前回のラストを振り返らないわけにはいかないでしょう!!

――「恐怖新聞」の未来を変えることに成功し、充実感たっぷりの詩弦(白石聖)。

その勢いで勇介(佐藤大樹)に電話…。

詩弦「勇介…、愛してる。」

勇介「ああ。俺もだ…。」

裸の勇介。

すぐそばのベッドで口紅を乱しながら微笑む桃香(片山友希)…。

このシーン…「週末会える?」っていう何気ない会話だったはずなのに突然の「愛してる」だし、それが実家の喫茶店で、しかも客がいる前での堂々っぷりだし、勇介も勇介で傍らに事後の桃香が寝てんのに即答で「ああ」だし、「俺もだ…」の直後、「じゃあ」もなしにすぐ切るとかどういう電話?だし…と、諸々拾っていけば語りつくせないこと山の如しなシーンだったわけですが…。

そんなことよりも、“勇介と桃香、どっちがサイテー!?”論争ですよね?

SNSではそんな論争が密かに繰り広げられていると聞いておりますので、僕の立場をまずはっきりさせておきますね…。

もちろん僕は、いつだって女の子の味方です!!

だって、いくら桃香ちゃんがショートパンツ履きがちの、能天気ハイテンションガールだからって、見た目とキャラだけで悪者扱いしちゃいけないのは当然のこと。それに、目の前で親子が刺し殺され、その犯人自らも首を切って自殺して返り血浴びる…っていうまさに地獄絵図(第2話参照)を目の当たりにしたんだからさ、そら桃香ちゃんだって、誰かに寄り添って欲しくなるさ…勇介くんという男前なら尚更ね!

だから、桃香ちゃんが「彼氏と夜の最中でもあの光景を思い出す…だから別れた」的なことを言ってて、だったら勇介くんの時は思い出さなかったんかい!ってか微笑んどるやないかい!!という桃香ちゃんから見えるあからさまな隙ですら、僕は擁護できちゃうのです。あの第2話はそれぐらいの衝撃だったじゃないですか?

それに引き換え、勇介くんはさ、初回からその兆候がすごかったよね。もうぶっ飛ばしてたもんね。出会って間もない詩弦を速攻で抱き寄せたと思ったら、そっからも間もなく、家に上がってキスまでいっちゃうんだからね。まっしぐらだったよね。あのスピード感半端なかったよね。ひとめぼれとかそういうレベルじゃなかったよね!あいつはね…そういう男ですよ!プロの仕業っすよ!!!

っという感じの、完全なる桃香ちゃん派、勇介くんには妄想込みでマジサイテー!派だった訳ですが、そんな僕でも、第4話の冒頭から早くも、勇介くんのサイテーっぷりが加速するのと共に、桃香ちゃんのイヤな女っぷりがスパークしちゃって、擁護しきれなくなります。

もうその冒頭の、脱力感たっぷりに、プラップラッと階段を降りてくる桃香ちゃんの雰囲気からすでに、イヤな女オーラがあふれ出ちゃってて、そこから畳みかける様に、あからさまに“勇介くんの彼女ヅラ”してくるもんだから、目も当てられなかった…。桃香ちゃんのメンタル、読めなすぎる…。

そんな“詩弦VS勇介VS桃香のラブバトル”は、今回のオチまで含めて見所満載!お見逃しなく!!

で前回、そのラブバトルの幕開けがあまりに衝撃だったもんで、その後に被せてきた更なる衝撃が全然整理できない、理解が追い付かなかった…隣家のベランダのともをくんが、実は“キガタレイ”という人物で、提供バックのサイドテロップに表示されるまでは絶対に気付けない、漢字表記は “鬼形礼”(坂口涼太郎)…その正体は「恐怖新聞」を届けていた張本人!!という事実。そのことをきっかけに、第4話は思いもよらない展開をみせます。

前回までは「“恐怖新聞”の未来を阻止せよ!」を軸に物語は進行してきましたが、今回は「“恐怖新聞”の契約を誰かに移動せよ!」という新展開。

明らかになっている「恐怖新聞を1度受け取る毎に100日寿命が吸い取られる」という恐ろしいルールと、今回新たに判明した「契約を移しても新規契約者が死んだ場合、一つ前の契約者に戻る」というこれまた理不尽な条件も加わったことで、誰に契約を移せば良いのか?詩弦は頭を悩ませることになるのです。だけどそこへ参戦するのは黒木瞳ママ。「若くて長生きしそうな悪党を探すのよ!」と、待ってましたと言わんばかりに、いつものノンキな雰囲気を醸し出すわけですが、そこから転じて繰り出される“ママからのアドバイス”は、ノンキだけでは収まらない、黒木瞳さんだからこそ出せる、何とも言えないとてつもない恐怖感を味わうことができます。

また、まさかここまでのキーパーソンだとは思ってもいなかった、“耳にアザ”がある引越し配達員(猪野学)が再び現れ、なんならその妹(福地桃子)まで登場して、全く想像もしていなかった方向へと物語の舵は切られます。その中で語られた“耳にアザ”がある引越し配達員と“恐怖新聞”の関わり…そして、それを知ったことで、これまでどういう役割なのか掴めなかった刑事(駿河太郎)の思惑が交錯し、「恐怖新聞」は新しいステージへと移っていくのです。

でもって、そんなこんなしてる間に、詩弦が勇介を追い詰め、勇介も詩弦を全力で取り戻しにかかり、桃香ちゃんも暴走しまくり…と、“詩弦VS勇介VS桃香のラブバトル”がとんでもない角度からさらに覆いかぶさってきて、失礼ながらも意外や意外、これまでの“直接的に見せる恐怖”だけでなく、“本当の恐怖”とは何か?ジワジワと問いかけてくる…ディープゾーンへと突入します。

“本当の恐怖”とは…呪いなのか?愛憎なのか?人間の業なのか?…まさかそんな深いところまで追求してくるとはね…。そして、大興奮のスペクタクル恐怖から、寒気がするようなジワジワ恐怖へと変化していくのだね…。

っと思わせといて、次回予告が最高!

桃香ちゃんが爆裂テンションになっちゃうのは期待通りなんだけど、ともを改め鬼形礼もトンデモない体の動きを見せてる!!笑っていいやつ!?どういうこと!?

一体このドラマ、どっち方面へ進んでいくの!?

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)