フジテレビ・フィギュア班が取材動画を毎日配信!Vol.31

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、カナダ・モントリオールで開催予定の「世界フィギュアスケート選手権2020」が中止に。シーズンのクライマックスの舞台は失われ、様々な活動も停止する状況になってしまったが、来季までの想いを繋ぐべく、フジテレビ・フィギュア班が取材した動画が3月23日から毎日配信されている。

シーズン中に放送しきれなかったインタビューや取材動画、特別動画が続々と登場するので、フジテレビュー!!でもその内容を紹介していく。

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「勉強しているのは現役引退後のため」

【ネイサン・チェン<USA>~イェール大 学生の日常~】

2017-18、2018-19シーズンの 「世界フィギュアスケート選手権」で優勝し、世界王者となったネイサン・チェン選手(アメリカ)。

彼は、フィギュアスケート界の第一線で活躍する傍ら、名門・イェール大学に通う学生でもある。今回は特別に、勉強する様子を取材させてもらった。

――イェール大学では何を専攻していますか?

専攻は統計学です。始めたばかりなので、たくさん授業を受けないといけません。まだ初歩的な知識しかありませんが興味深いです。僕は論理的に考える性格なので、数学が向いていると思います。

――勉強とスケートを両立させようと思った理由とエネルギーの源は?

フィギュア界で多くの時間を過ごし、深く関わっていますが、6年後には現役生活を終えていると思います。そのときに情熱を注げる新たな何かが必要になります。

それに教育はとても重要だと考えていて、基本的な知識は選手としても役に立ちます。学校で学んだことが直接フィギュアスケートに結びつかなくても、精神的な刺激によって視野が広がり、氷上での創造性も高まります。少し抽象的ですが、勉強しているのは現役引退後のためです

――引退後の夢や目標はありますか?

情熱を注げる何かを見つけたいです。フィギュアスケートに情熱を注いでいるので今は心配ないのですが、引退後は同じくらい熱中できるものを見つけたい。それが何かまだわからないけれど…。

医学に興味があるので、その道に進むかも知れませんし、数学と統計学にも興味があります。統計学はあらゆる分野に当てはめることができますね。

将来的にどうなるかわかりませんが、少なくとも何らかの土台にはなります。

勉強は「フィギュアより気が抜けないプレッシャーが」

――スポーツも勉強も得意で「完璧だ」と言われませんか?

いろいろうまくできても、僕も人間なのでミスもします。勉強がうまくいかないときや、大会でミスをすることもあります。文武両道だと言われますが、僕も人間。完璧ではありません。

――勉強することへのプレッシャーを感じたことは?

選手として成功するかどうかはすべて自分の責任。たとえ失敗したとしても、未来は変えることができます。でも勉強で失敗したら、長期的な影響を受ける可能性がある。

大会でミスをしても次も失敗するとは限らない。でも成績が悪かったらその先に大きく響いてしまう。

気が抜けないというプレッシャーは、勉強の方が強いかもしれません。選手としては常に次のチャンスがありますが、学校はそうではないので…。

友人と取り組んだという統計学のプロジェクト。1940~70年代のアメリカ国内の飛行機の乗客数などがデータ化されている

動画では、2019年に取り組んでいた統計学のプロジェクトについて、パソコン画面を見せながら詳細に教えてくれる場面も。

次回は、ネイサン・チェン選手が日本文化を学ぶ姿に密着する。

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