6月16日(火)より、フジテレビ系火曜21時ドラマとして、吉川晃司主演、5週連続特別ドラマ『探偵・由利麟太郎』が放送される。
『探偵・由利麟太郎』は、昭和を代表するミステリー作家・横溝正史が「金田一耕助」よりも前に生み出していた伝説の名探偵・由利麟太郎を初めて連続ドラマ化。京都を舞台に、冷静沈着な白髪の紳士・由利麟太郎(吉川晃司)が、ミステリー作家志望の青年・三津木俊助(志尊淳)とともに、数々の奇怪な難事件に挑むホラーミステリー。
第1話「花髑髏」には、新川優愛がゲスト出演する。新川が演じるのは、謎に包まれた遺伝子研究者・日下瑛造(中村育二)の養女で、イラストレーターの日下瑠璃子。
ある日、由利の元に殺人を予告する“挑戦状”が届き、助手の三津木とともに、指定された場所へ向かうと、全身を縛られ、血を流した状態で冷凍庫に閉じ込められていた瑠璃子を発見する。
瑠璃子は一命をとりとめたが、一方で養父・瑛造が自身の研究室で、胸に短刀を突き立てられ、何者かに殺害されていた。由利は、遺体の傍らに不気味に置かれた、血で真っ赤に染まった頭蓋骨(ドクロ)が気になり…というストーリー。
瑠璃子、養父の瑛造のほか、瑠璃子を女性として愛する血のつながらない兄、瑛一(長田成哉)も登場し、複雑な家族関係が描かれる。家族愛や兄弟の絆、さまざまな愛の形が絡み合い、一筋縄ではいかない物語。運命に翻弄(ほんろう)される美しき養女・瑠璃子には、つらく、重い展開が待ち受けており、欲望に満ちた人間のドロドロとした感情が描かれ、嫌な気分になる後味の悪いミステリー、いわゆる“イヤミス”要素もある第1話だ。
日下瑠璃子を演じる新川優愛に、今回の作品や役どころ、主演の吉川晃司の印象などについて聞いた。
<新川優愛 インタビュー>
――ドラマの企画・台本を読まれた時の感想を教えてください。
すごく重いお話だなと思いました。単なるサスペンスではないというか、殺人があって、事件があってというドラマの中でも、登場人物の過去や抱えている事情、さまざまな要素が絡んで、重たいお話だなと思ったのと同時に、こういった複雑な重さのあるお話は、経験させていただく機会が少なかったので、その意味では、楽しみだなと思いました。
――新川さん演じる日下瑠璃子は、どんな人物だと思いますか?
台本を読んで、とてつもなくかわいそうだなと思いました。とにかく周りがひどいので(笑)。瑠璃子の役は、幼少時代、少女時代、私と、三人いるんですが、みんなそれぞれかわいそうで(笑)。
撮影の合間に、それぞれの瑠璃子さんと「大変だね…」、「かわいそうだよね」って話してましたね。
――そんな瑠璃子という役をどう演じていこうと考えましたか?
いろいろと背負っているものがある女性です。「感情を出しても無駄だ」と思っている、どこか人生を諦めているような…そういった“影の部分”を出したいなと思いました。
――横溝正史ミステリー『探偵・由利麟太郎』についてはいかがですか?
世界観がおもしろくて、独特だなと思います。横溝作品の独特さに、吉川さんが、どんなお芝居をされるのかなというのを楽しみに現場に入りました。最初は緊張もしていましたけど、「あ、こんな風に由利麟太郎を演じられるんだ…」と、そういった部分も楽しみながらの現場でした。
――撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
吉川さん、志尊さん、田辺(誠一)さん、お三方のバランスがすごくおもしろいなと思いました。みんな、全然タイプが違うんですけど、向いているところは同じで。何か惹かれあうものがお三方にあるなと思いました。
見ていると、笑っちゃいけないんですけど、リハーサルでは吹いてしまったり(笑)。三人そろうとなんだか、チグハグなんだけれども、チグハグのまんま、なんだかんだハマっていくお三方が、とてもおもしろいなと思いました。
<第1話あらすじ>
由利麟太郎(吉川晃司)は、元捜査一課長の経歴を持つ名探偵。頭脳明晰(めいせき)で「警視庁にその人あり」と言われるほど優秀な人物だったが、ある事件をきっかけに退職。
現在では、学生時代を過ごした京都に住まいを移し、骨董(こっとう)品店を営む波田聡美(どんぐり)が家主となる部屋を拠点にしている。
また、由利を「先生」と呼んで慕うミステリー作家志望の三津木俊助(志尊淳)を助手に従え、犯罪心理学者として活躍している一方で、警察からの依頼を受け、事件の捜査を手伝っていた。
ある日、そんな由利のもとに、“花髑髏”と名乗る人物から殺人予告のメールが届く。「挑戦状だ!」と息巻く俊助とともに、早速、指定された場所へ向かった由利は、そこで血が滴る冷凍庫を発見。
中には、遺伝子研究者として知られる日下瑛造の養女・日下瑠璃子(新川優愛)が全身を縛られ、血を流した状態で閉じ込められていた。
瑠璃子にまだ息があることを確認した由利は、救急車を呼び、冷凍庫の持ち主である日下の屋敷へと急ぐ。そして、由利の旧友でもある京都府警の等々力警部(田辺誠一)と合流し、俊助が人影を見たという2階へ駆け上がると、瑛造の息子・瑛一の部屋と思われる一室で、致死量に達するほどの大量の血が付着したダウンコートを発見。
さらに研究室では、日下が胸に短刀を突き立てられ、無残な姿で見つかる。由利は、遺体の傍らに不気味に置かれた、血で真っ赤に染まった頭蓋骨が気になり――。