2018年より毎年、エンターテインメントのバックステージに長期密着し、好評を得てきた連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』 。そのSeason4がスタートした。

Season4のトップを飾るのは、今年CDデビュー7周年を迎えた関西出身の7人組・ジャニーズWEST。7ヵ月の密着で見せた2年ぶりの有観客でのライブでの姿、7人それぞれの場所で活躍する姿が特集される。

初回、10月29日(金)の放送は、episode1「進化」。

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「今、僕たち買いですよ(笑)」波に乗るジャニーズWEST

ジャニーズWESTは、2014年4月にCDデビュー。7人は、自分たちの道を模索してきた。最年長の中間淳太は「デビューして5年くらいは、凪の中にいた気がする(笑)。世間的にもジャニーズWESTって知られていないし」と語る。

2020年、彼らは東京・大阪の2大ドームツアーをようやくつかみ取った。しかし、コロナ禍で中止に。桐山照史は、「僕らは飛び級をしていない。一歩一歩、なんやったら足踏みをするときもあったくらい。だから…ドームは行きたいな」と、本音を明かした。

そんな彼らは今年、重岡大毅と濵田崇裕がそれぞれドラマに主演、秋にはグループの冠番組『あなたの代わりに見てきます!リア突 WEST』(朝日放送)の全国放送が決定。重岡も「今、僕たち買いですよ(笑)。『あのとき、もっとジャニーズWESTを応援しておけばよかった』ってなる」と胸を張る。

演出担当・藤井流星のこだわり“コロナ禍だからこその演出を”

番組がジャニーズWESTの密着取材を開始したのは今年2月。約2年ぶりとなる全国ツアー「ジャニーズWEST LIVE TOUR 2021 rainboW(レインボー)」の打ち合わせが行われていた。

感染対策のため入場人数が限られ、さらに声援は禁止、メンバーが客席の近くに行く演出はできないなど、以前なら考えられない制約があるものの、ステージの演出を担当する藤井流星を中心に、声を出さずとも楽しめるような演出を考えていく。

コンサートのオープニング映像の撮影の日、桐山に対し「最後に一瞬だけ目を上げて」と指示する藤井。「ジャニーズのライブって、(オープニング映像でメンバーのビジュアルと名前が)ドーンと出るじゃないですか。あれは、『キャー』のタイミングやと思ってるんです。でも、今回は声を出しちゃいけないし、自然な映像にしようと思って、名前ドーンとかは入れていなくて」と、今の状況だからこそのこだわりを語った。

ジャニー喜多川氏へ直談判し舞台出演を勝ち取る行動力

サッカー少年だった藤井は2006年、母の勧めでジャニーズ事務所に入所。なかなかデビューできずにいた18歳の頃、転機が訪れる。

「俺、ぼーっとしてるだけなら辞めたほうがいいな」と思っていたという当時。「辞めるか、日生劇場(※)のメンバーに入るかの二択(だと思っていた)」といい、ジャニー喜多川氏に電話し、「日生に出たい」と直談判。当初ジャニー氏は「もう公式でメンバー発表しちゃったよ。無理だよ」と言っていたものの、数日後、「日生リハ」と書かれたメンバーの中に自分と、小瀧望の名前が追加されていたという。その行動力があり、ジャニーズWESTとして活躍する今の藤井がいるのだ。

※A.B.C-Zの主演舞台『少年たちJail in the Sky』に、重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、濵田崇裕の出演が決まっていた。

当時の話に、SNSには「流星くん、辞めないでくれてありがとう」「その行動力、本当にステキ」というファンのコメントが。また「rainboWはオープニング映像も流星くんのプロデュースだったんだ!」「演出を担当するようになって3年、本当にいろいろ勉強して楽しませてくれていることがうれしい」と、コンサート演出にかける藤井の思いに感激するファンも多く見られた。

音楽にこだわる神山智洋「こんなんできんねんぞって見せたい」

藤井を中心に彼らは今回、コンサートで新たな挑戦をすることになっていた。それは、メンバー全員のソロ曲を盛り込むセットリスト。1人当たりのソロパフォーマンス時間は5分間、7人で35分間と、2時間の公演の約4分の1を占めることになる。藤井は「一人ひとりが5分の持ち場をちゃんと見せきれるグループって、7人でできたらすごいと思う」と熱い思いを口にした。

7人の中で、ソロのパフォーマンスに特に強いこだわりを持っていたのが、グループ楽曲の作詞作曲も手がける神山智洋。音楽への思いは人一倍で、連載を持つ音楽雑誌「MG」の撮影現場には自身の機材を持ち込む姿も見られた。

神山がギターに真剣に向き合うようになったのは、ジャニーズWESTの楽曲「PARTY MANIACS」を聴き、「自分にもこんな曲が作れたら」と思ったことがきっかけ。そんな神山がドラムの自主練習に励んでいた。今回のソロパフォーマンスは、ギター、ベース、ドラムすべてを自ら演奏し、ミックス。1人で5ピースバンドをやるという新しい表現に挑戦するという。「簡単なことをやっていても、面白くないじゃないですか。こんなんできんねんぞって見せたい」と意気込んだ。

小瀧望が語る!Jr.時代の神山智洋は怖かった!?

2004年にジャニーズ事務所に入所した神山。小瀧いわく、ジャニーズJr.時代の彼は今とは正反対の性格だったという。「昔はカドケシくらい尖ってましたよ。(帰る方向で)梅田組と難波組があって、『(叫ぶように)おい、梅田組!行くで!』みたいな。怖い人は好きじゃないので、あまり近づかないようにしてました」と、笑いながら振り返った。

これに対し神山は、「昔はめちゃめちゃ尖ってました。デビュー当時は片鱗があったと思いますよ。俺が先輩やしなんとかしないととか(思って)」と、認めたうえで、「(ジャニーズWESTとして活動する中で)甘えられる人、頼れる人(ができて)、頼ること、甘えることを覚えたから、丸くなることができた」と、変化した要因にメンバーの存在があることを明かした。

神山の過去と現在の変化についてSNSには、「神ちゃんが力を抜けるくらい、メンバーの意識が高まったってことだよね。泣ける」「神ちゃんが丸くなったので、そういうことだったんだ…」「そうやって、お互いへの信頼が高まると、グループとしてより強くなるよね…ジャニーズWESTは今後すごいことになる!」と、感動と今後へ期待するコメントが投稿されていた。

どんな状況でも前向きに「改めて夢を持ち直した」

4月、いよいよ札幌を皮切りに全国ツアーがスタート。公演中は声をあげないというルールが、観客の間で徹底されていたが、ツアー3ヵ所目の名古屋公演中、彼らの元につらい知らせが届く。

地元・大阪での公演が、新型コロナウイルスの感染者急増を受けて中止に。さらに念願の出演を果たすはずだったロックフェス「メトロック」の中止も決定した。

神山は悔しさをにじませながらも「またやります、ジャニーズWESTぜひ出てください、ってなった時にできることをより増やして、またそこにぎゅっと詰め込むというか。改めて夢を持ち直したっていう感じですね」と前向きな気持ちを語った。

次回、11月5日(金)は、気持ちを奮い立たせ新たなステージへ歩き出したジャニーズWEST。それぞれの場所で闘う7人の姿を追う。