やっと前回、第5話の興奮をお届けできる喜び!!

皆さん、もちろん見ましたよね?

時代劇版『恐怖新聞』!!

冒頭、急に、京都・太秦(うずまさ)感出してきて(太秦かは定かじゃないけど)、大黒頭巾(なのかな?還暦のおじいちゃんが身に着けるあの帽子みたいなの)を被った刑事(駿河太郎)、そいつにひざまずく着物姿で髪を結ったママ(黒木瞳)、同じ装いだけど目が死んでる詩弦(白石聖)…って、突然繰り広げられるコント!よくある劇中劇コント!!それがまさかの時代劇!!!笑いが止まらない!!!!最高!!!!!って、そっからもう心鷲掴みにされて大興奮だったんだけど…尺長ぇ!そのまま4回もCMはさんじゃうしさ、現代に戻ったの、終了3分前!!しかも、今回は“恐怖新聞”の起源を過去に遡って時代劇でお届けします的な安易な注釈や説明一切なく、平然とやってのけてて潔すぎるし、何より本気すぎて全然コントじゃない!!本気と書いてマジもんの時代劇じゃんかよ!

次回予告で“時代劇”だなんて一切言ってなかったじゃん!わざとその次の回、つまり今回の第6話の映像入れてミスリードしちゃってるしさー!!うん、そうだよね!「次回予告」って右上に表示してるだけで、決して「第〇話予告」っては入れてないもんねー!!やられたーーー!!!だから最高!!!!!

ついつい語尾に「!」付けまくりの大興奮ですが、いや、だってさ、突然の時代劇って言ったって、見た目のインパクト、それだけで引っ張らない、繰り広げられる物語の濃密さよ。

もう時代劇版『恐怖新聞』の登場人物の設定からややこしいからね。詩弦がシズで、黒木瞳ママがヤエで、刑事が越後屋さんで、勇介くん(佐藤大樹)が流浪の若侍風で、まさかの突き刺さって死んじゃったあのパパ(横田栄司)が僧侶の空元さまとなって再登場って、役柄の名前を把握するのですでに大変(だけどそこがもう興奮)。…なのはもちろん、シズは独り身で、しかも身重で、そのお腹の子どもによって未来の災いを予言出来て、ヤエはそれを知った上で越後屋へ売り込んで、案の定その能力を越後屋さんが悪用して、空元さまはシズのお腹に宿っているのは人の頭を持った牛の怪物“件(くだん)”と察して、その悪巧みを知った若侍は越後屋許すまじ!と刀振り回して…だったんだけど、実はシズの夫を殺して、“件”をシズに無理矢理宿らせてたり、ホントに全てを企んでたのはヤエでしたー!からの、空元さまとシズまでもヤエが殺してしまいましたとさ…これが「恐怖新聞」の起源なのでした…じゃ終わらない!!実は実は、そのヤエの生まれ変わりは、なんと、詩弦なのでした…。

息継ぎ大変!濃厚すぎる!!話が濃すぎる!!!情報が整理できない!!!そもそも画的なものから把握するの大変な上に、人物配置もその設定も理解しなきゃいけないこと山の如しだったから、肝心の“件(くだん)”が、ニンベンに牛=人の頭を持った牛の怪物だからこの漢字ってのパッと気付けるわけねー!!で、そんなことより、なにより、未来の災いを予言できる“件”を宿ったシズが生まれ変わりではなく、散々の悪事を働いてたヤエが生まれ変わりでした…。って、これ相当ひどくない?詩弦、あまりにもかわいそすぎない?なんでよりにもよってヤエなの!?シズの生まれ変わりってんでも相当なのに、なぜヤエ!!理不尽すぎる!!詩弦が何をしたっていうの!!!

ってことで、つまり、第5話、最高だったね!

…なんだけど、第6話も…、やっぱり最高!!!

もうね、今回は全員が主役!…っていうか、全員がフルスロットル!!見せ場しかない!!!

これまで以上に振り回されまくる詩弦、前々回の予告でチラ見せされていた桃香ちゃん(片山友希)の狂気、勇介くんの人生グラフ乱高下、一体あんたは何がしたいんだの刑事など、全キャラクターが冒頭からスパークしまくって見所しかないわけですが、前半そんな彼らに押され気味?で、今回はさすがに、その他の皆さんが活躍しまくってるから、脇シフトなんだね…って少しがっかりしかけてた黒木瞳ママ…だったんだけど、後半、それを超余裕で、異次元のスピードで、あっという間に追い抜いて、ラスト、絶頂に達する様は圧巻です。

それがまた、黒木瞳ママ関連の流れが凄い。これまでさまざまな伏線らしきものが仕掛けられてたっぽいんだけど、まさか伏線だと思ってないもの・ことが、次々回収されていく展開がとてつもなさすぎて、爽快すぎて、感動するんです。

それはあの第3話で起こった、僕もあの時(第3話レビュー)ふざけて表現したにすぎなかったあの時のママのテンション…「(パパの死を)切り替えて予言阻止するわよ!ってなテンション」が、まさか終盤、え!?あのテンションはここへの伏線だったの!?ってな具合、驚愕のリンクを見せるのです。

あともう一個、それ以上に衝撃。第4話でやたら丁寧にレシピ紹介するよね…だったママ考案のカフェ新メニュー“ゴマミルクコーヒー”を作る際に使用した、今思えばどう考えてもゴツすぎる“すりこ木”…が、とてつもないキーアイテムとなります。もう誰も想像できない場面で“すりこ木”が登場して、あまりの唐突感、サプライズ過ぎるので、恐怖におののいちゃうのはもちろん、“なんですりこ木―――!!”って絶叫しながら爆笑しちゃうこと間違いなしです。実は今回の中盤、怪しげな感じで“すりこ木”は再登場して、もうここからなんかある、“すりこ木”でなんかある予感しかない!ってなるんですが、その“なんかある!”の、想像してる角度、斜め上すぎるもんで、案の定の“すりこ木”でも、恐怖&爆笑となるのです。

そしてそっからはママの独壇場。予告でも散々煽ってた最終章突入!って感じ。大抵そういうこと煽り始めると、どこが最終章なの?ってなる事多いわけですが、その“すりこ木”からの黒木瞳ママの独壇場なんだから、最終章感しか漂いません。『恐怖新聞』の結末やいかに!?な気分、否応なく高まります。

って、そのママの独壇場があまりにも凄まじかったもんだからそれだけに注目しちゃったんだけど、実質前回と言っていい第4話で繰り広げられた“詩弦VS勇介VS桃香のラブバトル”が想像を絶する結末を迎えます。

勇介くんなんか、前半パンイチで詩弦のベッドに横たわり「愛してる」だし、デート中突然の「一緒に暮らそう!」だし、勇介らしさ大爆発の猛スピード。桃香も桃香で、家を訪ねてきた刑事を色仕掛けして股間をまさぐる…っていう爆裂クレイジー劇場開幕…そこからもうエンジンがおかしな感じにかかりまくって、都度都度登場する桃香ちゃんはもれなく全部恐怖で、猪突猛進勇介くんは中盤、ついに一線越えたなこいつ…ってなっちゃうのに、ラスト、その一線どころじゃない、とてつもないラインを飛び越える信じられない結末迎えて、画的にも超衝撃映像になっちゃうし…。

ああ、もう、つまりは…何もかもが見どころ!!絶対に見逃さないで!!!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)