ヘラルボニー
知的障害のある当事者家族、約4割が「飛行機移動に不安」--「長時間の待機が不安」「急にパニックになったら?」そんな声に応えるQ&Aガイド『Beyond Guide』を共同制作




株式会社ヘラルボニー(以下、ヘラルボニー)は、日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 鳥取 三津子、以下「JAL」)とともに、障害のある方やそのご家族が感じる空の旅への不安に寄り添う取り組みとして、共同制作した『Beyond Guide』を公開いたしました。
本ガイドは、「長時間の待機ができるか不安」「パニックになった場合どうすればいい?」「こだわりがある食べ物や飲み物を持ち込みたい」といった声に応える形で、予約・搭乗前・空港・機内それぞれのステップごとにQ&A形式でわかりやすくまとめた冊子です。事前に見通しが立つことで、不安を減らし、空の旅の選択肢を広げることを目的としています。
また同日より、ヘラルボニー契約作家・水上詩楽氏のアートをあしらった紙コップの全路線再配布も開始いたしました。両社の共通する想いである「誰もがありのままに、旅を通して新しい価値観・景色と出会える未来」を目指し、今後もパートナーシップを深めてまいります。

ヘラルボニーとJALのこれまでの歩み

ヘラルボニーとJALは、互いの企業理念に共鳴しこれまでにヘラルボニー契約作家、合計29名の作家・41作品を起用し、その異彩を広く社会に届けてきました。2023年には業務提携を締結し、国境のない「空」のように、誰もがありのまま自由に羽ばたける社会の実現を目指して、「Beyond」というコンセプトのもと共創を進めています。国際線ファーストクラス・ビジネスクラスのアメニティポーチにヘラルボニー契約作家のアート作品を起用するなど、障害のある作家の才能を国内外で発信する取り組みを展開してきました。




▲作家のアートで彩った国際線ファーストクラスで配布されるアメニティキットや、機内ドリンクサービスで使用される紙コップ

『Beyond Guide』心理的なハードルを越えて、空の旅を楽しむ選択肢を

本当は”旅に出てみたい”と思っていても、道中で何が起こるか想像できないこと、あるいは想定外のことが起きたときに”逃げ場がない”と感じることから、一歩を踏み出せない障害のある方やご家族がいらっしゃいます。中には、不安や困難を前提に、旅そのものを選択肢に入れていないという方も少なくありません。私たちは、そうした心の声を、これまで数多くの対話や調査を通して受け止めてきました。

ヘラルボニーが2023年に実施した「外出にまつわるアンケート」(知的障害・発達障害のあるご家族250名を対象)では、30~36%の方が“ハード面・ソフト面それぞれの理由で、飛行機を含む公共交通機関の利用が難しい”と感じていると回答しています。
※株式会社ヘラルボニー「外出にまつわるアンケート」(2023年/知的障害・発達障害のあるご家族250名を対象に実施)

こうした状況を踏まえ、ヘラルボニーとJALは一人でも多くの方の「旅をしたい」という気持ちに寄り添うため、空の旅のハードルをなくすプロジェクトを始動し、第一弾として、Q&A形式で不安や疑問に応えるガイドブック『Beyond Guide』を共同制作しました。

本ガイドは、知的障害のある方やそのご家族が感じるさまざまな不安や疑問に応え、より安心して空の旅をお楽しみいただくことを目的とした冊子です。「長時間の待機ができるか不安」「パニックになったらどうすれば?」「こだわりのある飲食物を持ち込みたい」など、実際の声をもとに、予約・搭乗前・空港・機内での過ごし方などを、Q&A形式でわかりやすくまとめています。また、乗客一人ひとりに寄り添った搭乗体験に定評のあるJALの協力のもと、事前に知っておくことで安心につながる情報や、困ったときに役立つサポート内容も掲載しています。

Q&Aの全文および『Beyond Guide』はこちらからご覧いただけます







ヘラルボニーとJALは、これからも一つひとつ工夫を積み重ね、「誰もがありのままに、旅を通して新しい価値観・景色と出会える未来」を目指し、全ての方々に空の旅を楽しむ選択肢をお届けし続けて行きます。


旅の選択肢をあきらめないために。ご家族から届いた声

今回の取り組みにあたり、実際に飛行機の利用に不安を感じている当事者とご家族の声を伺いました。

ヘラルボニー契約作家 藤田望人さんお母様よりコメント
何が起こるかわからないから、移動は自家用車。
その選択肢が当たり前でした。その方が、連れて行く親は気が楽なのです。
人目を気にすることなく、自分たちのペースで移動ができる。
けれど、障害のある息子は空を飛ぶ、飛行機に乗りたいのです。乗ってみたいのです。
その好奇心を大事にしてあげたい。そんな親からしたら、このようなガイドブックは大変ありがたいです。困った時に、どこに、誰に、どうアクションしたらいいのか、事前にわかっていれば、不安が解消されますし、対処もできます。不安だらけの旅が楽しい旅へと変わります。
「行きたい」を誰にでも、もっと。障害を理由に、最初から諦めてしまわなくていい。
それが当たり前になる社会へ、変容していきますように。

ヘラルボニー契約作家 輪島貫太さん・楓さんお母様よりコメント
知的障害がある我が子たちと飛行機に乗る際、もし離陸した瞬間に怖くなってパニックになったらどうしよう、エンジン音にびっくりしないかな、着陸時の衝撃にびっくりして大声出すかもしれないなど、機内で何かあった時にどうしようという不安がありました。旅行に行く際は見通しがあると安心するので、事前に動画を見せたり写真を見せるなどイメージが持てるように試行錯誤して挑むのですが、飛行機に乗ることに対して不安に思う方がいることを気にかけてくださっていることで、いざとなった時相談できる方が近くにいることを心強く感じました。救護室のみならずカームダウンスペースがあったり画像案内があると今後さらに外出先の選択肢が増えそうです!

いただいた体験談やご意見をもとに、これからも空の旅がすべての人にとって心地よく、前向きなものとなるよう、改善と工夫を重ねてまいります。

作家・水上詩楽氏のアートを起用した紙コップが再登場

2025年6月~7月の2カ月間、水上詩楽氏の作品「タイトル不明」を起用した紙コップが全路線に登場、再び空の旅に彩りを加えます。




■機内ドリンクサービスの紙コップ提供
・提供期間:2025年6月~7月
・対象路線:全路線
・起用作家:水上 詩楽 / Shigaku Mizukami
・作品名:「タイトル不明」

■起用作家・アート紹介   



作品名:「タイトル不明」
作家:水上詩楽 / Shigaku MIzukami
(やまなみ工房/滋賀県)
様々な色でいくつも描かれた扇形と点の模様。複数の扇形を小さいほうから順に重ねながら描いていき、その上に溝引き棒で3列の点を打つ。気持ちが穏やかな時ほど、きれいな筆使いで整列された点になる。はたして、イメージしているものがあるのか、それとも動きを楽しんでいるのか。一体全体、何を感じて描いているのかは、彼にしか分からない。自室の壁紙は四方八方どこを見ても自身が描いたロゴやアニメキャラクターで埋め尽くされている。





▲「タイトル不明」


<STAFF>
プランナー:大門倫子(ヘラルボニー)
プロジェクトディレクター:吹田奈穂子(ヘラルボニー)
ビジネスプロデューサー:室雅子(ヘラルボニー)
アートディレクション:古谷萌(Study and Design)
デザイン:中貴紀(blink8design)

【株式会社ヘラルボニー概要】
「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー。障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築。自社ブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開しています。2024年9月より海外初の子会社としてフランス・パリに「HERALBONY EUROPE」を設立。


会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38(本社)、〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目5−16 銀冨ビル3F受付(東京拠点)
代表者:松田 崇弥、松田 文登

コーポレートサイト:https://www.heralbony.jp
オンラインストア:https://store.heralbony.jp/


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