2話も全力で怖すぎるんですけど!!??

まさかあの“突き刺さり”を超える全力具合だなんて、誰が想像できました?

第1話、主人公・詩弦(白石聖)のお父さん(横田栄司)が“恐怖新聞”によって予告された…何かが突き刺さる!?何かはわかんないけどとんでもない角度で何かが突き刺さる!?だったら突き刺さりを阻止せねば!ってことで、ホッ…突き刺さり回避できた…って安心してたら、危ない!絶対突き刺さる!!工事の骨組みがーーー!!そっから早く逃げて―――!!!ギャー―!!!やっぱ突き刺さっちゃったーーー!!…でお馴染みの、あの“突き刺さり系”恐怖を今回、余裕で超えてきます。

前回、このドラマが始まる前、数名の方から「『恐怖新聞』って怖いの?どういう感じなの?」っと聞かれたので、ついつい突き刺さる系の怖さ!と吹聴しておりましたがよろしいでしょうか?(誰に)だってあのとんでもない角度で突き刺さったお父さんの姿…脳裏にこびりついて離れないんだもん…トラウマですよ…。しかも、それを知ってか知らずか、いや絶対わかってて、今回の頭であの場面を振り返るんですからね…そりゃ、ハイライトだけどもさ…。っていうトラウマ級の恐怖を、序盤からフルスロットルで更新していくのです。まだ第2話だってのにペース配分知らずの全力具合!

まず、ホラーではお馴染みのシャワーシーンが登場するんだけど、絶対何かあるに違いない映し方、暗い廊下から映す擦りガラスの向こうの詩弦、カメラもちょっと揺れちゃってるし、なんかあるよ…来るよ…って身構えてたら案の定起きてしまう恐怖。そして、え?何これって一瞬考えさせる間を作った直後にもっかいぶっこんでくる恐怖…という堂々たる幕開け。

途中、ロケ地である京都の美しい風景の中で自転車をこぐ詩弦っていうシーンが挿入されて、あ、このドラマ恐怖過ぎて忘れてたけどロケ京都だったね…雰囲気出るよね…なんていう安心は束の間。わざと油断させといた次の瞬間、木陰から“耳にアザ”があるあの引越し業者(猪野学)が飛び出してきて悲鳴上げます。そんな感じの安堵と恐怖の連続ミルフィーユ状態で、見終わった後、汗だくになってるはず。なので、お風呂はドラマ視聴の後がおすすめ!…って、その後シャワー浴びたら…。お風呂入れないじゃん!!

そして今回、メインで描かれるお話はというと、恐怖新聞で予言された“七月五日午後三時”に起こるある出来事を、詩弦と恋人の勇介くん(佐藤大樹)、幼馴染の桃香(片山友希)の3人で阻止せよ!…“悪い未来がわかってるなら変えればいい!”(by勇介くん)というストーリー。これがまた、予言された場所でシミュレーションしたり、武器を持てばいいんじゃない?とかノンキすぎる3人の“阻止リハーサル”が微笑ましくって、こんなんで絶対阻止できるはずがない、ヒヤヒヤしかしない、絶対やらかすに決まってる…って何の期待もできないまま、約束の“午後三時”に起こる“惨事”は、そんなノンキどころの騒ぎじゃない、想像を絶する大スペクタクル展開になっているので、ホントにマジで、乞うご期待!!タイムリミットを利用したドッキドキサスペンスと、大スペクタクル恐怖の融合を楽しむことが出来ます。

で、今回も、“耳にアザ”がある引越し業者が“恐怖新聞”によって生じた衝撃の事実と、悲惨すぎる末路とか、顔も心もイケメンで詩弦にカッコ良過ぎる助言をしたことが結果的に大惨事を引き起こしちゃった勇介くんとか、友達のお父さんが亡くなったっていうのに「おじさんに愛人いたの?」とか浮かれまくりでフワフワした演技が最高な桃香ちゃんとか、どう見たって怪しいはずなのに何とも思ってない詩弦が心配…な、会う時はなぜかベランダの男性・ともを(坂口涼太郎)とか、結構いい線付いた推理で、もしや切れ者なの?だった刑事(駿河太郎)とか、見所満載過ぎるんですが、今回はやっぱりなんと言っても黒木瞳ママ。

前回、ちょっと何かある風を匂わせただけ、片鱗を見せた程度でしたが、今回はお父さんが亡くなってしまった悲しみでちょっと病んでしまってる…っていうのを差し引いでも、尋常じゃない恐ろしさを発揮します。第1話の段階では、声色がすでに恐怖でしたが、今回は、序盤の“シャワーシーン”も相まって、後ろ姿の時に映るママの“髪質”からすでに恐怖を感じます。そして、ママが“カリカリカリ…”って、後ろ姿で“カリカリカリ…”って、なんかやってんですが、それに何の疑問も抱かず、懐かしの思い出アルバムに耽(ふけ)る詩弦の傍らで、ママがしつこく“カリカリカリ…”って、その異変と音にようやく気付いた詩弦が発見した“カリカリカリ…”の正体が超衝撃。恐怖と笑いは紙一重なんですね。あまりの恐怖につい笑ってしまう程の恐ろしさに仕上がってます。

っというわけで、前回の放送を見てから、ことある毎にこのドラマを思い出し、もれなくお父さんの“突き刺さり”も思い出し、気付けば、知らないうちに、完全に、“恐怖新聞”にとりこになって?…る?…いや、とりつかれてしまった僕。怖い…。のはわかってるんだけど、もう来週まで待てないんですけど!?

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)