上白石萌歌さんが、レストランで働く新人たちを見て「私もここで働きたい」とコメント。そんな新人を追った番組のナレーションを担当します。

上白石さんが読むのは、『ザ・ノンフィクション「新・上京物語2022 後編 ~旅立ちの時~」 』(3月27日14時~/フジテレビ※関東ローカル)。

<【前編】上白石萌歌 先輩に叱られる新人に胸がキリキリ「(自分にも)こんなことあったな」>

有名レストランに就職が決まり、期待に胸膨らませて上京を果たした3人の若者の奮闘と、今まさに夢を叶えようとしている彼らの先輩の葛藤を追います。

<上白石萌歌 初めて見た渋谷のスクランブル交差点は?>
<上白石萌歌「家族や周りの人たちの支えでここまで来られた」>

夢と現実を前に揺れる18歳の新人と大きな夢に向かう先輩

2021年4月。料理人を目指し上京してきた千春さん(18)、楽壱(らいち)くん(18)、あかりさん(19)は、洋食界の巨匠・大宮勝雄シェフ(71)が経営する有名店「レストラン大宮」に就職して奮闘の日々を送っています。

彼らを指導するのは、9年目の七久保先輩(26)ですが、3ヵ月経っても仕事を覚えられない新人たちに、疲れ果てていました。

18歳の時に栃木県から上京した七久保先輩は、腕を磨き、新丸ビル店を任せてもらえるまでになりました。入社時からの夢は「海外で活躍する料理人になること」。しかし、新型コロナウイルスの影響で海外へ渡る夢は、先延ばしとなり、目標を失いかけていました。

そんな先輩の下に配属されたのが千春さんです。中学時代から料理人を目指し、新人3人の中でも料理への思いは特に強いものがあります。入社当初、接客が主なホール担当でしたが、半年後、念願の調理担当になりました。

ところが、現実は厳しく、調理場で七久保先輩に怒られる日々。次第に「自分は料理人に向いてないのではないか」と悩みを深めていくことに。

今まさに大きな夢を叶えようとする先輩と、夢と現実の狭間で揺れ動く新人。一流の料理人を目指した上京物語の先に待っていた「旅立ちの時」が近づき…。

先週に続き、“語り”を務めた上白石さんは、そんな物語をどう感じたのでしょうか?収録後に聞きました。

揺らいだり、悩んだりしている新人さんの姿に、勇気を得てほしい

<上白石萌歌 インタビュー>

――昨年、上白石さんが“語り”を担当した新・上京物語での収録後、印象に残った言葉を聞いたのを覚えていますか?

覚えていますよ!「オレンジの気持ちになって」という七久保先輩の言葉ですよね?

――正解です。今回、印象に残った言葉はありましたか?

今回は、公邸料理人となった(レストラン大宮の)OBの方が言った「(そこに)シェフはいない。自分がシェフになる」という言葉。映画みたいで「カッコいい!」と思いました。

今まで自分が雇ってもらっていたところにはシェフがいたけど、お店から出て公邸料理人になったら、自分がシェフになって、自分が回していくんだっていう。

今より一つ上の段階で君は戦うんだっていう、このセリフがすごく残っています。

――改めて、レストラン大宮には、どんな印象がありますか?

実は、前回の収録後、浅草に行く機会があったときに、お店の前を通ってみたんです。中を覗いたら大宮シェフがいらっしゃって、中には入らなかったですけど、「ああテレビで見た方だ」って(笑)。

映像を通してですけど、すごく愛情深い方だと思いますし、先輩もフランクな方が多いですよね。いろんな職場があると思いますけど、どこもあんなふうにはいかないだろうと思います。

今は仕事と生活を切り離して考える人も多いと思いますけど、レストラン大宮は、住み込みで寮まで提供してくれるし、何かあれば家まで来てくれることもある。

もちろん、いろいろ大変なことはあると思いますが、コミュニケーションがちゃんと取れている中で、ぶつかったり、悩んだりしているように見えて。その感じが温かくて、思わず、にこにこしてしまいますし、「私もここで修業したい」って思いました。

まあでも、すぐ心が折れちゃうでしょうけど(笑)。

――料理に情熱を持って入ってきても、実は自分には別に得意なことがあったと気づく新人もいました。そういった経験はありますか?

確かに“向き不向き”というのは、自分が一番わかっているようでわかってないってこともあるな、と最近感じています。

私はまだそこを固めたくないと思っていて、お仕事でも声をかけていただいたものは、拒まずに挑戦していくことはすごく大事なのかな、と思うようになってきました。

――先日、22歳の誕生日を迎えました。今年挑戦してみたいことはありますか?

今年の目標を「男気」って決めたんです(笑)。男気を身につける…ちょっと難しいんですけど、人間としてちゃんと芯を持ったり、いい意味でわがままになったり、自分の中で何かを貫いてそれを外に出していくっていうようなことなんですけど。

いろんな人に宣言しているので、それを実現できるようになるのが、今年の目標です。

――この春はドラマ2作品に出演しますし、忙しくなりそうですね。

春は、いろんな出会いや別れがあって、みんながもう一段階上へ、と意気込む季節だと思いますが、私もまったく違うジャンルの作品を同時にやらせていただきます。

今まで、二つの役を“行ったり来たり”することがなかったので、我を忘れるほどそれぞれの役に命を吹き込んで、いい意味で自分を忘れるような季節にして、どちらもいい作品にしたいなと思っています。

――最後にメッセージをお願いします。

まず、2年連続で、同じ場所のその先の物語を見ることができてすごくうれしかったです。

新しく上京してきた方の眼差しを見て、私もすごく勇気をもらいました。新しい学校に入ったり、新生活を始めたり、春は新鮮な季節だから揺らぐことも多いと思いますが、この番組を見て、同じように揺らいだり、悩んだりしている新人さんの姿に、勇気を得てほしいな、と思います。