いよいよ7月28日(火)からスタートする、玉木宏主演フジテレビ系『竜の道 二つの顔の復讐者』。
玉木演じる双子の兄・竜一と、高橋一生演じる弟・竜二が、養父母を自殺に追いやった運送会社社長に復讐を繰り広げるサスペンス。
白川道の未完の小説「竜の道」に、オリジナル要素を加え映像化したドラマで、兄弟の復讐のターゲットとなる「キリシマ急便」社長・霧島源平を演じるのが遠藤憲一だ。
霧島は、広島の小さな運送会社を一代で大企業に育て上げたワンマン社長。過去に、竜一と竜二の養父母が営む運送会社を悪質な手段で乗っ取り、両親を自殺に追い込むが、本人は覚えてさえいない、という心無い人物だ。
最近は、コミカルや実直な役柄を演じることも多いなか、久しぶりの悪役を演じる遠藤に、役どころや、玉木と高橋との共演、自粛期間の暮らしぶりについても聞いた。
<遠藤憲一インタビュー>
悪役だけど創作意欲に駆られる役柄
──久しぶりの悪役ですが、霧島源平はどんな人物としてとらえていますか?
悪役というと、犯罪に手を染めるイメージだけど、霧島は自分の運送会社を日本一にしたいという野心で、犯罪ギリギリのところで突っ走る仕事人間。その分、犠牲者がいっぱいいて恨まれているんです。
突飛すぎない悪役だし、社会派としての部分もあるので、創作意欲に駆られる役柄。監督からの要求もレベルが高くて「野望だけでなく葛藤や空虚な心情を無言のなかで表現してほしい」と言われるので、難しいけど楽しいですよ。
自分に眠っているものが、現場でどこまで出てくるか。そういうチャレンジができる役柄は、勉強になるし、有意義な時間を過ごしています。
──そういう悪役を演じる上で、今回特に意識していることはありますか?
“笑顔”です。この役柄をいただいた時に、真っ先に浮かんできたのが笑顔。商売人として、笑顔をうまく使いながら、腹の中では何を考えているかわからない。そんな笑いの怖さが出ているといいなと思います。
家族でいる時は、また違っているんですよね。家族はバラバラで、すごく屈折した愛情表現だから、視聴者の方には最初は理解してもらえないと思う。それが徐々にわかってもらえるところまで出せればいいなと思っています。
玉木くんは男気がある人。一生くんといいコンビ
──竜一と竜二の復讐のターゲットとなる霧島ですが、お二人との共演はいかがですか?
一生くんとは何度も共演していますが、玉木くんとはほぼ初めて。僕は、いつか指揮者をやってみたいという夢があるので、『のだめカンタービレ』を見て「いいな」と思っていました。
でも、実際に共演したら、玉木くんは想像以上に男気がある人。武道もやっているらしく、今作のようなハードボイルドな役柄は、ハマっていますよ。一生くんも凜とした空気感を持っているので、いいコンビだと思います。
女性ファンがたくさんいる二人に囲まれて悪を演じるのは、やりがいがあるけど憎まれるでしょうね(笑)。
──憎まれた方が、役としては成功ですよね。
そうそう。憎まれる役は、これまでもいっぱいやってきているから。
でも、最近は子供たちが声をかけてきてくれるようになってきていたので、また元に戻りそう。まあ、それは仕方ないかな(笑)。
自粛中に大きく変化したことは…
──ところで、ドラマの収録が2ヵ月も中断したのは、長いキャリアの中でも初めてだと思います。どのように役柄を維持していましたか?
ホント、こういうことは初めてでしたね。でも、自粛期間に台本がどんどん上がってきていたので、1日1回は台本に触れるようにしていました。
でも、思い切り気分を変えようと思って、初めてオンラインの配信動画サービスで海外ドラマを見ました。それまでは、あまり映画とかドラマは見ないようにしていたんです。どうしても“仕事”として見てしまって、「このシーンは大変だっただろうな」とか「ここはよくできているな」とか、そんなことばかり気になって全然物語の中に入っていかれないし、くたびれてしまうから。
それが、自粛期間中にすごくたくさん見たら、日本のドラマも平気になっちゃった(笑)。今は、収録が再開して時間がないので見ていないけど、ドラマの収録に入っているときにドラマが見られるようになった。これは、すごく変わったところですね。
──他に何か始めたことはありますか?
女房が毎日食事を作ってくれていたので、大変だなと思って、自分でも野菜を切ったりするようになりました。ご飯も炊けるようになったし、洗い物もすごくやるようになりました。
独身の時は、小さな釜をもらって、炊き方を覚えて自炊したこともあったけど、結婚してからはいっさいやらなかったので、今回教えてもらって。
自粛が解けた今でも、たまに炊きます。すっごい丁寧に炊きますよ(笑)。お水もきっちり計って。雑なところは雑なのに、やたら几帳面なところは几帳面なんですよね。
ノンストレスの自粛生活。その理由は?
──お顔がちょっとふっくらされましたか?
酒もたばこも辞めたので、多少太ったかもしれないですね。
酒を辞めて2年7ヵ月経ちました。ただ、僕の場合、酒を辞めた時からもう自粛同然(笑)。2年7ヵ月自粛しているようなものだから、コロナでの自粛生活は、まったくストレスにはならなかったですね。だって、自粛が解けても飲みに行けないし、何も変わらない。仕事があるかないかだけで。
──では、最後にドラマの見どころやメッセージをお願いします。
このドラマをサスペンスとして見るのも楽しいし、家族の人間ドラマもあるし、双子の兄弟がどうやって復讐していくのかを底辺に、社会派ドラマや企業ドラマもあるので、見どころ満載の作品です。
コロナの影響で、初回は2時間ガッツリ見られる状態からスタートします。見たらハマること間違いなしです。ぜひご期待ください。