前回、一人で大盛り上がりだった“マッサージチェア問題”ですが、今回でハッキリしました。

冒頭、パパ(天野ひろゆき)が昔描いたとおぼしきお母さん(=つまり正子おばあちゃん:松原智恵子)の似顔絵…だけどそれがすっごく怖い似顔絵…何故なら妙にうまいし、“大好きなお母さんへ 門倉和彦”って超美文字で書いてあるし、絶対小学生とかじゃない、おそらく高学年で、なんなら高校級のレベル感が出てるし、それが例えば小学生の絵だとしても高校生の絵だとしてもどっちにしろ、いろんな要素が度を越してて、背筋が凍るほど、恐怖の似顔絵…それを正子おばあちゃんが引っ張り出して、懐かしんで、微笑む…その背後に…

マッサージチェア!!!!!(しかも揉み玉音付き)

怖ぇーーーー!!!

とんだホラーですよ。

これはもう完全に狙ってますね。『火の粉』オマージュ確定ですね。ここまでアピールされたら、内容のリンクはないとかそんなのいいから、皆さんも『火の粉』観ましょう!「#おうち時間」に、FODで『火の粉』も観ましょう!(毎回宣伝してますが、誰にも頼まれてないんですよ?)この誰が気付くんだろうって程度の絶妙なオマージュ、最高ですね!

ってこれがオマージュで合ってるのかは謎ですが、そうだと勝手に思い込んで興奮してるんだから、合ってるとか間違ってるとか関係ないんです!楽しんだもん勝ち!!

おっと、ついつい2週に渡って“マッサージチェア問題”で盛り上がってしまいましたね。大変失礼いたしました。

さて、前回は地球滅亡を目の前にした人間の“狂気”が描かれましたが、今回は巨大隕石によって、地球よりも先に“壊れてしまうもの”と“再生するもの”が、パパを通して描かれました。恐怖すぎる「大好きなお母さんへ」の似顔絵が大きな振りとなって、パパがついにぶっ壊れてしまうのです。

その崩壊していく過程がコミカルでおかしいんだけど、なんだか切なくって、ついにキレちゃった末にパパが繰り出した“作文朗読”には、「メインテーマ」(バラードバージョン)の音色も相まって、ちょっと泣いちゃいましたよ。状況的には作文?って感じなのに、その前にちゃんと“原稿用紙”の伏線を張ってて、しかもこのシーンに向けて、門倉家の居候で結月ちゃん(北香那)のボーイフレンド翔太くん(中尾暢樹)をその輪から外して、“家族に男はパパ一人”という悲哀の状況を作り出しているという周到な展開。だから、なんだか状況は“?”なはずなのに泣けちゃうんですよね。

そして、ともすれば情けない“だけ”にしか見えないパパを、天野くんが演じることによって、なんやかんや許せちゃう微笑ましさと、目玉焼きの“黄身をチューチュー”してるだけに“気味の悪さ”を併せ持つことに成功しているキャスティング。その“チューチュー”の気持ち悪さが秀逸ですしね!

また、前回のマッサージチェアは“クレイジー劇場”の幕開けを意味したわけですが、今回はパパのお話だし、随分とハートウォーミング多めで、ほっこりしたハッピーエンディングを迎えたな~、クレイジーも鳴りを潜めたな~、なーんて油断してたら、とんでもない!

今回、いつも以上に家族へのツッコミが冴え渡りキレッキレだったお姉ちゃん(泉里香)の“不穏”が終了5分前に描かれ始め、え?ちょっと怖いんですけど…って慄(おのの)いてたら、まだまだ終わってなかった正子おばあちゃんの“嫌な予感”、ついつい忘れちゃってたお母さん(羽田美智子)の“純愛”、キャプテン(中村俊介)に向けたパパの“謎すぎる表情”、そして突然の“大地震”、で“地球滅亡まであと132日”!!

来週への引き、山の如し!!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)