奈緒さん、風間俊介さんが出演する舞台「恭しき娼婦」の上演が決定しました。
20世紀を代表する哲学者が作り出した戯曲に演出家・栗山民也が立ち向かう
20世紀最大の哲学者にして、現代思想の巨人、ジャン=ポール・サルトル氏。「実存主義」を牽引した哲学者として世界に大きな影響を与えただけでなく、小説や映画脚本の執筆にも取り組み、劇作家としても数々の戯曲を世に残しました。
中でも、1946年に発表された「恭しき娼婦」は、非情な世界における人間の“権利”、“尊厳”、そして、“自由”といった、いつの世も人類が向き合う問題に正面から取り組み、最も完成度が高いと評されています。
今回、この傑作戯曲に立ち向かうのは、常に冷静かつ、研ぎ澄まされたまなざしと並外れた手腕で、その時代の世相を作品に反映させてきた演出家・栗山民也さん。本作の上演をかねてから熱望していたという栗山さんが、今、この時代に上演することで、本作を通してどんなメッセージを観客に問うのか、期待が高まります。
実力派の2人が人間の深層心理をあぶり出す意欲作に挑む!
舞台はアメリカ南部。冤罪を被せられて逃走する黒人青年をかくまう娼婦リズィー。だが、その街の権力者の息子であるフレッドはリズィーに虚偽の証言をさせようと、その黒人青年と由緒ある家系の白人の男どちらを救うか選べと迫ります。街全体で黒人が犯人と決めつける状況の中で、リズィーが下した決断は…。
物語を大きく動かす重要な決断を迫られることとなる娼婦のリズィーを演じるのは、奈緒さん。映画、ドラマ、CMとその顔を見ない日はないほど今最も旬な若手実力派女優です。2018年のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で愛嬌あふれるヒロインの親友役を好演し注目を集め、翌年放送されたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)では一転して主人公に執着する狂気じみた隣人を熱演、その演技力の高さを世に知らしめました。
そして、街の権力者の息子でリズィーに虚偽の証言を迫る白人のフレッドを演じるのは、風間さん。ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で二面性を持つ人物を名演し話題を集めると、以降もどこか闇をもった個性的な役柄を見事に演じ上げ地位を確立。近年はドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)での主人公の夫役など、爽やかな好青年を演じることも増加し、豊かな表現力で人々を魅了し続けています。
実力派の2人が、18年放送のドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)以来となる共演で、人間の深層心理をあぶり出す意欲作に挑みます。
<奈緒 コメント>
出演のお話をいただき、自分にとっても本当に大きな挑戦になるなと思いました。自分にはまだ早いのではないか、という気持ちもあったのですが、栗山さんともいつかはご一緒させていただきたいと思っていましたし、決まったからには一生懸命お稽古を重ねて、成長できるようにがんばりたいと思います。
この作品は、登場人物がそれぞれの決断をしていく中で、正義とは、人が持つ権利とは、ということを考えさせられますし、自分の信念や曲げたくないものを貫いて生きていくことの難しさを感じることになると思います。
ただ、そこには絶対に希望が残ってほしいと感じましたし、現代の状況に置き換えて、これからも皆で手を取り合って戦っていこうという強い気持ちを伝えられる舞台にもなっていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。お待ちしています。
<風間俊介 コメント>
不条理なことが多い今の世の中で、こういった楽しいだけではないいろいろな困難に立ち向かう物語を、栗山さん、奈緒さんはじめ、このメンバーと一緒に創れることをうれしく思います。
栗山さんの作品は以前から拝見していますが、毎回、根幹、真理のようなものが炙り出されていくような、楽しかっただけで終わらない、帰り道に自問自答するような作品だなと思っていました。今回も、過去の時代を振り返りながら今の時代を見て、これからの未来を考えるような作品を創っていけるだろうと楽しみにしていま
す。
演劇を上演することも、観に行くことも、難しいと感じるこの世の中で、それでもこの作品に興味を持ち、観たいと思ってくださり、足を運んでいただけることに感謝して、良い作品をお届けすることを胸を張って約束したいと思います。ぜひ劇場にお越しください。
<「恭しき娼婦」公演概要>
主演:奈緒、風間俊介、野坂弘、椎名一浩、小谷俊輔、金子由之
東京公演:6月4日(土)~19日(日)/紀伊國屋ホール
兵庫公演:6月25日(土)~26日(日)/兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
愛知公演:6月30日(水)/日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
最新情報は、舞台「恭しき娼婦」公式サイトまで。