『SUPER RICH』最終話完全版

氷河衛(江口のりこ)は、島谷聡美(松嶋菜々子)から「MEDIA」社が「スリースターブックス」にTOB(敵対的買収)を仕掛けるという連絡を受ける。しかも、TOB後は宮村空(町田啓太)を「スリースターブックス」のCEOに据えると言うのだ。

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衛は優(赤楚衛二)とともに、空に会って真偽を問う。すると空は、自分も「やりたいことをやってみたくなった」と告げる。

衛と優は、今吉零子(中村ゆり)、東海林達也(矢本悠馬)、鮫島彩(菅野莉央)たち役員を集めて事情を話す。

聡美が2年前から用意周到に空のヘッドハンティングを開始したこと、「MEDIA」が欲しいのは「スリースターブックス」が持つ作品と作家のライセンスだけで、空以外の社員は不要になってしまうこと。

さらに、潤沢な資金でTOBを仕掛ける「MEDIA」に対抗することは困難を極めることも…。

だが、話している途中で衛に笑みがこぼれる。実は空の「やりたいこ」ととは、今の会社や仲間たちを守ることだった。空は「MEDIA」の誘いに乗って聡美に接近し、TOBを防ごうと考えていたのだ。

それでも、衛は社員たちを守るために「MEDIA」の買収に対抗して、友好的に買収・合併してくれる相手を探すことになる。

衛たちは取引先などに頼みに行くのだが、巨額な買収額を提示し、業界に影響力を持つ「MEDIA」に対抗しうるホワイトナイトは現れない。優は海外まで赴くのだが、やはり色よい返事は得られなかった。

そんな時、「スリースターブックス」に一ノ瀬亮(戸次重幸)が来た。罪を償い終えた亮は、なんと投資ファンドのCEOになっていて、ホワイトナイトになることを考える、と衛に伝える。

一方、韓国で森ノ宮大吾(矢野聖人)に会った優は、買収から会社を守るためにクラウンジュエル(会社の価値を下げる)やゴールデンパラシュート(役員の退職金を高額に設定する)を提案されるが、危険性もあった。

衛の家に、空たちが集まった。衛は空に頼み、韓国の証券会社がホワイトナイトを引き受けようとしているようだと聡美に連絡してもらうのだが、これは一時しのぎに過ぎない。

そんな時、衛に亮から電話が入り、やはり自分の会社ではホワイトナイトにはなれないと告げる。仕方なく衛は、ゴールデンパラシュートを使うことを「MEDIA」の担当者に告げるのだが、提示した金額が想定より低かったと一蹴されてしまう。

衛は最後の手段として、聡美に会いに行く。金で解決できないのなら、聡美の情に訴えるしかない。

衛は自身がCEOを退き、空が引き継ぎ、社員たちの雇用を保証するのであれば、自分の持株を手放すと聡美に告げて友好的な買収を求める。そして、そのための社内調整に1ヵ月の猶予が欲しいと頼んだ。

すると、聡美は衛の提案した条件を飲まなくてもTOBは成立すると冷淡だが、社内調整のための1ヵ月を与える。

優も帰国し、衛は1ヵ月後に聡美に約束した通りCEOを降りて会社から去った。衛の代わりに空がCEOに着任する。そして、空は「MEDIA」の担当者にある資料を渡した。

その頃、衛の家では優や幹部たちが集まってパーティが開かれていた。遅れて空も到着。経緯の説明を求める田中リリカ(志田未来)に衛が教える。

実は、衛は聡美からもらった1ヵ月の間に新会社を設立していたのだ。また、「スリースターブックス」が抱える作家たちの次回作以降の専属契約を失効させた。碇健二(古田新太)と作家に説明し、新会社との契約を得ることにも成功する。

つまり「MEDIA」は「スリースターブックス」が持つ作品と作家のライセンスを既存作品以降は手にすることができない。パーティの前に衛は聡美に会ったが「してやられた」と悔しがりつつも表情は明るかった。

そして、情に流されたと負けを認める。聡美は十分な金銭的余裕は出来たので「MEDIA」を辞職すると言い、空も訴えないと衛に話した。

衛は新会社「TSBクリエイティブ」を「スリースターブックス」株の売却と、買収で株価が下がった「MEDIA」株の再上昇を見込んで買って儲けた資金で設立。社員たちも戻して経営を元に戻すことに成功する。

空は「TSBクリエイティヴ」の資金運営を担う関連会社のCEOになった。

優は大学合格を目指し、受験勉強に勤しむ。優の実家は古書をデータ化する仕事を始めて、優への借金の返済を進めていた。

衛は優に言う。金はいくらあっても良い。金の心配をしないで楽しくみんなと仕事をして、美味しいご飯を食べて、ふかふかのベッドで寝る。

そして、隣には優がいる。たぶん、それが自分の“SUPER RICH”だと…。

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