銀座の寿司屋さんで修行を積んだ夫と切り盛りし、こぼれ落ちるほど具材が乗った天丼と海鮮丼が売りの和食店。

今回の主人公は、一橋大学をはじめ、大学が点在する学生街、東京・国立市にある「深川 つり舟」の女将、湊由紀江さんです。

店に惹きつけられる学生はお客さんだけでなく、アルバイトもその大半が学生です。湊さんは、親子以上に世代の離れた学生たちと店を守り続けてきました。

そんな湊さんの、アルバイトとの向き合い方や夫婦間のルールなどに迫りました。

学生たちの胃袋を支えるデカ盛りの名店「深川 つり舟」女将・湊由紀江さんの“セブンルール”とは?

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ルール①:おかわりは調理場まで来てもらう

学生に人気のこの店では、ご飯のおかわりが無料。おかわりしたい場合は、お客さん自ら厨房に来てもらいます。

海鮮丼なら酢飯、天丼ならお客さんの好みでタレをかけて提供。デカ盛りの具材を食べきるには、ご飯のおかわりがかかせないそうです。

ルール②:味は女将が決める

銀座の寿司屋さんから独立し、「深川 つり舟」を33年前に開いた、親方であり夫の実さん。開店当時は寿司やふぐがメインの高級和食店でしたが、バブル崩壊の影響を受け、学生をターゲットにした食堂になりました。

その際、食堂の味付けを決めたのは、湊さんでした。学生街の食堂として生き残るために、「タレは甘めに。油の種類や醤油の味も学生の好みに合わせて」と、改良してきたそうです。

ルール③:仕事は自分で見つけさせる

50歳以上歳の離れた大学生から、Siriの使い方を教えてもらった湊さん。

他にも、動画編集に興味のあったバイト生はひな祭り限定メニューの広告動画を作成し、バイト生の高橋碧衣さんはウーバーイーツを導入しました。

湊さんは「仕事っていうのは自分から見つけて、率先してやる。社会に出ると、そういうことってものすごく必要じゃないですか」と話し、お店では「少しでも積極的な姿勢を身に付けられるように」と願い、日々働いています。

スタジオでは、「16〜17歳でバイト経験もなく芸能界に飛び込んだ」という長濱ねるさんが「お母さんみたいな存在の人がいるのはいいな」と感想。

尾崎世界観さんは、「蕎麦屋さんで配達のバイト経験があって、中学校の頃に付き合ってた人の家に鍋焼きうどんを届けに行ったことがあって。緊張して、だしをこぼしちゃって」と甘酸っぱいエピソードを明かしました。

ルール④:賄いはみんなで一緒に食べる

コロナ禍の影響を受けた「深川 つり舟」は一時、お店をたたむことも考えるほどの危機に。そんなときに、以前バイトをしていた卒業生から1本の連絡がありました。

「恩返しじゃないけど」と卒業生を中心に「深川 つり舟」を愛する有志から130万円の寄付を受け、湊さんは「いろんなことをしてもらったから、『おかみさん頼ってくださいよ』って言われて。思い出すと涙が出てくる」と目頭を熱くしました。

いただいたそのお金は、「コロナが明けたらみんなで美味しいものを食べよう」と、手をつけずにとってあるそうです。

強いつながりを持つ湊さんとバイト生には、賄いを一緒に食べるというルールがあります。大事なコミュニケーションの場になっており、シフトに入っていない子もその時間に駆けつけ、一緒に食事することもあるそうです。

ルール⑤:日曜日は99.5%夫と外食をする

定休日の日曜日、親方とバイト生の高橋さんと足を運んだのは浅草。1年生の頃から4年に渡りお店でバイトしてきた高橋さんが、この春卒業を迎えるため、かんざしをプレゼント。

また、その足で焼肉店に。お正月などを除き、休日は99.5%外食をするという湊さん夫婦。最近2人でした会話は「お墓が決まった話」と明かし、笑い合いました。

ルール⑥:子ども食堂では思い出ノートを書いてもらう

「深川 つり舟」では、親方の提案で、中学生以下の子どもが無料で食べられる「子ども食堂」を4年前から実施。

親方は「お父さんもお母さんも一生懸命働かなくちゃいけない時代になってますから。子どもたちには少しでも力になれれば」と思いを語りました。

子ども食堂で食べた子たちには、必ず思い出ノートに感想を書いてもらいます。ときには、「食べたいものを書いて」とリクエストし、その料理を提供するなど、子どもたちに寄り添っています。

ルール⑦:卒業するバイト生の着付けをする

「深川 つり舟」で4年間働いた高橋さんが卒業の日を迎え、この日湊さんが着付けをしました。着物を借りるお金や就職するための引っ越しなど出費がかさむため必ず行っており、そこには「少しでも軽減できたら」という湊さんなりの親心が。

これまでに100名以上の旅立ちを見届けてきたという湊さん。

別の日には、10年前の卒業生が「深川 つり舟」を再訪するなど、これからも学生とともにつながっていきます。

スタジオでは、青木崇高さんが「素敵でした、(国立市にある)一橋大学受けようかな」と涙ながらにコメント。するとYOUさんが「一橋大学に行かなくても、このお店には行けます」と冷静に返しました。

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