11月2日(火)、映画「彼女が好きなものは」の完成披露上映会が行われ、主演の神尾楓珠と、山田杏奈、草野翔吾監督が登壇した。

世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する安藤純を演じた神尾は、「センシティブな題材なので、それを背負っての主演は怖かったけれど、製作陣みんなのまっすぐな思いを感じて演じたいと引き受けました」と説明。

「自分の知らない世界の話なので、最初は戸惑いましたが、悩みなど自分の身近なことに置き換えれば、誰しもが持っている感情だと思いました。そこから昇華させて“ゲイ”というテーマに向き合っていきました」と思いを明かした。

純に恋をする女子高校生の三浦紗枝役の山田は、「まっすぐな女の子ではあるけれど、BL好きであることを周囲に言えないという悩みを抱えている役です。『純がゲイであるということをまっすぐ受け止めて、紗枝はどうなるのだろうか?』と、そんな(難しい)思いを抱く役を、私が表現できるんだと思うと、うれしかったです」と抜擢を喜んだ。

草野監督は「原作を読んだときに、今まで生きてきた中で身近にあったはずの話なのに、自分には見えていなかったものや言いづらかった本音が赤裸々に描かれているなと思いました」と、本を読んで涙したことを明かした。「その反面、自分にこの話を背負うことができるのかと悩んだけれど、製作陣の熱意を見たことで、いい映画が作れると思った」と心境を口にした。

本作が、3度目の共演となる神尾と山田

神尾と山田は、本作で3度目の共演。神尾は「最初は、僕がこの仕事を始めたばかりの頃に出会って、山田さんのお芝居を見て『こんな中学生がいるんだ!』と衝撃を受けました」と振り返り、「初共演の頃は、足を引っ張ってばかりで…。この場を借りてスミマセン」と謝罪した。

一方の山田は「楓珠君は年上だけど、フランクに接しても許してくれる。『スン』として見えるけれど、面白い部分がある。ガッツリとした芝居は今回が初めてですが、楓珠君が純でいてくれたから私も紗枝でいることができたので、いい時間でした」と感謝。

山田杏奈がひそかな楽しみを明かす

またイベントでは、映画の内容にちなんで「実は好きなもの」についての質問が。「恋バナ」と明かした神尾は、「学生時代は嫌いだったけれど、大人になると『めちゃくちゃ楽しいじゃないか!』と思った。恋バナを聞くだけで楽しくなる」とにやり。

「最近も、『恋愛できない』という友達に対して、何の根拠もないのにアドバイスをしました(笑)。僕は冷めてると思われがちですが、変にアドバイスとかしちゃいます」と笑顔で語った。

山田は「知育菓子」と挙げて「“ねるねるねるね”とか好きで、家で一人やっています(笑)。最近の知育菓子は、ハンバーグ味のハンバーグが作れたりして楽しい。でも恥ずかしいので一人でやっています」と、ひそかな楽しみを明かしていた。

「幼く見られる」という山田が主張したいこととは?

また、自身のパブリックイメージについて「真顔でいると“つまらなそう”と言われる」という神尾は、「心の中では楽しんでいるけれど、感情が表に出ないタイプなんです」と自己分析。

現在二十歳の山田は、「幼い顔立ちと高校生役が多いことからか、私はブラックコーヒーを飲むと驚かれる。『もう子どもじゃないんだから、コーヒーくらいは飲める』と言いたいです!」と主張し、笑わせた。

映画「彼女が好きなものは」は、12月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
配給:バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース
©️2021「彼女が好きなものは」製作委員会

最新情報は、映画「彼女が好きなものは」公式サイトまで。