フジテレビ・スケート班が取材した動画を毎日配信!vol.54

新型コロナウイルスの世界感染拡大を受け、スケート界のさまざまな大会が休止になったまま2019-2020シーズンが終了。選手たちの活動も停止する状況になってしまったが、来季までの想いを繋ぐべく、フジテレビ・スケート班が取材した動画が3月23日から配信されている。

シーズン中に放送しきれなかったインタビューや取材動画、特別動画が続々と登場。フジテレビュー!!でもその内容を紹介していく。

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個人種目で初の金メダルを目指した 「世界距離別選手権」のレースをノーカットで

【フジスケ×スピスケ】世界距離別選手権金メダル宣言!髙木美帆 2019-20シーズン振り返り

2018年の平昌五輪で金・銀・銅3つのメダルを獲得し、2019年には、1500mで1分49秒83の世界新記録を出した髙木美帆選手。

2019年10月のインタビューで力強く語ったのは「『世界距離別(スピードスケート選手権大会) 』(以下、世界距離別選手権)で勝ちに行く」という意志。2020年、自身初となる個人種目での金メダル獲得を「世界距離別選手権」で 狙っていた。

2020年2月13日~16日アメリカ・ソルトレークシティで行われた「世界距離別選手権」で、髙木選手は、女子1500mに出場した。

この種目では、2018年「平昌五輪」で銀メダル、2019年の「世界距離別選手権」でも銀メダル、さらに、2019年のワールドカップ最終戦では、同じソルトレークシティの地で、世界新記録を樹立しているだけに注目が集まった。

このレースの模様をノーカットで振り返る。スタート前、解説の菊池彩花さん(平昌五輪スピードスケート女子チームパシュート金メダリスト)も、「表彰台の真ん中も、世界記録も更新したいと思っているはず」と期待を込める。

同走は、カナダのイバニー・ブロンディン選手。1500mの種目は、まず300mを滑り、その後400mのリンクを3周する。

そして、スタートが切られた。

菊池さん: 髙木選手は、この300mでしっかりスピードを乗せるのが上手いので、この (最初の)コーナーがとても大事になってきます。

髙木選手の世界記録は、最初の300mが24秒74、今回は、25秒15でわずかに届かないものの「悪くないと思います」と菊池さん。

だが、ここから次の1周のラップタイムが自己ベストよりも1秒以上遅れをとっていく。

菊池さん:いつもはもっと氷に吸い付くようなスケーティングで、もう少し伸びやかに滑っている印象です。

結局、その後もラップタイムを伸ばせず、苦しそうな素振りを見せながら、髙木選手は、1分51秒58でフィニッシュ。

倉田大誠アナウンサー:シーズンの出だしにエンジンのかかりがあまり良くなかった髙木美帆。ただ、3000m、1000m、5000mと3種目で国内最高(記録)は塗り替えてきている。

菊池さん:確実にレベルアップしてきていると思うので、狙った大会でどういう結果を出せるかというところですね。

結果は4位。 髙木選手は、表情なく会場をあとにした。

まさかの4位に「今までにない悔しさ」

レース後、髙木選手は言葉に詰まりながら、悔しさをにじませて振り返った。

「今までないような…悔しさっていうんですかね。初めての感覚で、どう表現していいかわからないんですけど。自分の中で消化しきれてないものは、今シーズンのうちに少しでも自分の身にできるようにはしていきたいなと思います」

この悔しさを胸に、髙木美帆は次なる挑戦へ――。

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