大晦日の衝撃の敗退から8ヵ月。最強の“弟”は、まるで生まれ変わったかのような強さを見せつけ、会場のファンたちを感動の渦に巻き込んだ。しかし、当の本人は「一安心」「負けたら本当に終わり、と思っていた」と意外な心の内を明かしていた。

8月10日(月)、横浜・ぴあアリーナMMにて行われた「RIZIN.23」。そのメインの試合は、第3代RIZINバンタム級王者の座をかけた、朝倉海選手vs扇久保博正の試合だった。

試合は、すぐに海選手ペースに。海選手がヒザを放つと、扇久保はそれをつかまえようとする。しかし海選手はそれをさせず足を引く。その後、ボディフックから攻撃しつつ、跳びヒザを放ち、扇久保選手をコーナーに追い込む。

そして、さらに右アッパーから跳びヒザを入れると、扇久保選手が倒れ、そのままパウンドやサッカーボールキックなどで攻め込み、レフェリーがここでストップをかけた。

ベルトを手にした海選手は「大晦日は本当に悔しくて、必死に練習してきました。しっかり準備をしてきたので、やってきたことは間違っていなかった」と力強く語った。

あの完全無欠だった王者・堀口恭司選手をわずか68秒でマットに沈め大きな話題となった朝倉海選手。2019年の大晦日は、その堀口選手とバンタム級タイトルマッチが決まっていたが、堀口選手のケガによりベルトを返上したことで、アンゴラのマネル・ケイプ選手と闘うことに。多くの人が海選手の勝利を信じていたが、まさかの2RでTKO負けを喫した。

その悔しさを経験した後、ようやく手にした勝利。試合後の記者会見では、ほっとしたいつもの海選手の笑顔が戻っていた。

次に指名したいのは堀口選手「お互い万全の状態で闘いたい」

——試合後の率直な感想は?

本当に素直に嬉しいです。今回は負けたら“終わり”と思っていたので、一安心です。

——未来選手からアドバイスは?試合中は声は聞こえましたか?

直前でもアドバイスをくれて、兄貴の言う言葉通りに動きました。 セコンドの声は聞こえていて、その通りに動いていました。

——バンタム級チャンピオンとして指名したい挑戦者は?

堀口選手です。皆が一番望んでいると思うし、でもお互いが万全の状態で闘えるようになってからやりたいですね。年末に闘えたらいいですね。

——「負けたら終わり」とコメントしていましたが、「終わり」というのは具体的には

本当に「最後になるのかな」というその位の気持ちでした。

「試合を見つめ直し、ビールを飲みたい!(笑)」

——今日勝利を収めたということで、帰って一番に何をしたいですか?

今回の試合を見直して、良かったところと悪かったところを見つめなおしたいです。あとは、お酒を飲みたいですね、ビールですね、帰って思いっきり飲みたいです(笑)。