全国約3000万人(推定。僕調べ)の勇吾(藤ヶ谷太輔)ファンの皆様、お待たせしました!

第3話、勇吾のツンデレ大炸裂です!!

英里(倉科カナ)が隠す“手紙の中身”をどう聞き出すか、皆川(高橋克典)が勇吾に尋ねる。

勇吾「奪い取ってでも、確認すればいい!!」

って言ってたくせにその数秒後、

勇吾「もし英里を傷つけたら…俺はあんたを絶対に許さない!!!」

どないやねん!!!

“ツン”と“デレ”の間隔があまりにマッハだし、落差つきまくりだったので、おっさんの僕でもちょっとときめいてしまいました(少し笑っちゃったけど)。

だけど、Season1を見てない人にはこの“ツン”部分にイマイチ物足りなさを感じるかもしれません。ですので、Season1で起こった、僕史上最高、超衝撃の“ツン”エピソードを改めて振り返ってみましょう。

――Season1最終回、クライマックス

逃亡する勇吾を追いかける英里。

波止場で勇吾にしがみつき「行かないでー!」と叫ぶ英里。

勇吾にその辺のロープで縛りつけられ、身動き取れなくされる英里。

勇吾が逃亡を図った船が大爆発、それを目の当たりにし号泣する英里。

ここのエピソード、やっぱり僕のお気に入り!!

「行かないでー!」ってしがみついてまで叫んでいるのに、“その辺のロープ”で、“縛って”、愛した男が“大爆発”って、生々しさとスペクタクルの規模感が他の追随を許さない“ツン”具合。

なので、このスペクタクル“ツン”を経ての「英里を傷つけたら絶対に許さない!!!」を聞くと、さらに深みが増すに違いありません。そしてキュン度も最高潮に達するので、FODでSeason1の視聴が出来ず、簡単に振り返れない事だけが大いに悔やまれるのですが、このSeason1最終回の“ツン”場面を是非頭の片隅に入れつつ、第3話を迎えることをお薦めいたします。そして、その“ツン”は、今回の“デレ”セリフだけに繋がっているわけではないんです。ようやく英里が勇吾と再会します!

重要なので何度も繰り返します。縄に縛り付けられ、船に乗り、逃亡し、大爆発し、どう考えたって死んだとしか思ってなかった勇吾と、ようやく再会するです!!

またその再会の仕方、勇吾が英里に姿を現すその瞬間が、もう勇吾過ぎてしびれます。英里に気付いてと言わんばかりに、あまりに無防備に、いつもの感じで、パーカーのフード、被ってるんですよー!!そういうあからさまな勇吾っぷりに、英里は対圭吾(藤ヶ谷太輔/2役)と比較して母性本能がくすぐられてるんだと思う!!…なんて、おっさんの僕なのに、ゾクゾクしてしまいました。

そして勇吾と対面した瞬間、感激のリアクション、からの、隠し持つ手紙の情報開示を速攻拒否!、したと思ったら、結局やっぱり教えちゃうという一連の英里の動きには、普通だったらなんで一回拒否った!ってツッコんじゃうとこなんだけど、さっきまでの勇吾の“ツン”を僕らは痛いほど体感させられてるから、うんうん、英里、教えちゃうよねー!!ってなるんですよ。この辺の英里の機微描写、やっぱり最高ですね。

ついつい勇吾と英里のツンデレに大盛り上がりしてしまいましたが、今回はもう一つ、Season1に関連した人物が登場します。それは石黒賢さんが演じる久能です。

この久能再登場のシーンは、石黒さんが漂わせる緊張感と、何かしでかしたに違いない雰囲気がぷんぷん醸し出ているのでSeason1を見ていない方でも、ただならない場面というのはちゃんと伝わる演出にはなっているんです。だけどこの久能って男がまた複雑なんですよ。

久能は圭吾がいる捜査一課の元捜査一課長でありながら、実は勇吾の誘拐事件の首謀者で、動機は20年前に娘が難病を患っておりその手術費用を捻出するためで、しかもその娘はそんな父の背景を知らず背中を追うように刑事になった…というとんでもない十字架を背負った男なのです。だからこそ、今回再び対面することになった時、久能が圭吾に放った第一声「会いに来るとは、思っていなかったよ…」というセリフにとてつもない重苦しさが纏(まと)うのです。なので是非、この久能と言う男も、頭の片隅に入れてご鑑賞下さい。

で、なんやかんや言いましたが、今回のキーパーソンはそう!前回ラストで衝撃だった、キャプテン…じゃない(ご存じない方は『隕石家族』をチェック!)、匠さん…じゃない(ご存じない方は『アライブ がん専門医のカルテ』をチェック!)、最近、ことあるごとにインパクト満載、琴線に触れるキャラクターで登場する中村俊介さん演じる小早川尚史ですよ。

もう中村俊介さんが演じるんだから、そりゃあ何かあるに違いありません。今回は圭吾が隙を見て尚史の部屋に侵入したことを、“あること”で気付くんですが、その描写がまあ気持ち悪い!(すごく良い意味でですよ!?)普通だったら、なわけあるかよ!ってなくらいの些細な“あること”なんだけど、それを中村俊介さんが動きとして見せるとなんという説得力!さもありなんと思えてしまう不思議。あまりの気持ち悪さに、鳥肌立っちゃったよ。そしてそれをダメ押しするかのようにラスト、その“あること”を報告する几帳面さ、その文言が、まあ気持ち悪い!(これもほんとにいい意味なんですよ!?)

だけどその気持ち悪さなんですが、尚史の企みや悪によって滲み出たものではなく、家族のため、自分自身のためにやっていたこと、それが思わぬ方向に導かれてしまった、運命の歯車が狂ってしまった…とわかる終盤のディテールによって、“気味の悪さ”に変わります。

そんな、全貌が見えたようで見えない、何がどうなっているのかわかったようでわからない、ゾッとする気味の悪さを残して来週、最終回となるんです。

最終回、僕的にはやっぱり英里。少し、ほんの少し、英里のハッピーエンドにワンチャンあるんじゃないか?という一筋の希望が見えてきたので、そこの希望パートを全力で願いつつ次回を待ちたいと思います。

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)