勝村政信さんと高杉真宙さんが2人芝居でおくる、舞台「ライフ・イン・ザ・シアター」が開幕。

その初日となる3月3日に、取材会が行われ、勝村さん、高杉さんが登壇しました。

この作品は、世代もキャリアも違う2人の俳優が、舞台上や楽屋裏、舞台袖や衣裳部屋など、劇場のあらゆる場面で交わす、時に切なく、時にクスッと笑える、何気ない会話をオムニバス形式で描いたヒューマンドラマ。

開幕の感想を聞かれた勝村さんは、「ようやくここまで来たな、よく間に合ったなというのが感想です。全編26話あるのですが、(場面転換で)ほとんど着替えながらなので大変で、最初の頃は、2人とも迷子になっていました」と明かしました。

高杉さんは、「昨日、『明日本番だ!』って焦って、気持ちが落ち着かないまま眠りについたんですけど、今日を無事に迎えられることが本当に幸せだなと思います」と安堵の表情。

“90分に及ぶ演目を2人芝居で”という内容に、普段と違う苦労があったそう。「セリフ覚えはいかがですか?」という質問に、勝村さんは「まだ、ちゃんとは覚えていません」とニヤリ。

「僕は、2人芝居は4回目ですけど、その中でも場数があって、着替えが多いというのは初めてなので、トップクラスで大変です」と語りました。

高杉さんは「僕は、今回初めて2人芝居をやらせていただくんですけど、やっぱり2人だと舞台上が広く感じます。勝村さんと一緒に作ってきたものをしっかりと発揮して、楽しくできたらいいなと思います」と意気込みました。

お互いの印象について話が及ぶと高杉さんは、「初めてお会いしたのは、僕が14歳だったんですけど、改めて一緒にお芝居ができて嬉しいです。稽古期間も、たくさんのことを学ばさせていただいて、ずっとついて行きたい、本当に素敵な大先輩です」とコメント。

それを受けて、勝村さんは「今のところは、太字で書いておいてください!」と笑顔で取材陣に呼びかけました。

続けて、「中学生の時に初めて会ったときから、純粋なまま成長して、そのときの芝居も素晴らしかったですけど、今も新人らしさを残したまま、ちゃんと成長されていて」

「僕らが失ってしまった(けれど、高杉さんが持つ)若さやエネルギーというものに引っ張られて、日々、いろいろと学ばさせていただいています」と話しました。

2人は、稽古期間中に一緒に食事に行ったそうで、その時のエピソードを聞かれると「ウェイトレスさんがお皿を運んでくれるときに、まるでドリフのコントのように(高杉)真宙くんを見つめたままドンっとぶつかって…」「しかも2度…」と2人で思い出し笑い。

勝村さんは、「まさにそういうところって、舞台にも使えるじゃないですか。『そういう場面を自分の中のストックしておくと、あとで何かしらの演技に使えることがあるよ』という話をしました」と明かしました。

作品概要

劇団の看板俳優であるベテランのロバート(勝村)は、最近劇団に入ったばかりのジョン(高杉)に、今日もさまざまなアドバイスをしている。

舞台とは何か、役者とは何か、演じるとは何か…。その熱弁を、ジョンは熱心に耳を傾けていた。

月日が流れ、初々しかったジョンも徐々に芝居が評価され、大きな役に抜擢されるなど順調にキャリアを築き始める。

それとは対照的に、集中力や記憶力の低下など、ロバートは逃れられない老いに不安を感じ始め…。