アニメーション作家の新海誠監督の最新作製作発表会見が、12月15日(水)に行われ、ゲストの上白石萌音、森七菜と共に新海監督が登壇した。
新海監督の3年ぶりとなる最新作「すずめの戸締まり」は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉じていく少女・すずめの解放と成長を描くロードムービー。
<新海誠監督が3年ぶりに新作「すずめの戸締まり」を発表!本作を3つのキーワードで解説>
最新作が公開されることについて、新海監督の「君の名は。」でヒロインを演じた上白石は「『天気の子』から3年が経ちましたが、(新作公開の)スパンが早いので、『監督寝られているかな?』とか、いろんなことを思いながら、1ファンとして『どんな話なんだろう?』と早く見たいです。まさか発表の場に呼ばれるなんて思っていませんでした。うれしいです」と語った。
また、「天気の子」でヒロインを演じた森は、「一足先にVコンテ(絵コンテの動画版)を見させていただいて、嬉しかったです。『いいんですか?』と思いましたし、本当の完成が楽しみになりました」とニッコリ。
今回の発表会見に登壇するにあたって、上白石と森は新海監督からVコンテを見さててもらっていたそうで、上白石は、「Vコンテってまだ、色もほとんどついていなくて、鉛筆で描かれたような絵が、コマ送りで動くようなもので、それに新海さんの声が吹き込まれている状態なんです。まだ完成には遠いのですが、骨組みだけでも圧倒されて、新海イズムを保ちつつ、また新たな扉を開けられたという感じです」と感想を述べた。
森は、「今までの新海さんの作品もそうですが、自分でもわからない鳥肌がたちました。『天気の子』や『君の名は。』を見てきたような余韻もあって。色がついたら、どんなものになっちゃうんだろうと思いました」と明かした。
新海監督は、「企画が始まったのがコロナ禍が始まった2年ほど前で、この2年間はほぼ外に出ることはなく、(コンテなどを)描き続けました。そうして、ようやく形になって、2人にすぐ見ていただいたばかりなので、萌音ちゃんと七菜ちゃんから、(感想の)言葉を聞けて幸せです」と感謝。
本作のヒロインは九州出身ということで、鹿児島県出身の上白石を例に挙げながら、大分県出身の森は「本当に監督は私たちのことが好きなんだなと思いました」とニヤリ。
新海監督は「確かに、最初(コンテを)描き始めた時は、(主人公のすずめから)七菜ちゃんの声が聞こえていたし、(主人公が)旅を続けるにしたがって、萌音ちゃんの声も聞こえてきました(笑)」と照れながら答えた。
本作のヒロインである、すずめの声優はまだ決まっていないそうで、上白石は「さっき舞台裏で(森と)『オーディション受けない?』って話しました」と明かすと、新海監督は「(『君の名は。』で声優を務めた)神木隆之介くんが、『天気の子のオーディションを受けますよ』って言っていたので、『やめてほしい』と言ったんです。2人がオーディションに来たら、勝ってしまいそうで…。強そうじゃないですか(笑)」と苦笑い。
これに対し、森は「ちょっと気になってたんですよね。どっちも選ばれないかもしれないけど、監督は、『私と上白石さんのどっちを選ぶの?』って。上白石さんは先輩ですけど、『そこは無礼講で』って、約束もしました」と宣戦布告をすると、上白石も「オーディションはフェアなものなので」と同調。
そして、上白石は「七菜ちゃんは、(大分県から)上京していない頃で、私も高校生という立場なのに、(当時の新海監督のヒロインに起用してもらい)本当に大きな賭けをして選んでくれたので、なんて懐の大きい人なんだと思いました」と感謝すると、新海監督は「ある種の確信があって、(オーディションで)声を聞いた瞬間に『あっこの人だ…』ってわかるんです。なので、賭けではなかったですよ」と説明した。
<「すずめの戸締まり」 あらすじ>
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探しているんだ」という旅の青年と出会う。
彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。
なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は締めなければいけないのだという。
——星と、夕陽と、朝の空と。
迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった——
不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。
©2022「すずめの戸締まり」製作委員会