21歳にして数々の話題作に主演し、その演技力が高く評価されている浜辺美波。そんな浜辺が初めて医療ドラマに挑む『ドクターホワイト』が、1月17日からスタートする。

正体不明で社会性が皆無にもかかわらず、驚異的な医療知識と天才的な診断能力を持つ主人公・雪村白夜(浜辺)が医師たちの診断を覆して患者の命を救っていく新感覚の医療ミステリードラマ。

わずかな情報から病気を見抜いて命を救う医療ドラマと、白夜が何者なのかを追うミステリーが融合した本作。謎めいた白夜を演じる浜辺に、役柄について、作品への意気込み、真冬の撮影での防寒対策、今年の抱負などを聞いた。

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「白夜は、冷たくて強そうに見える女性ですが、実はかわいらしい女の子」

――原作と台本を読んだ感想を教えてください。

原作は、約1年前に読みました。1つ1つのお話がすごくおもしろくて、「そっちの方向に進むんだ」という新しい医療ミステリーだったので、1日、2日で読破しました。

台本は、のちに白夜が所属することになる高森総合病院の「総合診断協議チーム」(CDT)のお医者様たちの会話がすごくおもしろいんです。各科のお医者さんを演じている先輩方がコミカルに会話をポンポン進めていかれるので、クスッと笑える作品にもなっているのではないかなと思います。

――白夜は、どういう女性だと捉えていますか?

白夜は、一見冷たかったり、強い女性のように見えるのですが、実はかわいらしい女の子です。

台本を読むと、早朝の公園に倒れていた白夜を助けてくれた狩岡将貴(柄本佑)さんや、彼の妹の晴汝さん(岡崎紗絵)などみなさんと過ごすうちに、かわいらしい部分が引き出され、純粋な反応やさまざまなことを学んでいく姿が魅力的に思えました。

そういうところを自分なりに生かして、感じたままの白夜を演じられたらと思っています。

――そんな白夜を演じるにあたり、どのように役と向き合っていますか?

原作を読むと、白夜はとても不思議な生い立ちを抱えていて、そういう要素を取り入れることは大事だと考えています。

また、ほかの登場人物とはまったくテンションが違うので、自分のペースを崩さずに、ちょっと浮き立った存在になれたらいいなと思っています。

初の医療ドラマで専門用語に苦戦「最終話までには効率よく覚えられる方法を…」

――医療ドラマは、専門用語など難しいセリフが出てきますがいかがですか?

これまで、探偵役などでセリフが多い役をいただくことは多々ありましたが、今回は第1話から初めて聞く言葉がたくさん出てきますし、医療用語は初めてなので苦戦しています(笑)。

覚えるのもそうですが、私の場合はイントネーションで苦戦することが多いんです。家で覚えても、現場で全然違うイントネーションだとわかって、「うわ~!」となってしまうことが多いので、きちんと確認しながら覚えないといけないなと思います。

――セリフはどうやって覚えるのですか?

普通の会話劇だと、自分一人で覚えます。すごく長いセリフの場合は、手伝ってもらうこともあります。

推理ものだと、自分で書きながら序章から最後までまとめながら覚えたりするのですが、医療ドラマは初めてなので試行錯誤しています。

書いて覚えた方がいいのか、繰り返し言うことで覚えた方がいいのか…。最終話までには、効率よく覚えられる方法を見つけられたらいいなと思っています。

――座長としてどのようなことを意識していますか?

まずは、体調に気をつけていきたいです。そして、想像以上に原作よりも個性豊かでおもしろい会話が多かったので、頭を固くせずに、みなさんとコミュニケーションを取りながら、その場の雰囲気に合わせて臨機応変なお芝居をしていきたい。

そして、白夜自身が構えることなくスッと立っているような人なので、私も自分の壁を作らずに、何事も決めつけすぎないでフラットにいられたらいいなと思っています。

最初はすごく緊張しましたが、先輩方に物怖じしないで、やりたいと思っていることをちゃんとできたらいいなと思います。

優れている五感は“耳”「ちょっと距離が離れていても、呼びに来ていただく前に収録現場に戻ります」

――白夜は、五感が優れていますが、ご自身は何がもっとも優れていますか?

耳は、すごくいい気がします。現場でスタッフさんが話していて、ちょっと距離が離れていても、「では、○○さん、お願いします」と役名で呼ばれた時に、呼びに来ていただく前に、「よし、行こう」と戻ります(笑)。

――では、千里眼を持てるとしたら、何を見たいと思いますか?

遠い場所での撮影で、現場の地面が泥まみれか、砂利か、コンクリートかどうか見たいです。結構、靴選びで失敗することが多くて、「今日は大丈夫かな」と思ってふわふわなサンダルを履いていったら、水に濡れたり…。

支度する場所から撮影現場まで、山を登らないと行かれないところだったりして、「うわ~、そっちか~」みたいなことが結構あるので、現場の地面の状態を見たいです(笑)。

――冬ドラマは、寒さの中での撮影になりますが、どんな防寒対策、健康管理をしていますか?

私は、石川県出身なので寒さには耐えられるのですが、東京は風が冷たくてそれがつらいです。

現場では、タンブラーに温かい飲み物を入れて持って行ったり、甘いホットドリンクを飲んで体が冷えないようにしています。

それから、カイロを衣装の下や体のあちこちにたくさん貼り付けて防寒対策しています。今もたくさん貼っています(笑)。

今年挑戦したいことは「まず自動車の運転免許取。仕事では、人間ドラマに挑戦したい」

――2022年、年明けのドラマです。今年は、どんなことに挑戦したいと思っていますか?

昨年は、あっという間の1年でした。コロナ禍ということもあって、6月くらいまでは少しゆとりがありましたが、それ以降は忙しかったです。でも、やりたいことはある程度できたと思います。

今年は、時間があったら、まず自動車の運転免許を取りに行きたいです。1人キャンプもやってみたいし、中学の友達と食事にも行きたいです。

仕事では、今まで特別な境遇の女の子の役が多かったので、1人の人に向き合うような人間ドラマに挑戦してみたいです。

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

白夜は、記憶喪失や感情が理解できないなど多くのものを背負っているために、自分がどういう人間なのか、どうしたいのかなど初めはわからないことばかり。そんな彼女が、回を追うごとに自我が目覚めたり、自分のやりたいことに気づいていきます。

自分自身がどうしたいかは、普通に暮らしていても気づけなかったり、見落としてしまうことも多いと思います。自分と向き合うことや、本当の自分の気持ちに気づくことは、白夜の中で乗り越えるべき1つのものだと思うので、そういうメッセージを大事に表現していきたいと思います。

どうぞお楽しみにしていてください。

撮影:島田香