手軽に手に入るコンビニのコロッケと、入手困難な逸品のコロッケを比較すると、それぞれに美味しさを追求したこだわりがありました。

3月22日(火)放送の『所JAPAN』(カンテレ・フジテレビ系)は、手軽で美味しい「セブン-イレブン」のグルメ=“便利シャス(便利+デリシャス)”と、そこでしか食べられない逸品ながら、入手するのが大変なグルメ=“不便利シャス”な商品を比較。

それぞれの人気の秘密を調査しました。

スタジオには、所ジョージさん、佐々木希さん、カズレーザーさん(メイプル超合金)、陣内智則さん、若槻千夏さん、バカリズムさんが登場しました。

サックサク食感の秘密は衣専用のパン

「セブン-イレブン」で販売されている、年間約7500万個、日本一売れている大人気のコロッケ。

最大のウリである、衣の超サックサク感をどのように作り上げているのかを調査するため、スタッフは、全国に出荷されるコロッケの半分以上を生産している北海道・茅部郡(かやべぐん)にある工場を訪ねました。

一見、北海道は、各地への配送を考えると不便な場所なのでは?と思いきや、こだわりの北海道産のジャガイモが契約農協から集まりやすく、便利な場所なんだそう。

製造工程で、まず行われるのは、ジャガイモを蒸して砕く作業。このとき、ゴロッとした食感を強く残すため、あえて粗めに砕くのがポイントだといいます。

次に、具材となる玉ねぎと牛ひき肉を混ぜ、機械で均一の大きさに成形。

小麦などを溶いたつなぎをつけ、パン粉をまぶしていきます。実は、このパン粉こそが、サックサク感の正体。

この工場では、風味が良いとされる北海道小麦を使用した、コロッケの衣に使うパン粉を作るため専用のパンが製造されていました。

普通のパンとの違いは、約6倍ほどのその大きさ。ふっくらと膨らませることにより、中の生地が粗くなり、その粗さがパン粉にしたときに、サックサクの食感を生んでいます。

さらに、パンを砕き乾燥させる過程でも、水分量の調節にこだわりがあり、揚げたときに油を吸いすぎず、サクッとした食感を生み出す工夫がされていました。

予約27年待ちの「極みコロッケ」

続いて、入手困難な逸品のコロッケを探して、番組スタッフが向かったのは、兵庫県高砂市・伊保(いほ)駅にある大正15年創業の精肉店「旭屋」。

お目当ては、通販限定で販売している「極みコロッケ」。その予約リストを見せてもらうと、予約待ちは、40854人で、27年先まで予約でいっぱいになっていました。

番組では「極みコロッケ」が作られている、店舗近くにある工房を特別に見せていただけることに。

工房内には、大掛かりな機械はなく、ほとんどが、3人による手作業。

使用する食材にこだわりがあり、「極みコロッケ」には、糖度が高い「レッドアンデス」というジャガイモを使用。

「セブン-イレブン」のコロッケでは、ジャガイモが集まりやすいように、わざわざ北海道に工場を構えていましたが、こちらでは北海道の土の中と同じ環境の保存庫温度と湿度が保たれた追熟部屋を作るというこだわりが。

店主の新田さんによると、「ジャガイモは寒くなってくると、自分で凍らないように糖度が上がる。何ヵ月か追熟をかけると糖度が上がる」とのこと。

さらに製造工程では、糖度が高くなったジャガイモを蒸したあと、すりつぶす作業で、精肉店ならではの(肉を)ミンチにする機械を使用するというアイデアも。

それによって、コロッケにちょうどいい歯ごたえが生まれるそうです。

コロッケに使用する肉は、店頭で販売されている「3歳のメスのA5」神戸ビーフ。コロッケにすると何が一番美味しいのかが考えられた結果、カルビの部分を使用しているといいます。

旨味を閉じ込めるために、肉をボイルしたあと、お肉をブロック状にカットしていきます。

通常のコロッケは、ミンチ肉を使用するのに対し、ブロック状にすることで、揚げたときにブロックから肉汁がジャガイモに染み込み、より肉汁を感じられるコロッケになるという狙いがありました。

ブロック状にしたお肉とジャガイモ、玉ねぎを混ぜ合わせ、肉の偏りがないよう、手作業で型を使い成形。

「セブン-イレブン」は、パン粉専用のパンが作られていましたが、「極みコロッケ」は、一般的な市販の乾燥パン粉を使用。

それでもサクサク食感を生む秘密は、商品を発送する際に一緒に入れている牛脂。

新しい油にわざと牛脂を溶かし込むことで、衣に油膜がはって水分が抜けず、サクッとしたコロッケが揚がるのだそう。

これは、スーパーに置かれている牛脂でも同じ効果があり、ひと手間で簡単にサクサク食感を真似することができます。

ほかにも番組では、おにぎりやパンの便利シャス&不便利シャスを比較しました。