この最終回をネタバレなしでどう書けというのでしょう!!

特に、

勇吾(藤ヶ谷太輔)の最後の顔(※1)とか…

勇吾の最後のあれ(※2)とか…

勇吾の最後のセリフ(※3)とか…

っということで以下、※1~3をネタバレしないよう全力で注意しながら、オブラートに包みまくりながら、見所を紹介していきたいと思います。

※1:勇吾の最後の顔

勇吾のラスト、もうホントに悲惨です。

ある意味、前シーズンの船に乗って逃亡、その後大爆破よりも悲惨。それでなくても勇吾は、幼い頃に誘拐される、しかも双子の兄である自分だけ、怖くて助けられなかった弟を恨む、20年間の行方不明、捜査打ち切り、誘拐犯への復讐心、成長し復讐を次々遂げる、恨んだ弟へ自分の女を送り込み罠にかけ…って、こんだけのドラマを背負わせてるのに、その結末がもう、とてつもなく悲惨。いくら殺人犯といえども…。なんだけど、勇吾が最終回中盤、“あるもの”を守り抜いた結果、とんでもない悲惨展開!!ひどい!!制作陣、鬼!!って、激オコで迎えたCM明け…、数秒後に映る“勇吾の最後の顔”を見ると…なぜか救われた気持ちになるのです。そのシーンの勇吾、藤ヶ谷くんがみせるその表情、乞うご期待です。

※2:勇吾の最後のあれ

全ての謎が解け、最終回あるあるの大団円!的な雰囲気になりかけた終盤。もう一個ドラマが用意されています。その一つ、それはほんの些細な、エピソードの一端なんだけど、琴線に触れてくるとってもいいシーンに仕上がっています。そしてそれは前回、勇吾の超スペクタクル“ツン”を見せつけられたお返しのようで、最後の最後、とてつもなく甘~い“デレ”を繰り出してくるのです。その“デレ”に対して、果たして英里(倉科カナ)はどんな表情を見せるのか?きっと英里と同じように多幸感に包まれること間違いなしです。

では“勇吾の最後のあれ”、一体何なのか?ヒントは勇吾が病的にスティックシュガーをぶっかけてた…“あれ”です。最後の最後に、そんな些細なエピソードにまでオチをつけてくれる制作陣にありがとう!という気持ちになります。

ほんの30分前まで鬼!って言ってたくせにね。

※3:勇吾の最後のセリフ

とはいえ、勇吾があまりにも悲惨だったもんで、勇吾って一体何だったんだろう…って気持ちが拭いきれなかったんですよ。ラスト3分前までは…。

だけどマジで最後の最後、“勇吾の最後のセリフ”と、それに対する圭吾の反応によってひっくり返してきます。それはまさしく『ミラー・ツインズ』というタイトルの意味通りで、圭吾も勇吾も対照的だったけれど自分らしく生きて、すれ違ってしまったけれど本当はお互いを分かり合っていた…ってとこでおなじみのラスト「MIRROR・TWINS」という文字が現れます。なんて美しいラスト!

っとここまで、最終回だっていうのに最後の最後まで“勇吾祭り”と化してるようですが、とんでもない!そこは意地の圭吾。最終回、全力スパートで猛烈に追い上げてきます。

しかも、その追い上げ方が実に圭吾っぽくていいんです。勇吾の“悲惨”があった直後、圭吾も勇吾のように復讐に狂ってしまうのか?闇落ちしてしまうのか?ってすっごくハラハラしてしまうんだけど、そこはちゃんとしてる、我らが信頼の圭吾。品があって、真面目で、正義漢の圭吾…むしろその三要素によって対・勇吾比で株を下げてきた圭吾なのに(個人的見解)、最終回はその圭吾らしさによって、これまでもつれにもつれ、こじれにこじれていた問題の数々が収まっていくのです。その時の圭吾は、対・勇吾比で見ても、きっとパーカー勇吾派キュンキュンだった視聴者でさえも、圭吾に傾いちゃう程のカッコ良さになってます。またそれは、前作『犯罪症候群』からも続いているように“復讐”からは何も生まれないことを描いているんですよね。いつだって「オトナの土ドラ」筋が通ってる!!

そして肝心の個人的注目ポイント“英里問題”。果たしてハッピーエンドを迎えるのか?

今よくよく振り返って、事象だけ集めてみると、決してハッピーエンドではないし、むしろ勇吾ばりに悲惨…ではあるんだけど、英里はこれからきっと幸せになるんだろうな…と想像させる余韻を残してくれます。しかも決して無理矢理な幸せの結末ではなく、これまでに丁寧に描いてきた家族…英里がこれまで知ることの出来なかった家族の存在によって、幸せがもたらされるのです。また本当の父・尚太朗(古谷一行)も、英里がいたからこそ、ある“けじめ”をつけてみせるのです。

またそれに関連して、高橋克典さん演じる刑事で圭吾らの実父の結末、振り返って、佐戸井けん太さんが演じた育ての父・栄一の覚悟、石黒賢さんが演じた父の罪…それぞれの“父”をミラーのように対比してみると、さらに深みが増してくる構造にもなっています。じゃあ中村俊介さん演じる尚史は…?最後までらしさ全開で、なんだかかわいそうにもなってくるけど、それこそが味!そちらもお見逃しなく。

さて最後に、このドラマ、多分、 Season3いけると思うんですよね。だって Season1から Season2への繋げ方が、実は父・栄一の事故死が殺人だったとか、船大爆破なのに実は生きてたとか、そういうのでも十分“あり”として楽しませてくれたんだから。さすがに今回の結末からの続きは無理でも、勇吾と英里の幼少期、孤独な二人がいかにして生き延びて来たのか?その辺サバイバルドラマ、エピソード0としていけると思うんですよねー。どうでしょう?東海テレビ×WOWOWさん!?

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)