「誘拐」

「復讐」

「ドナー」

この3つのキーワード…。そうです!『犯罪症候群』…じゃないです!

今週から始まる『ミラー・ツインズ』です!

しかもその3つのキーワードに加えて、東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ、監督もプロデューサーも同じ、なんなら映像の色合いや質感もまさに『犯罪症候群』だし、今回も“Season2”が地上波全国ネット初放送!!!…

なんだけど、全然作風は違います!!!ご安心ください。

とはいえ「おいおい、またSeason2?」「観てなかったら話わかんなくない?」って思ったそこのあなた!…そして、Season1最終回まで見た人なら誰もが思った「あそこからどう続くの?」ってなったそこのあなたも!どうかご安心ください!全員ウェルカムです!!

このドラマは、双子=“ツインズ”、なんだけど、鏡=“ミラー”に映したかのように対極に育ってしまった二人の青年の物語で、Season1では、幼いころに双子の兄だけが連れ去られる“誘拐スペクタクル”、事件から20年後に起きた“誘拐犯連続殺人事件”、別々の場所で育った二人の兄弟が繰り広げる“正義と悪の攻防戦”、二人の間で揺れ動く“女の献身”、全ての事件の鍵を握る“親子の物語”、そしてことあるごとに登場する“オムライス”…と、最後だけちょっとふざけてしまいましたが、全8話、ほぼ100%、ラストに衝撃展開がぶっこまれ、出てくる人物全員裏切り者なんじゃないかってくらい、もう誰も信じられない、見逃せない、ノンストップサスペンスになってます。

見所はやっぱり一人二役、“正義と悪”を見事に演じ分けた藤ヶ谷太輔さん(以下、親しみを込めて藤ヶ谷くんと呼ばせていただきます)。

藤ヶ谷くんって、僕の中で、なんか、他の役者さんと違う何かがある…もちろんかっこいいんだけど、普通のカッコよさだけじゃない魅力がある…一体何だろう?…と、長年疑問だったんですが、今作でハッキリしました。

藤ヶ谷くん…育ち良さそう!!

…長年の疑問の答えが、“育ち良さそう”って、ちょっとまぬけすぎですが、藤ヶ谷くんが醸(かも)す品の良さや清潔感が、このドラマの主人公で、資産家の御曹司でありながら刑事の“圭吾”にぴったりなんです。しかも、品の良さと清潔感に、“強い正義感”まで加わって、なんだかもうまぶしすぎる、隙(すき)がなく、完璧過ぎて、男として腹立って来るんですよ。

そしてそんなキャラクター造形を見越した上で、その“腹立つ感じ”の弟に鬱屈し、誘拐事件によって人生が狂わされてしまう、もう一方の主人公で双子の兄“勇吾”がいるのです。この藤ヶ谷くんの“育ちの良さ”を十二分に発揮したキャラと、その正反対を見せるギャップのうまさに舌を巻きます。また勇吾は圭吾と違って、ワイルドで危なっかしいんだけど、身体能力が高く、警察だって簡単に巻いちゃうという強靭なフィジカル…なんだけど女に弱くてすぐイチャついちゃうという“隙”も見せる母性本能くすぐる系。なんだか腹立つくらい完璧正義漢の藤ヶ谷くんと、ワイルド悪魔の藤ヶ谷くんという二人のキャラクターの見せ方、演じ方が見事なんですよ。

そしてストーリー的にも、先に挙げた“警察すら巻く”ありえなさと、“すぐイチャついちゃう”というツッコミ部分が、ちゃんとSeason1後半の展開を盛り上げるキーポイントにもなっているんだから油断できません。それを踏まえた上でSeason2も迂闊にツッコんでたら、絶対ひっくり返してくるので要注意です。

だけど、個人的に最大の見所は、その正義と悪魔の藤ヶ谷くんの間で揺れ動く、倉科カナさん演じる英里。Season1初回、こんな完璧正義漢の藤ヶ谷くん=圭吾と付き合ってて窮屈じゃないのかな?なんて、勝手に心配してたら、第1話ラスト、ワイルド悪魔の藤ヶ谷くん=勇吾と実は繋がってましたー!って衝撃展開で腰抜かし、中盤、圭吾にも気持ちはあるんじゃないか?恋愛ドラマ定番の忘れられないこの思い…“やっぱ好っきゃねん!”状態突入?と、僕大興奮!になりつつも、だけどやっぱり勇吾への思いが強いとわかり、最終回、罪を全て背負い別れを告げようとする勇吾に、「行かないでー!」と懇願し彼の足元にすがるも、結局ロープで縛られ身動き取れなくされる英里…を見て…悲しみを通り過ぎて笑っちゃいました。あのシーン最高です。

「行かないでー!」って言ってるのにその辺のロープで女性を縛るって、男として最低!…のはずなんだけど、英里の気持ちが痛いほどわかってしまう…。報われない恋を演じさせたら右に出る者はいない倉科カナさんの魅力が炸裂しています。

ついつい、倉科カナさん演じる英里に感情移入しすぎて興奮してしまいましたが、そんな風に恋愛模様のあれこれにピーキャー言いながら、逃れられないほどハマっちゃうのが『ミラー・ツインズ』で、『犯罪症候群』の恋愛模様は…、もう絶望すぎましたよね…。ロープで縛られるのも絶望なんだけど…。

っと、ここまでSeason1のやんやを興奮しながら解説しといてなんですが、そのやんやを、第1話冒頭でうまいこと“ある手法”を使って解説&プレイバックしてくれるので、Season1未見の方でも全く問題ありません。

そして、肝心のSeason1だけを見た方。あれから一体何が続くのか?もう謎とかなくない?って思ってる方!それが、もうね、第1話のすんごいとこから物語は繋がっています。ヒントは、圭吾の父で資産家の“葛城栄一(佐戸井けん太)の交通事故死”。あそこ、父が理性を失って暴走した…って思ってたけど、まさか「えええーー!!!!!」ってなります。Season2も全く油断できない!

またSeason2の第1話は、Season1の第1話と対=ミラーのように、過去の誘拐事件をなぞる“模倣犯”が現れるという、二部構成だからこそ出来る、タイトルともリンクする作劇のうまさ。でもって、完璧正義漢の藤ヶ谷くんが、ワイルド悪魔の藤ヶ谷くんの方へ引っ張られる!?という、展開も待ち受けているようで、こちらも見逃せません。

そして、何より肝心で、大注目の英里。Season1では描かれなかった“家族”が描かれ、ようやく幸せが訪れるかもしれない…良かった…「英里、幸せになれよ!」なんて、僕が心の中でカッコつけてたら、第2話の次回予告、衝撃的事実が…。もうなんなの!?英里のこと幸せにしてよ!

最後に、何気に毎回クセになっちゃうのが次回予告の入り方。クラクラするほどカッコいいタイミングで表示される「MIRROR・TWINS」という文字(心の中で「ミラー・トゥインズ!」って唱えちゃうくらいのカッコイイ)と、その後、イカしたサックスのメインテーマと共に流れる次回予告。「クゥーッ!カックいい~!」って毎回なります。そこでいつもテンション上がっちゃって、次回、絶対見逃せなくするんだよなー。ニクイ!

あ、そうだ!最後に今回の第1話、不満があったんだった!

とある場面。子供に“カレー”を食べさせるシーンがあるんですが…。

そこは“オムライス”でしょーーー!!

現場の状況からして、オムライスが作れるほどのキッチンじゃないんだけどさ…。

https://youtu.be/r3LZDZ_rQ-s

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)