8月1日(土)より、桜庭ななみ主演のフジテレビ系オトナの土ドラ『13(サーティーン)』がスタートする。本作は、13歳で誘拐され、13年間行方不明になっていた主人公・相川百合亜(桜庭)が、突如家族のもとに帰ってきたことで第二の事件が発生するクライムサスペンスだ。
イギリスで大ヒットしたBBCドラマ『サーティーン/13 誘拐事件ファイル』を原作に、浅野妙子が脚本を執筆。サスペンス要素はそのままに、揺れ動く家族の行方も丁寧に描写する。
百合亜の13年間を奪った凶悪犯で、物語のカギを握る黒川一樹を演じるのは、オリエンタルラジオの藤森慎吾。明るくさわやかな自身のイメージを覆す初の犯人役に挑む藤森に、撮影中のエピソードや役柄への思い、素顔がのぞく近況などを聞いた。
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<藤森慎吾 インタビュー>
――今回、ご自身初となる犯人役を引き受けた理由を教えてください。
黒川はすごく悪い奴なので、人物自体に魅力があるとは言えないのですが、役としてはとても面白いなと思いまして。
“凶悪な犯人”というやったことのない役に興味があったのと、僕は普段チャラ男を演じているので(笑)、それとは違う方向に振り切った役をやれるということで、ぜひとも!やらせていただきたいと。考える時間とか一切なしの、即答でした。
――実際に演じてみていかがでしたか?
すごく興味深い反面、僕自身、犯罪を犯したことは今のところないので(笑)、最初はどう役をつくっていくかがイメージできなくて悩んでいたんです。
でも監督が、「あまり犯人役とか気持ち悪い役とか意識せずに、素の成人男性が一人の女性を好きな姿勢を貫いてくれればいいです」と言ってくださって。それでとてもやりやすくなって、スッと役に入れた気がします。
――物語のキーマンを演じることへのプレッシャーはありましたか?
犯人って、ある意味その作品の良し悪しを印象付けるポジションだと思うので、僕がコケたら作品の魅力が半減しちゃうんじゃないか、という勝手な気負いはありましたね。
もちろん、主演の桜庭ななみさんはじめ、そうそうたる役者さんがいらっしゃるので大丈夫なんですが、やはり見てくれる人が犯人に対して憎しみを持ったり、コイツ嫌いだな~っていう感情が集中したりしないと、面白さは倍増していかないと思うので。とにかく見てる人に嫌悪感や苛立ちを覚えてもらえるように心がけました。
――百合亜役の桜庭さんとの共演はいかがでしたか?
共演シーンが多く、一緒にいる時間も長かったわりに、お芝居の話はほとんどしなかったです。なんとか仲良くなる糸口を見つけたくて、僕はいろいろ話しかけるんですけど、最初はなかなかチャラ男も苦戦する“つわもの”でね…(笑)。
でも、桜庭さんは家で過ごすことが好きだと聞いて、「そこだ!」と思って、家でできるエンタメについて深堀りするうちに心開いてくれて。最後はお友達みたいな感じでゲラゲラ笑いながら話していました。
――桜庭さんは監督から、「犯人とはあまり仲良くならないでね」とアドバイスされていたのに、藤森さんがあまりに面白く、結局、楽しく話してしまったそうです。
でも、お芝居に戻ると途端に“犯人と被害者”という関係になったので、さすがだなぁと思いました。
――百合亜は黒川によって13年を奪われましたが、「藤森さんがもっとも奪われたくない」と思うものは何ですか?
え~、なんでしょう…約半年前に飼い始めた愛犬のマルプー(マルチーズ×トイプードルのハーフ犬)ですね。シャイくんっていうんですけど、もう溺愛しちゃって、誰にも奪われたくない!です(笑)。
シャイくんがきてから、僕は家に帰るのががぜん早くなっちゃって、外泊もしないし、地方ロケも極力日帰りにしてもらったりとか。毎年恒例だったお正月のハワイ旅行も行かなくなったし、もう宝物ですね。
――シャイくんを溺愛する気持ちを、黒川が百合亜を想う気持ちに生かされたりは?
あ~それに近い感情はあるかもしれないです。もしかしたら僕だけがすごく彼を愛していて、犬からしたらものすごい迷惑なことをしているかもしれない(笑)。でも、もう~可愛くてしょうがないです。
――藤森さんにとって、役者業とはどんなものですか? 演じることへの思いを教えてください。
僕は小さい頃から木村拓哉さんのドラマを全部見てきたり、同世代だと小栗旬くんの活躍をずっと見てきたりして、役者さんに対するミーハー的な憧れがあって。だからまず、役者さんとこうしてお仕事できることに大きな喜びを感じるんです。
それに、お芝居の現場では、普段バラエティで演じるものとまったく違うものを求められることが多くて。そんな大層な思いはないんですけども、仕事という意味では、自分のまた違う一面を表現できるのがすごく“健康的”な気がしています。あ~こういうこともできるんだ、やらせてもらえるんだ、という楽しさはとても感じています。
――お芝居の現場で活躍する芸人さんで気になる人はいますか?
僕はアンジャッシュ・児嶋(一哉)さんのお芝居がとても好きなんです。児島さんはバラエティではいじられ役やキレたりする役が多いんですが、お芝居ではまったく違う顔を見せてくれて。ライバルなんていうのはおこがましい、尊敬する大好きな先輩です。
――ちなみに、元TBSアナウンサーのあの方が、最近ドラマで悪役を演じ話題になりましたが、ライバル心はありますか?
ライバル?とんでもない!僕とは比べものにならないくらい大活躍されていますから。ドラマも拝見しましたけど、面白いし、すごい存在感でした。いろんな才能があって、素晴らしいなと思っています。
――普段はチャラ男を演じているとのことですが、素顔の藤森さんはどんな方ですか?
地味ですよ~ホントに。僕は長野出身で森が大好きなので、それで生活が立ちゆくなら、いつでも田舎に帰って畑を耕しながら暮らしたいと思っているタイプ。最終的には長野に帰って、森と川のそばで田舎暮らしをしたいです。
それと、毎日でも通いたいぐらいサウナが大好きです(笑)。
――体作りにも力を入れていらっしゃいますよね。
ぼちぼちジムにも通い始めました。最近は、30代後半に突入して、男の美容にも力を入れています。お肌のお手入れはもちろん、5年10年先を見据えて髪も毛根からケア。ムダ毛もだいたい処理してます。
美容を意識し始めたのも、今や美のカリスマでもある昔の彼女の影響が大きいかもしれないですね。お付き合いしていた頃に意識が芽生え始めて、いざ自分が年齢を感じるようになったとき、化粧水をつけてみたら、毎日お手入れするとこんなに違うんだ!と。違いがわかるようになると、男の美容も楽しいです(笑)。
――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
このお話は衝撃的な要素も多く、あまり“面白い”と言うと語弊がある内容ではあるんですけども、エンタテイメントとしてはとても面白い作品です。
そして黒川は、僕がこれまで演じてきた役柄史上もっとも悪い奴。撮影中も非常にやりがいを感じていましたし、すごく面白くなっていると思いま
す。衝撃のストーリーを楽しんでいただくと同時に、これを見て、やっぱり悪いことはしちゃダメなんだぞ、という気持ちになってもらえたらいいな、という思いも込めております。どうぞ楽しんでご覧ください!
取材・文:浜野雪江