9月25日(土)23時40分より、伊野尾慧主演、オトナの土ドラ『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』Season1 最終話が放送される。

本作は、完全記憶力を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧)と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉(神宮寺勇太)の凸凹バディによる謎解きミステリー。

『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』の記事はこちら!

第7話「四時四十四分の怪」では、“四時四十四分の呪い”の裏に隠された人間の悪意を暴いた高槻。しかし、尚哉と同じ能力を持ち“孤独の呪い”の秘密を知る県警広報官・遠山の登場により物語は急展開。

再び心の扉を閉じようとする尚哉に、高槻もまた怪異体験者であったことを告白した。二人の絆が試される展開にSNS上では「#高槻先生」「#深町くん」が急増。「胸が締め付けられた」「早く最終回が観たいけどロスが怖い」と最終回に向け、さまざまな思いがつぶやかれている。

最終話では、ついに本物の怪異が登場する。人の嘘がわかる呪いをかけられた祭から8年。尚哉は、高槻と共に再び青い提灯の“死者の祭”に足を踏み入れる。尚哉の“孤独の呪い”は解けるのか――。

最終話のキーパーソンとなる、尚哉と同じ“孤独の呪い”をかけられた遠山役・今井朋彦に話を聞いた。

<今井朋彦 インタビュー>

――今井さん演じる遠山宏孝という役どころについて教えてください。

遠山は、尚哉くんと同じ能力を持つ千葉県警の広報官で、第7話では警察官としては記者クラブの人たちと自分の前任者の不正や癒着を暴こうとしたある意味正義の人です。

ただ、一個人としては尚哉くんの苦しみが理解できる立場。良くも悪くも尚哉くんに影響を与える存在です。登場の仕方としては、非常に不気味で「こいつが悪なんじゃないか」という雰囲気を漂わせ、前半と後半では随分見え方が変わってくる役。光と影を両方感じさせなくてはいけない。

ですが、そこを演じ分けようと考えるよりも、シーンごとにそこに書かれているセリフを大事にしながら演じています。

「こういうキャラクターだから」というよりも、実際撮影に入って尚哉くんや高槻先生を目の前にしたときに、相手の発するものや表情、言葉の強さなど、その場の雰囲気を大事にしながら役として上手く融合することを心がけています。

――尚哉とのシーン、遠山はどんな気持ちなのでしょうか?

遠山自身が、嘘がわかる能力を持ってるが故に体験しなくてはならなかった苦難の連続を、今後、尚哉くんが味わうことはほぼ確定的とわかっているので、警察に誘うのは、ある意味、父親的な感覚なんじゃないかと。

自分の手元にいれば、少しはカバーもサポートもしてあげられますからね。でも、それは自ら呪いの殻に閉じこもる行為でもある。第7話の後半、尚哉くんが遠山に「どうやったら周りの人の嘘に耐えられますか?」と質問してきて、遠山は「完全に耐えられるようにならない」と答えているのですが、決して突き放しているつもりはないんです。遠山の実体験から導いた答えなだけで。

交番時代に能力を使って良いこともあったけど結局、社会の権力構造に潰された側面もあって…だから、あのシーンを演じているときは、過去の苦しみを自分の中で反芻(はんすう)して、理不尽な世の中に対して、もう一度怒りと絶望が湧いてくる感覚の方が強かったですね。

――尚哉を挟み、高槻との対決もありましたが、演じてみていかがでしたか?

現場でのファースト・インプレッション(第一印象)は、お2人とも目が綺麗だということ。「いい俳優さんはみんなそうだ」と言われればそうなんですが(笑)、やっぱり向き合ったときの目の澄み方が印象的でしたね。

私たちの仕事は「初めまして」のその日に、お互いの目を見て芝居をするわけなんですが、そこで力みなく、澄んだ目ですっとその場にいられるのというのは素晴らしく、また、変に肩の力が入っていない姿に、こちらの力も抜いてもらえた気がしましたね。

加えて、お2人とも控え室からものすごくオーラを発しているという印象ではないのですが、いざカメラの前に立つと内側から“ふ~”っとエネルギーが出てくる。

「(エネルギーを)出してやる!」というギラギラした感じではなく、内側から自然と出てくるものが、すごくピュアで信じられる。芝居をしているうちにジワジワと発せられるそのエネルギーに、自然と僕も引き込まれていきましたね。

――本作の「異能を持つ凸凹バディ」にかけて、今井さんの“人より優れた才能”は?

人の名前を覚えること。2年前までの9年間、大学で教員として演技を教えていたので、毎年100人ちょっとの生徒を覚えていましたね、パーフェクトまではいかないですけど。

座学のペーパーテストと違って、実技の成績をつけるには、教室内を動き回る中で、どの子がどういう演技をしたかを見なくちゃならないんですよ。僕は入学時の写真で覚えているので、その後に髪を染めて「全然違うじゃん!」という子や、写真に加工を施して「かっこよくしすぎじゃないか?」って子もいたり(笑)。

鈴木さんや田中さんは、1クラスに数人いるから下の名前で覚えなきゃとか、毎年4月は脳みそフル回転でしたよ!

――それでは最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

第7話での遠山は謎が多く、ベールに包まれているので「こいつは一体どういう目的で、何がしたくて、こういう動きをしているのか」というのを一緒に想像しながら楽しんでもらえたと思います。

最終回では、尚哉にとっての未来の姿として「諦め」を体現する大人としての役割があり、遠山のように生きていくのか、それとも違う道を尚哉が選べるのか、そこをドキドキしながら見守っていただければうれしいです。

遠山自身もほかの人物、特に尚哉との関係性が第7話とは随分変わってくるので、その変化も楽しんでいただければと思います。

第7話「四時四十四分の怪」を見逃した方、もう一度見たい方はFODをチェック!

<最終話あらすじ>

「べっこう飴を選べば、お前は孤独になる」。人の嘘がわかる呪いをかけられた祭から8年。

尚哉 (神宮寺勇太)は、高槻(伊野尾慧)とともに、再び“青い提灯の祭”に足を踏み入れる覚悟を決める。

村ではもう祭は行われていないというが、近隣の女性(ふせえり)や謎の老人(モロ師岡)の言葉はそれが嘘であることを示していた。

一方、瑠衣子(岡田結実)は、知り合いの神主(ベンガル)から「呪いの言葉が死者を呼び起こす」と、不吉な情報を聞き出す。