福島のこと、皆さんはどれくらい知っていますか?
たとえば、福島県で「原則立ち入り禁止の区域(帰還困難区域)」は県の面積の何%でしょうか?
(1)1.2%
(2)2.4%
(3)4.8%
(4)12%
<正解は記事の一番下に>
「ふくしまの今と復興のあゆみ」を伝えるため、福島県のことをもっと知ってもらいたい―。
そんな強い想いから福島県は去年2月、「福島を知らない人たちの代表」として松岡茉優さんを「ふくしま知らなかった大使」に任命しました。
「ふくしま知らなかった大使」松岡茉優が教えてくれること
2011年3月11日に発生した東日本大震災。あれから11年の月日が流れていますが、その影響は今でも続いています。
松岡さんが大使に就任する直前の2021年2月13日には、福島県沖を震源とする最大震度6強の余震が発生しました。福島第一原発の廃炉作業もまだ道半ばです。
福島の復興のためにも、日本全体での防災意識を高めるためにも、東日本大震災や福島で起きたことは決して風化させてはいけません。
しかし、時が経つにつれて、福島について学ぶ機会も減っています。
そこで福島県が企画したのが「ふくしま知らなかった大使」。その名称の通り、福島を知らない人たちの代表で、東京都出身の松岡茉優さんが選ばれました。
松岡さんに「ふくしまの今」について知ってもらい、その様子を動画で公開。松岡さんを通して、福島を知らない視聴者にも「ふくしまの今」を感じてもらおうという取り組みです。
特設のホームページでは、様々な動画が公開されています。
松岡さんが福島県についてのテストに苦戦しながら解答する「テスト篇」と、内堀県知事がリモートで出演して「ふくしま知らなかった大使任命式」を行う「任命式篇」を皮切りに、次々と動画がアップロード。
松岡さんは実際に福島を訪問。
津波被害を今に伝える震災遺構や復興シンボルとして整備された道の駅についてリポートする動画や、福島が誇る酒造りや食べ歩きを体験する動画など、意外と知らない「ふくしまの今」の魅力を伝えています。
2021年12月20日には、一連の動画の完結編「現地視察編Ⅷ ふくしまの鉄道から見る魅力と伝統」が公開されました。
2022年秋に全線再開通を目指しているJR只見線を使って松岡さんが会津地方を訪れる内容。名物のあわまんじゅうを味わい、編み組細工を体験しています。動画から、福島の魅力が存分に伝わってきます。
松岡茉優「街も、人の心も、勝手には治らない」
“大使”になって様々なことを知った松岡さん。「ふくしま知らなかった大使」就任時には、こんなことを語っていました。
「福島県知事である内堀雅雄様とリモートでお話しさせていただいて、その時知事が仰った『風評被害もあるけれど、風化も大きな問題』という言葉。私も今の福島をほとんど知りませんでした。
街も、人の心も、勝手には治らないのに、 私は福島に、そしてそこに住む方々に何かできていたのだろうか。
震災から10年経った今、新しい気持ちで 福島を見つめたい。応援したい。私の体験を通して、今の福島をお届けできるよう精一杯努めます」
また、福島を訪れた後には、さらにこんなコメントも発信しました。
「今回の活動では、さらに様々なふくしまの魅力、みなさまの復興への想いや活動にふれる機会をいただきました。
訪れるたび、たくさんの発見と素敵な思い出をくれるふくしまを、もっとたくさんの人に知って、好きになってもらいたい。
この活動が、みなさまの知らなかった、のその先へとつながるきっかけになりますように。
大使として。ファンとして。心を込めて、ふくしまの今をお届けします」
“大使”として発信をする松岡さんについて、福島県クリエイティブディレクターの箭内道彦さんは「松岡茉優さんの『知らなかった』が、ひとつずつ減っていって、やがて『ふくしま知っている大使』になりそう」と感想を述べたうえで、日本全体にこう呼びかけています。
「まだ遅くはありません。松岡さんが開けてくださった扉から、全国のみなさんもふくしまの今を知りに、ぜひいらしてください」
松岡さんの動画はこんなテロップで締めくくられています。
「知ること。それが、ふくしまの力になる。」
誤解を理解に変えること。それは、東日本大震災の復興に向けたあゆみにつながります。
【冒頭クイズの答え】
Q.福島県で「原則立ち入り禁止の区域(帰還困難区域)」は県の面積の何%でしょう?
答え→(2)2.4%
福島県の大部分は、他の地域と同じく通常の生活が可能です。原則立入禁止区域の「帰還困難区域」は、福島県面積の約2.4%(約337㎢)です。原発事故直後と比較すると「避難指示区域」の面積は減少していて、放射線量の値も年々減っています。