さーて、今週の『隕石家族』は?

パパです。

今週は最終回だというのに、“隕石衝突”より、“パパ(天野ひろゆき)逮捕”の方が気になっちゃいましたよね~。“マッサージチェア”に“買いこんだ大量の食料”…状況証拠はすべて揃ってる!一体どうなっちゃうの~!?

さて今回は、

「ホントにパパは盗ったのか?」

「娘たちのウエディングドレス」

「家族、最後の時」

の3本です!今週もまた見てくださいね~!!

ついつい3つの柱を見つけちゃったので『サザエさん』風でふざけてしまいましたが、今週の『隕石家族』は上記3本立て!

後ろの2本はスペクタクルホームドラマとしてなんとなくわかるお話なんだけど、最初の「ホントにパパは盗ったのか?」はまるでミステリードラマのよう…なんですが、これがすごい。

パパが理不尽に“もらえなかった退職金”、元部下が教えた“マッサージチェア”が再び売れ出したという情報、リサイクルショップで見かけた“(マッサージチェア)高価買取のポスター”、「一時金が出た」と買ってきた“大量の食料”…そしてさらに今回の最終回でも、パパが盗ったに違いないという状況証拠が続々出てきて門倉家大ピンチ!!になります。

もう最終回だってのに、隕石どころかパパ逮捕って、どんだけぶっ飛んだドラマなんだよと、そこにまず驚いたわけですが、さらに驚いたのは“パパが犯人じゃない!?”そういう話だったんですよ。

…え?わかってたって!?ホントに??…だってだってこのドラマ、パパが最終的に窃盗犯で捕まっても別によくないですか?あの日、最後にみんな笑顔でお腹いっぱいご馳走食べれたんだし、急にクビにしといて退職金くれない会社も悪いんだし、そもそも隕石落ちるし、『隕石家族』ってそういうドラマだし!!と僕の倫理観は逆ギレ状態だったのです。

…だけど、そういう非常時における倫理観の欠如や暴走こそが“一番怖ろしい”ってこと、忘れてました…。第2話の光浦靖子さんが演じた“ご近所主婦の暴走”で教えたじゃねぇか!バカヤロウ!!と、ぶん殴ってくるかのように、ちゃんとスッキリ解決する物語が用意されているのです。

しかも、もう最終回だし、この問題はテキトーに、“犯人はパパじゃありませんでしたー!”なんつってノリとテンションで解決してもよさそうなのに、これまで出てきたパパの状況証拠の一つ一つをひっくり返していくと“真犯人”が浮かび上がってくる…という、まさかの美しい謎解きに仕上がっているのです。その謎解きの過程がすっごく気持ちよくて、あまりの巧さに感動しちゃいましたよ。

まず、“真犯人”は一体誰なのか!?それは初回から登場していたあの人物で怪しいオーラをプンプン醸していたあいつです!その驚きに加え、犯人が別にいたとしたら何故パパはあんなに大量の食料を買えたのか?という謎には、とっても感動的な家族愛のエピソードが絡んでいて、とどめに、パパはなぜ“高価買取のポスター”に反応してしたのか?には、くだらなすぎる爆笑のオチが待っている…という三重構造!!そしてそのミスリードの部分が、僕史上最も“最低で最高なミスリード”だったもんで乞うご期待!

実はそれ、すっごく卑怯で、本格ミステリーファンからしたら怒られそうなくらいのトリックなんだけど、全部笑って吹き飛ばしてくれるのが『隕石家族』!異次元のくだらなさで、圧倒的な爽快感をもたらしてくれます!なので、前回分を録画している方、もしくはキャッチアップにまだ間に合うあなた…“高価買取のポスター”を、くまなく、よーく見てみて下さい…ヒントが隠されています…だけど…絶対わかりません!!

そして最終回、一番気になるポイントはもちろん、“隕石は一体どうなるのか?”でしょう。何を言ってもネタバレになっちゃうので表現が難しいんですが、視聴後感は…“劇場版ドラえもん”を見終わった気分です!!

…冒頭に『サザエさん』を出しておきながら「劇場版ドラえもん」って…ややこしいわ!って感じですが、なんて言うんでしょう…もちろん隕石が衝突するというSFの世界観で、画面にも地球の映像が度々カットインするってのもあるんですが、とんでもなく地球規模のお話だったのに、アットホームに解決して、心が温まって、とてつもない安心感につつまれる…あの感じ!わかります?

わからなかった方もきっと、ラストカットの映像とそこにかぶさる“あるセリフ”を聞くと、ドラえもんを感じる…はず?…だよ?

もう一つ大きな見所なのが、最終回あるあるの“回想シーン”。終盤、かなり丁寧にこれまでの物語を映像とともに振り返っていくんですけど、激動だったこのドラマ自体の展開に思いを馳せセンチメンタルな気分になる…のに加えて、このドラマの設定が今の現実と少なからずリンクしていたことで、リアルの世界で起こっていた“緊急事態”や“ステイホーム”していた個人的出来事も一緒にそこに重なってきて、いつもの最終回の回想で感じる思いよりさらに深いものになっているんです。この時期に楽しんできたからこそ経験できる、とても貴重なドラマ体験を味わえると思います。

最後に、このご時世、他のドラマが休止や延期を余儀なくされる中、『隕石家族』はエンタメルーティンを守ってくれて、毎週爆笑と興奮をくれたことに感謝です。そして現実の世界も『隕石家族』の様に、みんなが前向きになって迎えられるハッピーエンド、どうか訪れますように…。

https://youtu.be/GEIdU3Yu_nQ

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)