佐藤健さんと神木隆之介さんの2人が、東日本大震災の被災地・宮城に旅に出る。そんな本が3月4日に発売となりました。
書籍のタイトルは『みやぎから、』。
2人が食や伝統、産業、ものづくりの魅力を求めて、宮城県内各地を訪問。旅の道中でのありのままの表情をとらえた写真や、訪ねた先の情報が掲載されたビジュアル対話集になっています。
初の共著となる『みやぎから、』を出版した目的は復興支援。本の売り上げの一部は、東日本大震災の復興支援のために寄付される予定だと言います。
佐藤さんと神木さんは、宮城の伝統芸能や風習の継承、産業や文化の創造、そして震災の記憶の伝承などに真摯に向き合い、これからの私たちの暮らしのあり方を模索しています。
旅によって様々な出会いや体験をした佐藤さんと神木さん。『みやぎから、』の出版に当たり、2人の連名でコメントを出し、いま感じていることとともに「知ることから始まる『新しい旅』に出てほしい」と一般の人に呼びかけています。
佐藤・神木「旅を終えた今、僕たちがハッキリと思うこと」
2021年夏、目に見えないウイルスを前になんとか新しい生活スタイルを見出そうともがく日々。予測できない未来に不安を覚えながら思いを馳せたのは、10年前に大きな被害を受けた東北のみなさんのことでした。
あまりにも巨大な自然の猛威を前にくじけず前を向き、少しずつ歩みを進めた東北の方々の姿に今、僕たちが学ぶべきことがあるんじゃないかと感じています。
2011年、僕たちに何かできることがあるだろうかと向かった気仙沼、石巻、松島……。言葉では表しきれない多くの思いを抱きながらボランティアをさせてもらったあのときから10年。当時とはまた違った思いを胸に、僕たちは再び宮城を訪ねました。
そうして旅を終えた今、僕たちがハッキリと思うこと。それは、10年というタイミングは区切りじゃなくてはじまりだということ。
忘れてはいけない記憶に触れ、多くの気づきを得た今回の旅は、僕たちにとって何か新しい旅のはじまりのような気がしています。ぜひこの一冊をもって、その気持ちを共有できたらと願っています。知ることからはじまる新しい旅へ。まずは宮城から、
佐藤 健 / 神木 隆之介
【『みやぎから、』目次】
第1章 「それぞれの記憶」――せんだい3.11メモリアル交流館
第2章 「祈りを込めて」――鳴海屋紙商事株式会社/行山流水戸辺鹿子躍
第3章 「土地の力を感じる」――すみやのくらし/化石発掘体験
第4章 「つくり続ける意志」――佐野美里/本郷だるま屋
第5章 「ミュージアムの使命」――石ノ森萬画館/くりでんミュージアム
第6章 「海を知る水産を知る」――フィッシャーマン・ジャパン/鶴亀の湯・鶴亀食堂
ほか