2025年8月28日、国内外で社会現象を巻き起こした「たまごっち」が8月に国内外累計出荷数1億個を突破したことが発表されました。
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【記事後編】初代『たまごっち』担当者が明かす開発の舞台裏「全く想像にもなかった」30年後の再ブーム
たまごっち1億個突破!平成レトロブームは世界にも

平成に流行したノスタルジーを兼ね備えた文化やアイテムが、懐かしさや新鮮さをもって再評価される“平成レトロブーム”。
『写ルンです』や『ルーズソックス』など、再び注目を浴びるアイテムの数々の中でも、ヘンテコで愛らしい生き物を育てる「たまごっち」は、多くの人々を魅了し続け、2026年には発売30周年を迎えます。
また、有名なファッションブランドとも多数コラボし、豊富なデザインバリエーションで展開したことが若年層を中心に受け入れられ、シリーズ累計1152万個を販売しています(2025年7月末時点)。

そんなたまごっちが誕生したのは、1996年11月。2年半で4000万個を販売するなど、大ヒットを記録しました。その要因として、デジタルペットの先駆けであったことや、「死」の概念を取り入れ「生き物」であることにこだわったこと、何者かわからないユニークなキャラクターを採用したことだと言われています。

1997年5月には、アメリカで「TAMAGOTCHI」として英語版を発売。その後すぐにカナダ・ヨーロッパ・日本を除くアジアなど各国や地域へ広がります。日本では100万個売れれば大ヒットと言われる玩具業界で、発売からわずか8ヵ月で国内外累計1000万個を販売するなど世界的ブームを引き起こしました。
しかし、ブームの収束により一時販売をしていない期間があったことも。
2004年には「赤外線通信機能」を搭載した「かえってきた!たまごっちプラス」が登場。当時の小学生を中心に流行し、1年間で約500万個を販売する再ブームとなりました。

その後も時代の流れに合わせ、画面がカラーになったり、Wi-Fiを搭載したりと、さまざまな機能が追加されました。
さらに、1997年海外で販売していた「TAMAGOTCHI」を逆輸入し、さまざまなデザインを施して2018年に発売された「Original Tamagotchi」や…。

ズームダイヤルを回して細胞レベルから宇宙レベルまでのお世話が可能な2025年7月に発売した最新機種「Tamagotchi Paradiseパラダイス」の販売が好調に推移したことにより、今回の1億個突破となりました。
今では国内外累計出荷数1億個のうち海外への出荷数が50%以上を占めており、日本の49%に続き、アメリカが33%、ヨーロッパが16%、日本以外のアジアが2%と海外からも強い支持を獲得。現在のたまごっちブームは日本だけにとどまらず、海外でも同様に初代たまごっちブームを経験した方の「懐かし需要」を捉え、さらには親子2世代で楽しむ姿が見られるなどワールドワイドに愛されるデジタルペットとして定着しているんです。たまごっちのさらなる飛躍に注目です。