9月16日(木)、映画「人と仕事」の完成報告トークイベントが行われ、有村架純、志尊淳、メガホンをとった森ガキ侑大監督が登壇した。

本作では、有村、志尊が新型コロナで多大な影響を受けた日本の職場で働く、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる保育士や介護福祉士、農家などの人々や、声なき仕事人たちの現場をレポートする。

当初、有村と志尊で保育士をテーマにした映画の撮影を予定していたが、コロナの影響により中止となり、急遽制作された本作。当時のことを、有村は「どんどん状況が変わっていくので、順応していかなきゃいけないという覚悟はあったんですけど、実際に撮影できなくなったという状況はショックでした」と語った。

続けて、「それをドキュメンタリーにするという話を聞いたときに、自分の中でどう咀嚼して進めて行けるのかなと、不安がありとても悩みました。事務所の方、森ガキさんとたくさん話をしました」と打ち明けた。また、出演に至ったきっかけとして、「志尊さんも一緒に取り組んでくださるということで心強かったですし、森ガキさんも寄り添ってくれる方だったので、自分本意ではなく皆さんに近づける作品になるのかなと話し合いを重ね、『ぜひ一緒に頑張らせてください』という気持ちになりました」と、振り返った。

志尊は「過去にも決まっていた仕事がなくなることはあったんですけど、(今回は)状況が分からない中で、撮れるか分からなかったんです。自分は撮れると思っていたんですが、日に日に状況が悪化して…。たくさんのことを我慢している人が多い中で、『作品を絶やしたくない』という思いがあったんです。何かできないかなと思ったときに、河村(光庸プロデューサー)さんから、ドキュメンタリーの提案があって」と説明。「未知な状況下で不安があった」という志尊だったが「河村さんの熱量がすごくて、自分に出来ることがあるんだったらと、精一杯やらせていただきました」と出演を決意したという。

志尊淳「知ることに意味がある」

劇中ではインタビューに挑戦している2人。MCが実際に取材してみた感想を聞くと、志尊は「僕が主観的に思っていたよりも、遥かに皆さんは深刻な環境の中で苦悩を抱いているので。ひとりひとりが感じられていることは大きいし、知れて良かったなって。知ることに意味があると思って。撮影中も正解が分からなくて、『どうしたらいいんですか』って森ガキさんや河村さんに毎回言ってたんですけど。インタビューを受けていただいた方が、『受けて良かったな』って言ってもらえるように、がんばってたという感じでした」と苦労を明かした。

有村は、「1人の人間として向き合うことができました。表面的な悩みや葛藤の奥底をイチ部分でも知れたことが大きくて。改めて、人と会って話すことができたことを大事にしなきゃいけないなと思って。人の温もりを肌で感じられるのって、実際に会って顔を見ないと分からないことが多いなと感じました」と、気付きがあったことを語った。

撮影で緊張したことについて、志尊は「渋谷にゲリラでインタビューをしたものの、10人くらいに無視されてるんですよ。それが心が痛くて、そういう気持ちになるんだって…。見向きもしないし、『何ですか?』みたいな感じで見られたりもするし、緊急事態中ではなかったんですが、森ガキさんに『メンタルが持たないんで帰りたいです』って言ってましたね」と裏側を告白。

有村は「私はゲリラには参加してなかったんですけど(笑)。私は、しゃべりが得意な方ではないので、皆さんとしゃべるときは緊張していました」と明かしていた。

映画「人と仕事」は、10月8日(金)より3週間限定で全国公開。

©︎2021『人と仕事』製作委員会
配給:スターサンズ/KADOKAWA

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