってきて…」と苦笑い。
加藤さんが「2人の運動量が多いので、千秋楽にはガリガリになっているのでは」と心配すると、小池さんは「僕は2キロくらい落ちましたね」と返し、驚かせました。
黒羽さんは、「僕は舞台での稽古が始まって、1キロくらいは落ちましたね。生活も別に変えてはいないんですけど。衣装は、スタッフさんのおかげで通気性のいいものなのであまり暑くないのですが、顔だけは尋常じゃない暑さがあるので(笑)。顔がむくんで劇場に入っても、(稽古が)終わるころにはシュッとしています。デトックス(効果)があります」と語り、登壇者を笑わせました。
小池さんと黒羽さんは“ジュノンボーイ”の先輩と後輩という間柄。
黒羽さんは「思い返すと、11年前くらいにジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストで僕が出場した時に、レジェンド(小池)がいらっしゃって。僕らの代や、今の子たちもそうだと思うのですが、神なんです」と表現。
続けて、「ジュノンボーイというのは、小池徹平くん。みんな小池徹平くんになりたかったんです。こうやって今、バチバチにやり合えていることを10数年前の自分に『やっていれば、できるよ!』と言いたい」としみじみ。
小池さんは黒羽さんについて、「本当に頼もしいです。こういう悪役というイメージはなかったと思うのですが、立派に勤められて。昨日も『楽しい』と言ってくれたように、僕もやっているとき先輩、後輩は関係ないのですが、こんなにステキな役者として、頑張っている後輩がいるということは、嬉しい気持ちになります」と語りました。
©和月伸宏/集英社