<コラム>『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』第5話

オープニングの、ファーストカットから大興奮!!

 “1枚の10円玉”ドアップ!!からの、“右”技師長(遠藤憲一)!“左”技師長!!からの、10円玉が落下するあの映し方!!パンにカップラーメンにトイレットペーパーに…という小道具連続カット!!続いて、院長・灰島(髙嶋政宏)の顔面ドアップ!!でもって、そっから、タダ事じゃない感出して緊迫感誘う田中福男(八嶋智人)に、こっちもタダ事じゃない感ある雰囲気で院長から呼び出しくらう鏑木副院長(浅野和之)に、その二人と対比するかのように、ノンキに落っことした10円玉を必死に手繰り寄せる技師長…という、THE緊張と緩和!!あぁ、これは、まさに、僕の大好きな『HERO』(第1期)、第1話冒頭の、あの、 “強制捜査”と“主人公の引っ越し風景”を彷彿とさせるTHE緊張と緩和!!何より、映像が美しいシンメトリー(左右対称)!!まさに、伝説の、『HERO』第1話、オープニングやないですかぁぁーーー!!!!!しかも、それを演出するのは、『HERO』や『ラジハ』のメイン演出、鈴木雅之監督じゃなくって、『ラジハⅡ』が連ドラ初レギュラー演出(だよね?)の水戸(祐介)監督やないですかーーー!!僕の、大好きな、“あの感じ”、継承されてるやないですかぁぁーーー!!!ああもう、大興奮!!!

…って、大変申し訳ございません。またしても私的で、ピンポイントすぎる部分に大興奮してしましました。とどのつまり、水戸監督、最高だったぜ!ってことです。

で、その、大興奮のオープニングのオチがまた、“冷蔵庫が壊れた”だったもんで、ズッコケにもほどがありましたが、いくらシーズンⅠからナレーションしてるとはいえ、いくら今シーズンからレギュラーとは思えないほど馴染んでるとはいえ、ポッと出の田中福男が(ポッと出言うな)、誰よりも“冷蔵庫が壊れた”に対して憤っていることに、ちょっとイラっとしたのとともに、たかが“冷蔵庫が壊れた”くらいで、あそこまで絶望な演技ができる八嶋智人さん、おかしすぎ…。で、そこに、田中福男とキャラ被ってる軒下演じる浜野謙太さんの、冷蔵庫の心臓マッサージな!冷蔵庫に“心マ”って、いったいどういう状況なのか、どういうト書きなのか、どういう演出なのか、意味不明すぎるんだけど、そんな意味不明すぎる場面だってのに、ちゃんと笑えるシーンに仕上げちゃう浜野謙太さんもプロフェッショナル過ぎる。でもって、ラジハ史上最高にダサいはずなのに(だって”温泉旅行”賭けたくじ引きだし)、服部隆之先生のサントラさえかけちゃえば何でもスタイリッシュになってしまう、そのコントラストが見事なタイトルの入りも最高でした!!あっぱれ!水戸監督!!!(結局)

だけど、今回の本題はそこじゃないのよ(そらそうよ)。前回、五十嵐(窪田正孝)と杏ちゃん(本田翼)が温泉旅行!?って、どういう話やねん!!ってツッコんでたら、まさかの“プレミアム人間ドック”見学というね…。冷蔵庫すら、買ってくれないのに、その見学費用はどこから捻出してるんだろう…とか、なんちゅう絢爛(けんらん)豪華な人間ドック!な割に、急病人が出ても処置を行うのは甘春総合病院のメンバーかつ、周りに“お客様”いるってのに「治療できません!」「ドック優先!」とか偉そうに、「帝光クリニック」怖ぇーよ、あんな病院怖ぇーよっていう、邪念は無きにしも非ずだったけれど、ビジネスのための研修なら“プレゼン”通るのかな?って思ったし、何より温泉街の映像はキレイでポップだったし、「帝光クリニック」の造形があまりにも絢爛豪華すぎて、それがまた “怖さ”を増幅させてくれたし、見た目だけのわかりやすいサービスよりも、伝わりにくいけれど、地道で実直で、誰よりも患者さんを思う、ラジハメンバーの技術の高さでもって、解決しましたとさ…っていう流れには、納得しかなかったわ。わかりやすいけれど、あのくらいわかりやすい方がグッとくるしね。

で、見終わってふと気付いたんだけど、今回のお話、何が凄いかって、“患者エピソード”ゼロだった!!ってことなんすよ。これまで様々なゲストが登場し、その中で様々な症例が登場し、ラジハメンバーがいかに検査し、何を発見し、どう患者さんを救うのか?って、その“患者エピソード”を軸に僕らを楽しませてきた…っていうか、むしろ毎回2~3エピくらい使っちゃう、その惜しげもない感じ、サービス精神こそが『ラジハ』!とすら思ってたのに、今回は、それ、ゼロだったという衝撃よ。

“温泉旅行”という飛び道具的展開は見せたけど、本質はラジハメンバーがいかに優れているのか?ってのをじっくり丁寧に、改めて提示しただけ…だからね。でもって、ラジハメンバーはいかに他の病院と違うのか、どんな工夫を施して“読影”に回してるのか…っての、さりげなく入れつつ、「ああ、だから甘春総合病院のラジハってこんなに人多いんだ…」(ツッコむのタブーだと思ってた)っていう長年の謎も解消しつつ、そら人件費もかかるけど、最高の放射線技師たちが集まってるからこそ、何よりも、“価値”があるんだ!っていう、それだけでちゃんと、ドラマとして面白く見せるエピソードに仕上げるんだからね…。

通常の医療ドラマで、手術シーンがないどころか、特別な患者さんのエピソードもなく、ただただ甘春総合病院の、ラジエーションハウスは素晴らしい!!ってだけで、こんなに楽しい話になっちゃう…。『ラジハ』というドラマの骨格の強さ、改めて感じたわ…。

だけど、まあ、そんなことはいいとして(いいんかい!)辻村先生(鈴木伸之)だよ!!二人の“温泉旅行”に対して、やたら困惑してたけど、それ、辻村先生の、自業自得だかんな!!杏ちゃんに「もう少しだけ考えさせて…」(=脈ナシ確率高し)って言われたにも関わらず、ガッツポーズ!してた、その油断、その報いが、“温泉旅行”に行かれちゃったわけだし、その結果が、今回ラスト…PC画面に映る“五十嵐唯織”って文字だけで“杏ちゃんの目、♡”だかんな!!もう無理よ?女性があのモード入ったら、もう無理よ?辻村先生、無理なんだよ!?いくら頑張っても、そっからの成就、無理なんだよ!?わかってる!??で、そうこうしてたら、何だか、次回、辻村先生にとんでもない事件起こりそう!!だけど、それもこれも、辻村先生の自業自得だかんな!!もう勝手にして!!(辻村先生に厳しすぎ)